22きつね
地元の高校が勝つと嬉しいですね
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「今日の予定は?」
風砥が聞いてくる、今日は別にやることも無いので...
「特にないよ」
「それでは人里にでも行きませんか?」
そうだ、まだ行ってなかったな。暇つぶしにも丁度良さそうだし
「ああ、行こうか」
〜
「へえ、活気があるな」
見たところ里の人々は和気藹々と商売したり談笑したりと。
「ええ、住み心地は最高ですよ」
「そっか、お前ここに住んでるんだったな」
周りを見回すと数匹だが妖怪が混ざっていた
「なあ、妖怪が買い物してるぞ...」
「私達が言えた事じゃ無いですけどね。里の中で人を襲わない限りは至って普通に接してくれるんですよ」
ここは幻想郷の安全地帯と言うことか。紫の奴も考えてるな...いや、考えたの俺だったか?
「変わってるな」
「幻想郷ですからね、変わっていて当たり前ですよ」
「ははっ、それもそうだな。...おっ、あそこで朝飯にしよう。お腹すいたから」
「あれは人里で人気な店ですよ、並んでますけど」
「それ程美味しいってことだろ、並ぼうぜ」
俺の料理にまた一つレシピが加わるかもな
〜
「すみませんが相席でよろしいでしょうか?」
「俺は構わんぞ?」
「私もです」
「ありがとうございます。ではこちらに...」
そう言って案内された席には...
「おや、凌に風砥じゃないか」
金色の尻尾が9つ、蕎麦を啜っている
「藍か、今日は朝飯作らなかったのか?」
「いや、作ったんだが...トイレに行ってる間に紫様が全部食べてしまったんだ...」
「それは...御愁傷様...」
出来の悪い主人を持つと大変だな...
出来の悪いと言うかただのグータラだけど...
「あ、おろし蕎麦二つで」
「かしまりました」
「藍さんも大変ですね」
「全くだ、1日20時間は寝ているんだぞ」
「20!?よく寝れる...」
20時間寝るとか馬鹿じゃねーの!?可哀想、藍可哀想。
「こちらの身にもなってほしいものだ...」
「大変だな...頑張れ」
「出来の悪い主人を持つと大変ですよね」
「待て風砥、なぜこっちを見る」
「凌さんも昔は寝てばかりでしたもんね」
「やる事が無かっただけだ!」
そうだ!俺は仕事があれば働くぞ?紫と一緒にするな!
「ふふっ...そう言えば凌達は何をしに里に?」
「んー、暇つぶしだよ」
「そうですね、凌さんがまだ来たことが無いので案内してます」
「そうか、慧音には会ったか?」
「いえ、これから案内しようと」
慧音?里の主かなにかかな?
「誰だい?」
「会えばわかるさ」
ふーん。あ、この蕎麦美味しいな。鰹節の出汁でとったつゆ、打ちたての蕎麦の風味が最高だ。
「それじゃあ私は仕事に戻るよ」
「後で紫を叱っておくからね」
「頼んだよ...」
あ、すっごい真剣だ。こんなに式を酷使するとは...紫はもっと仕事をするべきだぞ
「それでは、行きましょうか」
「慧音って人のところか?」
「ええ、人里の守護者です」
〜
さて、朝飯も食べ終わって風砥に案内されて来たのだが...
「寺子屋?」
「ええ、里の子供達に勉強を教えているんですよ」
「ふーん、.......こんにちわー」
「凌さん、授業中かもしれませんよ?」
あっ、やべ。そう思っていると背後から声を掛けられた
「今日はお休みだから心配ないぞ」
「え?」
「それで、妖怪が何の用だ?」
少し殺気が篭っているようだ。尻尾を隠して妖気も隠しているのに気づかれるとは...
「ああ、慧音さん。こんにちわ」
「おや?風砥君じゃないか、そちらの妖怪は?」
「友人です、悪い妖怪ではないですよ」
「風砥君がそう言うなら本当なのだろう...」
「アンタは?」
「私は上白沢慧音、この里の守護者であり教師だ」
髪は白に青が少し混じっているような色、頭の上に学者帽だろうか?いかにも教師という感じだ
「俺は、鈴谷凌だ」
「先ほどはすまなかったな。お詫びと言ってはなんだが、お茶でもどうだろうか?」
「それじゃ、ご馳走になるか」
〜
「へえ、ハクタクか」
「ああ、君は狐だったか?八雲の式と同じだな」
寺子屋の中にある客間でお茶を飲んでいる。どうやら慧音は人間ではなく半獣のようだ。能力も聞いたが歴史を食べたり作ったりするらしい。詳しい事はwikiで、話をよく聞いていなかった。
「まあね」
「凌さんの方が藍さんより上ですよ」
「え、ほ、本当にか?いや、悪い。その..あんまり強そうには見えないからな...つい」
「よく言われるよ」
「尻尾の数で強さが分かるのだろう?凌君は何本あるんだ?」
「俺は15本だ」
15本になってから何千年経ったのだろうか?これ以上増えるのだろうか、増えるなら増えてほしいと思う。15本でも勝てない相手がいるからな
「15!?大妖怪以上じゃないか!.....君が悪い妖怪じゃなくて本当に良かったよ...」
「そうですね、これが敵になったら幻想郷は破滅ですよ」
これって、おい
「大丈夫大丈夫、そんな事は無いからさ」
「そうだな、良い妖怪みたいだし」
「それはどうも。さて、そろそろ帰るよ」
「今日は話せて良かったよ、今度授業に参加してみないか?」
子供達の中に大人が一人ってのも変だな、それに俺はそんな歳じゃないし
「気が向いたら来るよ」
でもまあ、たまには良いかもね。
「それでは凌さん今日はこれで」
「ああ、案内ありがとな」
「はい、それではお休みなさい」
〜
「えーっと、何してるの?」
「あ!凌さん遅いですよ!」
家の前で舞が座り込んでいた。待ってたのか?何か用があったのかな?
