30きつね〜紅魔お茶会〜
30話目ですね
人生というゲームは程よく頑張りましょう
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「見えてきたね」
「・・・・うん」
現在紅魔館にフランを連れて行く途中である。霧の湖の上空といったところだろうか
舞と紫は置いて来た、と言うより寝ていたので放置して来たと言った方が正しい。昨夜のパーティーで飲み過ぎだろう
「あ、めーりんだ」
「めーりん?・・・ああ、門番か」
紅魔館の門番こと紅美鈴が壁に寄りかかって立っている。一様挨拶をしないとね
俺とフランは急降下して門の前へと降り立った
「・・・・・zzzZZ」
門番は眠っている
「おーい、妹様が帰って来たんだぞー」
「・・・ふふ、もう食べれないですよー」
ベタな夢を見ているようだ
「何をしているかと思ったら・・・」
美鈴をどうしようかと考えていると門の後ろから声。そしてメイド服
「あ、咲夜さん。開けてくれませんか?」
「かしこまりました、少々お待ちください」
すると門はギィィと音を立てて開いた
「咲夜さん別に敬語じゃなくてもいいですよ」
「いえ、凌様は客人なので」
「うーん・・・でもさ、フランからお兄ちゃんって呼ばれてるからさ、客人ってのもねー」
「・・・そうですね、凌様は紅魔館の恩人ですものね」
「恩人って照れるな。あ、あと様付けもやめてくれないかな?こっぱずかしいよ」
「わかりました。それでは凌さん中へどうぞ・・・・・妹様」
「な、なに?咲夜」
「おかえりなさいませ」
「・・・た、ただいま!」
あーあ、咲夜さん泣いちゃってるよ。顔は無理矢理笑顔だけど
「それじゃ、行こっか」
「うん!」
俺とフランは紅魔館の中に足を踏み入れた
少し歩くと外から美鈴の悲鳴が聞こえたのは気のせいじゃよ
〜
「この扉の中にフランのお姉さんが居る、此処からは一人で行きな」
「お兄ちゃんは?」
「扉の外で待ってるからさ、家族水入らずって言うだろ?今日はレミリアにたっぷりと甘えるといいよ」
「・・・出来るかなあ、何百年も話してないのに」
それに関しては大丈夫だろ、レミリアは妹思いーー極度のシスコンだからな。フランが甘えると言うよりレミリアが甘えるんじゃないかな
「大丈夫大丈夫、行きなって」
「・・・分かった・・・!」
フランは決心をして扉に手をかけた、扉はゆっくりと開いてフランが中へと入る。開かれた隙間からレミリアが見えたので、頑張れよの意味を込めてグーサインをしてやった
フランにはウインクをしてやると同じくウインクを返してくれた。扉が閉まる
「さてさて、何しようかな」
「凌さん、紅茶でもいかがかしら?」
紅魔館の中をぶらぶらしようと思って歩いていると咲夜さんがいきなり現れた
「びっくりした・・・咲夜さんの能力ですか?時間操作とか聞いたような・・・」
「ええ、その通りよ。それでお嬢様達以外の紹介をしたいのだけど・・・」
時間操作、チートだ。いや俺が言える立場じゃないな。紅茶か・・・飲んだことないしご馳走になるかな
「そうだね、まだ名前も知らない人もいるし。ご馳走になるよ」
「それじゃあこっちよ、着いて来て」
〜
俺は咲夜さんに案内をされて室内だろうか?太陽は見えないが明るい。手入れがされているき綺麗な芝の上にテーブルと椅子がいくつか置いてあった
(家の中に庭かよ・・・)
椅子の上にはもう何人か座っている、先日紅魔館で舞たちが戦ったメンバーだろう
俺は軽く挨拶をしながら咲夜さんに案内された椅子に座った
「それじゃあ俺から自己紹介するよ、鈴谷凌だ。ちょっと長生きしてる狐だ」
「あの妖力はちょっと長生きどころじゃじゃないでしょう・・・」
ふぅ、とため息混じりで呟く咲夜さん
「狐・・・ね、私はパチュリー。魔法使いよ」
紫髪の少女の名はパチュリーと言うらしい。魔法使いは生まれて初めて見たな
「私は小悪魔と申します、パチュリー様の使い魔です」
魔法使いの使い魔は小悪魔?名前なのかな?
