9きつね
暇なんで書いてます
進展なし
______________________________________________________________
ふと目が覚める、どこかの室内のようだ。
「・・・ああ、疲れたから寝たんだったな」
体を起こそうとするが全身に激痛が走り 再び布団に体を預ける。
天井を眺めながら考える
一か月であんなに強くなるとは…
俺と戦った時とは全くの別人だったな、後で聞いてみるか。
スゥー
ふすまが開かれて一人の女性が入ってくる、頭に角が見える
(舞か・・・)
こちらが目を開けているのに気付いたのか小走りでそばに来る
「り、凌さん?気が付きましたか?」
「ああ、ついさっきにね」
「良かった・・・、あのですね・・その・・ありがとうございました」
舞は深々と頭を下げる
「え、え?なんかしたか俺?」
「凌さんも見たでしょう?私が別人になるのを、あの時凌さんが止めてくれなかったら・・・私は神奈子さんも諏訪子さんも殺していたと思うんです。あの状態になると自分では制御が効かないので」
「なるほどね、確かにあの強さは異常だよ。この一か月で何があったの?」
「凌さんと別れてから修行をしてたんですよ。そしたらですね、自分の中にはさらに妖力があることに気づいたんです。・・・でも、その力を引き出す方法がわからなかったんですよ~」
「それで、諏訪子を訪ねたのか?」
「はい、神様なら何かわかるかもと思いましてね。諏訪子さんはこの力の引き出し方を教えてくれました、ですが・・・」
「実際に使わなかったと」
「・・・はい、この力は何か嫌な予感がしたんです。なので凌さんが神奈子さんと挑んできたとき「凌さんなら!」って思ってですね・・その・・」
「俺で試してみたというわけか・・・」
「はい・・・ごめんなさい」
まったく、困った奴だ。俺じゃなかったらあのまま暴走してたのか、うわぁ・・・考えるだけでも恐ろしいぜ。
「しっかしなー、あの強さには本当におかしいぜ」
「それに勝つ凌さんも異常ですよ~?」
「あの時のお前は正常じゃなかったからな。簡単に幻術に引っかかってくれて何とか勝てたんだよ。お前が冷静だったら負けてたよ」
「それじゃあ!あの力を使いこなせれば勝てるってことですか!?」
「あ、ああ。そういう事になるな」
あの力と平常心があれば敵なしだろう、俺もいい勝負はできそうだが絶対負けるな。
「精進あるのみですね。あっ、凌さんはまだ寝ていてくださいね。妖力の使い過ぎなんですから」
「舞は?」
「狐と鬼じゃ回復力も違うんですよ~」
はぁ・・・スペックの違いはしょうがないな
「神様達はどうしたの?」
「えっとですね、戦は神奈子さんの勝利で終わりました。今は諏訪子さんとこれからの事を話し合ってますよ~、だから凌さんは眠っててください」
「そっか、じゃあお言葉に甘えて二度寝させてもらうよ」
「添い寝してあげますよ~」
「じゃあお願いするよ」
「・・・えぇ!?あのっ、その・・それは・・・っっ!!」
「まったく、男性相手にそんな冗談言っちゃだめだよ。ほら、俺は寝るから。話し合いが終わったら起こしてね」
「・・・冗談じゃないのに」
「え?」
「何でもないです!しっかり寝てくださいね!」
ピシャンッ!!
勢いよくふすまが閉められる音が響く。
(まったく・・・なんで怒ってんだ?)
考えても仕方がないので寝ることにした。
_____
舞視点
まったく・・・どうしてあんなに鈍感なんでしょうか!
言い出したのは私ですがあんなに軽く返事が来るとは!
「せっかくのチャンスを無駄にしたかも・・・、いや、まだチャンスはあるはず!諦めませんからね!」
はぁ、なかなか骨が折れそうです・・・
話し合いはどうなりましたかねぇ・・・、行ってみましょうか。
~鬼移動中~
話し合いが行われていたであろう場所は酒樽が積み重り、大声で話をする者、踊りを披露している者の姿があった。両国の神々のようだ。
「ま~い~、こっちに来て飲もうよ~」
「舞殿!凌の様子は!?」
奥にいる神代表二人が声をかけてくる
「凌さんなら目を覚ましましたよ。諏訪子さん酒樽一つください・・・あれ?神奈子さんは?」
「ああ、「凌さんなら目を」の時点でふっ飛んで行ったよ」
「そうですか・・・」
ライバルがいましたか・・・燃えてきましたね
「もう~、舞も神奈子もあの男に魅かれてるの~?確かにいい男だよね~、尻尾さわらせてくんないかな~」
「ぅえぇっ!?わっ、私はべべ別にそん「わかったわかった、ほら酒樽だよ」」
「うぅ~///」
「今夜は飲むよー!!!」
「・・・そうですね!飲み明かしましょう!」
_____
凌視点
さて、眠気が襲ってきたな。とか思ってたらバタバタと音が聞こえる、
「凌!大丈夫か!?」
「あぁ、大丈夫だから静かにしてくれ」
「あ、すまなかったな・・・」
あわてた様子で部屋に入ってきたのは神奈子だ。
「んで、どうしたの?」
「あのだな・・・その、ありがとうな」
今日はやたらと感謝されるな
「どうしたの?何かしたっけ?」
「お前があの鬼の相手を引き受けたのは私のためだったんだろ?私じゃ敵わなかった、だから引き受けてくれたんだろ?」
「・・・ああ」
その通りだ、あの時の舞は俺とほぼ互角の妖力を有していた。神といえどあの力の前では敵わないだろうと思い俺は自ら相手に志願した。
「まさかあんたがあんなに強かったとは思わなかったよ、初めて会った時は下級妖怪だと思っていたんだがね」
「普段は妖力を封印してるからね、それより話し合いは終わったのか?」
「ああ、とっくに終わったよ。今は宴会だよ、凌も来るかい?」
「遠慮するよ、酒は苦手だし動けないし」
「そうか・・・ゆっくり休むといい。・・・ありがとうな、凌」
「あいよ」
神奈子を見送り、睡魔に襲われるのを待った。
______________________________________________________________
まだ洩矢大和
次は知らぬーん