「ど、どうした?」
「ご飯食べに来ました!」
「帰れ」
「な、なんでですか〜、良いじゃないですか〜、お願いしますよ〜」
袖を引っ張って上目遣い、これは破壊力抜群に可愛い...!!! うぅ、仕方が無い...
「わ、分かったから放せ。ほら入れ、今作るから...」
「やった!ご馳走になります!」
家に入り客間に舞を残して台所へ。舞には酒樽を一つ与えたので大人しくしてるだろう。
何を作ろうかね...
〜
今日の夕飯
・イワナの照り焼き
・小松菜とほうれん草の和え物
・炭火焼き鳩の胸肉
・油揚げと豆腐の味噌汁
・魚のつみれ入り油揚げ
以上5品の完成だ。油揚げはもちろん俺の大好物だ。狐だからな。朝飯の時、藍も蕎麦の他に油揚げを10枚頼んでいたしな。
尻尾に乗せて客間に運ぶと、舞が目を輝かせて料理を見つめる。おい、ヨダレ出てんぞ。
「いやー相変わらず美味しそうですね」
「ヨダレ拭きな.....それじゃあいただきます!」
「いただきます!」
〜
「あー美味しかった」
「俺の....油揚げ...」
油揚げを1つ食べていたら4つ減っていた。怪奇現象かよ...
「ご、ごめんなさい。まさか凌さんの大好物とは知らずに...」
「いや、良いんだ...また作るから」
「その時はまた来ますね!」
「.....次は倍の量作ろうかな」
「もう夜も遅いですね、それじゃ寝ましょう!」
「ああそうだな...ってお前は帰れよ」
「こんな夜中に女性一人だと怖いですー」
妖怪はお前を見た瞬間逃げ出すだろう。どの口が言うか。
「お前の方が怖いと思うけど」
「むぅ、失礼な。帰りません一緒に寝るんです!」
「駄目だって、一緒なんて」
「もう決めましたから!力尽くでも泊まります!」
「なんて勝手なんだ!?」
「じゃあお風呂借りますね♪」
「え、ちょっ....」
キィ〜...バタンッ!と音がして舞は風呂場に消えていった。
(えっと...どうしよう..)
いい考えを引き出そうとしたが...
「凌さん、お風呂どうぞ〜」
「分かったから押すなって」
風呂場でジックリ考えるが舞を帰らせるいい方法が思いつかない、力尽くも考えた。だが、家の倒壊の危険性と本気を出したら勝てないので却下
俺は風呂を上がった
「凌さん、お風呂上がりの一杯どうですか?」
「え、ああ。いただくよ」
水を一口飲む、冷たくて気持ちが良い。
「...あ...れ?」
なんだかフラフラする、急に眠くなった。眠くてロクに働かない頭で考える...これは、睡眠薬か...!?
「フフフ、凌さんも無防備ですねえ」
「ま....い...これ...は?」
壁に寄りかかるように座り込む、立っていられないのだ
「睡眠薬です、腕の良い薬剤師が知り合いにいましてね」
「な、なに...を...」
「さあ?何でしょうねえ...」
グイっと舞の顔が目の前に来る。間近で見ると本当に可愛い...じゃなくて何!?この状況!?逃げ出そうにも眠気で力が出ないし舞に押さえつけられているし。
「別に今日は何もしませんよ、ただ一つだけ...」
「...!?」
唇に柔らかい感触、舞の顔が更に近くにある。自分が何をされたのかが分かり、意識を手放した。
「...ん、...一番目は貰いましたよ」
「………すぅ...すぅ...」
「これで一歩リードです。これから増えるであろうライバルにも負けませんから」
凌を抱きかかえて寝室へ、部屋の広さに合わない布団が一つ。そこに寝かせる。
「今日はゆっくり休んでください...」
そう言って舞は凌の布団に潜り込み、いつもの様に尻尾を抱きかかえて眠った。
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深夜テンションで書きました。