「ああ、よろしくパチュリーにこあ」
『こあ?』
「小悪魔って呼びにくかったからね・・・あ、嫌だった?」
「いえいえ!初めてだったので・・・大丈夫です」
「呼びやすくて良いわね、私もこれからそれで呼ぼうかしら」
「パチュリー様まで!?」
「何よ?不服なの?」
「そう言うわけではないですけど・・・他の方が付けた呼び方を気に入るなんて思いませんでした」
「呼びやすいからよ、別に意味は無いわよ?」
「あのー・・・私も自己紹介しても?」
おずおずと右手を上げて美鈴が言う
「悪かったわね、良いわよ」
「それじゃ、紅美鈴です!紅魔館の門番をしています!」
「使えないけどね」
「うぅ・・・咲夜さん厳しいです〜」
「門番中に居眠りをする門番は門番と言えないな」
「凌さんまで!?」
と、まあこんな感じで紅魔館メンバーの自己紹介が終わった。咲夜さんが入れてくれた紅茶はとてもおいしかった、正直なところお金をとっていいレベルだ
そんなこんなでしゃべっていると2人の幼い吸血鬼が中庭へと入ってきた、見ると2人は手をつないでいる。どうやらうまくいったようだ
「あ、お兄ちゃん!」
『お兄ちゃん!?』
事情を知らない咲夜さん以外のメンバーが驚いたように声をあげる。いやレミリアも驚いてないな、フランから話を聞いているのだろう
「そんな驚くなよ、兄貴分って言う意味だからさ」
「な、なるほど・・・」
「とんでもない狐ね・・・」
とんでもないってどういう意味だ、まぁ確かに吸血鬼の妹なんて作ったらとんでもないのかな?
「まぁいいじゃないか。それより全員揃ったんだ、みんなでお茶会でもしよう。あ、咲夜さん台所使わせてもらってもいいですか、あと食材も」
「 別に構わないけどあなた料理できるのかしら?」
「まぁたしなむ程度ですよ、少しのお菓子くらいなら作ります」
「わかったわ、それじゃあついて来て」
〜
調理完了
〜
今回俺が作ったのはただのパンケーキだ。調理中に咲夜さんが後ろから覗いてきていたようだ
俺は全員分のパンケーキを尻尾に乗せて中庭へと戻った、そういえば俺がしっぽを出した時、咲夜さんが物欲しそうに尻尾を見ていたような気がする
「さあ出来たぞー、みんなで食べよー」
「お兄ちゃんの料理はとっても美味しいんだよ!」
「へぇ、それは楽しみね」
レミリアが不敵な笑みを浮かべて俺を見てくる、俺が料理が上手いって事を信じてないんだろ
「いいからいいから、冷める前に食べちゃってよ」
俺がそう言うと他のみんなはナイフでパンを切り、フォークで口へと運んだ
(紅茶美味しいな、パンケーキに合うし)
俺がそんなことを考えているとレミリアが口を開いた
「お、美味しい!」
「これは咲夜さん以上の腕前!?」
続いて美鈴も
「悔しいけど認めるしかないわね。調理中覗かせてもらったのだけど、そんな特殊なことをしているようにも見えなかったわ」
「え、そんなに美味しいか?咲夜さんメイドだろ、本職に適うとは思って無いんだけど・・・」
「ね!言ったでしょ!」
「そうね、フランの言う通りだわ・・・」
「パチュリー様!美味しいですね!」
「いちいちうるさいわよ、確かに美味しいけど」
「え、えっと・・・ありがとう?」
こうも評価が高いとは思っていませんでした、今日の夕飯の仕度も手伝って欲しいと言われたので咲夜さんと一緒に作ります
二日酔いの馬鹿二人もやって来てちょっとした宴会?・・・パーティーになってます
舞に無理矢理酒を飲まされたフランが俺の血を吸ったり、それを見た舞が噛み付いて来たり、更にそれを見た紫が噛み付いて来たりとてんやわんや
他の連中も酔ってテンションがおかしい。パチュリーはテーブルに突っ伏して寝ているし、こあは浴びるように酒をがぶ飲みだ。
咲夜さんはその辺のことはしっかりしているみたいだ。ワインを片手に俺の料理を摘まんでいる
「凌、ちょっと良いか?」
そんな中、レミリアが一声
「なんだいレミリア?別に構わないけど」
「来て」
レミリアに腕を掴まれてズルズルとバルコニーへと連れて行かれる。
外は満月、雲ひとつ無いので満天の星空である
「どうしたんだよ、真剣な顔をして」
「まだちゃんと礼を言ってなかったからな・・・・・凌、その・・ありがとう」
「・・・ああ、どういたしまして。これからはフランとしっかりやれよ?」
「ふふっ、言われなくともそのつもりだ」
「良かった良かった、俺の役目も終了だな」
「ああ、たまには遊びに来てほしい、フランが悲しんでしまうからな」
「暇だったらな」
「本当なら此処に住んで欲しいんだけどな・・・」
「え?」
「いや、ひ、独り言だから気にしないでくれ」
「まあ、そう言うなら・・・そろそろ戻ろっか?中庭がメチャクチャだ」
「片付けが大変だろうに、咲夜も大変だな」
「おっと、レミリアにも手伝ってもらうよ?俺と咲夜さんだけじゃ人手が足りないからね」
「そ、そんな!?」
「はいはい、お嬢様も家事の一つは覚えましょうねー」
帰りは俺がレミリアの腕を掴んでズルズルと引きずって行った。レミリアはブツブツ言いながらも食器類を運んだりと手伝ってくれた
俺は咲夜さんに案内された部屋で眠ることにした、舞と紫は放置で良いよと咲夜さんに言っておいた
フカフカでシワ一つないベッドに横になって寝ることにした
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お昼投稿です
ちょっと仲良くなったかな?




