11きつね
5日で10話とか暇人みたいですね。
暇ではないけど暇です。
能力を使いこなせてない
2つ目の能力とかマジ空気
そんな事も気にせず書きます
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「それじゃ、行くよ」
天気は快晴、そよ風が気持ちいい。腰には食料(どんぐりと栗)が入った袋を下げている。
う〜ん、良い天気だなぁ〜
「行ってらっしゃーい」
「凌!ここはあんたの家でもあるんだから、たまには帰って来なよ!」
「凌さん、次に会ったら手合わせお願いしますね〜」
わかったよ、行ってくる
そう言って守矢神社を後にした。
〜
村の中を通る間、顔見知りの奴らと話をしたり店のおばちゃんから野菜を貰ったりしながら門から出て行く。
もちろん野菜は返したよ。
旅で野菜とか腐らせたら勿体無いじゃんか!RPGとかで腐らないのが不思議だよ!保存方法教えろ!
門番に挨拶しながら守矢の門を抜ける。
「さて、何処に行こうかな〜♪」
先ずは情報取集だね。情報なら茶屋で聞き込みでもした方が良いかもね。
「茶屋が見つかるまで気ままに歩きますか〜」
〜
「あれ?凌兄何処行くの?」
「凌兄遊ぼうぜー!」
少し歩いた所で村の子供と会った
「お前ら...門から出ちゃ駄目だろう?」
「俺たちは無敵だぜ!妖怪なんてへっちゃらだぜ!」
「そうだそうだ!」
村では有名な餓鬼んちょ二人組だ。こいつらには何を言っても変わらない。
「はぁ〜...あ、お前ら茶屋って何処にあるか知らないか?」
「茶屋ならこの道まっすぐ行けばあるよ」
「凌兄どっか行っちゃうのか?」
「旅に出るんだよ。お前らとはお別れだな、さっさと村に戻れよ?妖怪に食われても知らんぞ」
「「えぇ〜」」
「えぇ〜じゃない!ほらほら行った行った!」
村の方に方向転換させて背中を押してやる、ついでにちねり攻撃もプラス
「いだだ!わかったから!ねえ!」
「ちねんな!いだいいだい!!」
ほらほらさっさと行きな、と言って背中を向けて歩き出す。
「凌兄〜!覚えてろよ!」
「また遊ぼうな〜!!」
まったく、良い笑顔しやがって...
「ああ!!またな!!」
俺は再び歩き始めた
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(ふむ...)
私は八雲紫、隙間妖怪なんて呼ばれてるわ。趣味は人間観察、私は人間の生活をよく見ている。何故か?理由は一つ、私は人間が好きだからだ。
私は妖怪である。生まれ持った才能と境界を操るという強大な能力のおかげで、血肉を求めて襲ってくる妖怪を退けて今まで生きてきた。
そんな妖怪が人間のことが好きだというのは自分でも可笑しいと思っている。だけど、人間の生活というのは興味が尽きないものなのだ。
私は今まで一人だった。妖怪にも種類が
ある、私は一人一種であった。例えば鬼や天狗のように生まれたときから属す場所が無かったのだ。人間は、その短い人生をどのように過ごすのか。時には団結し時には一人で頑張り、様々な生き方を私は一つの芸術品のように思えた。
能力もなく、他人と協力しながら生きていく。そんな人間が大好きだったのだ。
今日も日課である覗きをしようとスキマで移動する。
(...あら?)
子供二人が男と話しているのが見えた。男は妖力を隠しているようだけど、私の境界を操る能力では丸見えだった。
(あの妖怪.....! 子供達が危ない!)
妖怪というのは人の肉を食らう生き物である。紫は子供達を助けようと手に妖弾をつくり、様子をみていた。
(何かしようものならば私が消滅させるわ)
そう思っていた。だがそれは杞憂だった。その男は子供達と笑って話をした後、何もせずに歩き出したのだ。
(あ、あれ?どういうこと?)
何故妖怪なのに人を襲わないのか?そんな彼の事が気になったので後をつけることにした。
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「・・・なあ、誰かいるんだろ?」
背後に妙な気配がする。目には何も写ってないが俺は感じていた。
「.....この辺から妖力を感じるんだが...」
そう言われた紫は驚く。スキマで見ているのだから妖力の漏れは仕方のないことだ。だが、漏れているのは極わずかだ。この妖力を感じとれる妖怪なんて指で数えられる大妖怪しかいないのだ。
彼は妖力を隠しているが多分大妖怪またはそれ以上の実力だろう、と八雲は思った。
凌は空中を指でなぞる
すると、空中に一本の線が現れて開く。その空間の中からは無数の目がこっちを見ていた。
「まさか、気づかれるとは思ってませんでしたわ」
そう言いながら一人の女性が不気味な空間から出てくる。
「えっと、どちらさんで?」
「失礼しました、私は八雲紫と申します」
確か紫色の道士服と言ったかな?それを着用した長い金髪の女性が一礼する。
「あ、どうも」
「一つ...聞きたいことがあるのだけれどいいかしら?」
「構いませんが?」
コホンッと咳払いをしてこっちを見る
「先ほどの子供達を襲わなかった理由を教えていただけますか?」
「え?...ああ、それね。俺は人間を襲わないし食べない主義なんだ。むしろ人間とは有効な関係を作っていきたいなーって考えてる...ん..だ?」
凌は紫を見る、するとそこには目をキラキラさせている隙間妖怪が一人。
「素晴らしい考えですわ!まさか同じ考えの妖怪がいるなんて!あの!お名前を教えて貰っても良いかしら!?」
「あ、ああ。凌だ。鈴谷凌」
「凌さん!その考えは素敵です!人間とは有効な関係をつくりたいですよね!?」
手を掴まれてブンブンと振り回される。
「わかった!だから落ち着いて八雲!」
「あ、あら。私としたことが……///」
〜
「なるほど、それで凌は人間が好きなんですね」
「まさか同じ考えだったとはな」
落ち着いた八雲と話をしている。
「この話、友人にすると笑われるのよ」
「そりゃねー、妖怪が人間を好きなんて聞かないから仕方ないよ」
紫は嬉しかった、自分と同じ考えを持つ妖怪に出会ったのだ。この人なら私の夢をちゃんと聞いてくれるかもしれない...そんな希望を持って切り出す
「あ、あのね凌さん。笑わずに聞いてほしいの、私の夢の話なんだけど...」
「...良いよ」
真剣な表情になった八雲を見てしっかりと聞く姿勢をとる
「あのね、私には昔から夢があるの。人間と妖怪が一緒に住める場所を作るっていう夢があるの」
「・・・」
「でも、具体的には何をすれば良いのかもわかってないわ。人間と妖怪は相容れない存在だとわかっていても、私の夢なの。今日、貴方が人間の子供達と話してる様子を見てこの夢を実現させたいという思いが強まったの」
俺は頬を緩めて言った
「素晴らしい夢だと思うよ。人間と妖怪が共存する世界、そんな世界があっても良いんじゃないかな」
「ほ、本当ですか!?」
「うん、俺も協力するよ。必要だったら呼んでくれるかい?」
私はこみ上げてくる喜びを抑えきれずに凌に飛び付く
「うおっと」
「私、本当に嬉しいです!共感されて、しかも協力してくれるなんて!」
ニヤニヤが止まらない。今の私は口元が緩んだのが戻らない。
「あのっ!」
「なんだい?」
「えっとね、そのね...」
「?」
「そのですね、ええっと...」
「どうした?大丈夫か?」
不審なモノを見る目で見られた。いけないいけない。夢に共感してもらえた喜びからか気分が高じて、舌が上手く回ってくれないようだ。紫は一旦足を止め、落ち着け落ち着け、と二回ほど深呼吸して、
「凌さん!わ、私と友人になってくださいませんか?」
「友人?」
「はい、初めて私の夢を応援してくれた最初の友人です」
「わかった、いいよ」
「っ!それじゃあ!」
「ああ、よろしくね八雲」
「紫」
「え?」
「せっかくなんで名前で読んで下さいな。わ、私も凌と呼びたいので」
そう、顔をほんのり赤く染め、俯きながら紫が言った。
「わかったよ、よろしくな紫!」
「ええ!よろしくね凌!」
今日は、一人妖怪の友人が増えた。
一緒に旅はしないが読んでくれれば直ぐにスキマで向かうとのことだった。
(便利な能力だなー)
紫も助言を聞きにたまに来るらしい。
とりあえず茶屋に行こう。
情報収集せねば。
紫と別れた後、再び歩き出した。
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紫との出会いをテキトーに書いてみました。次回は京にいくと思います。
文章がゴッチャゴチャしてる感