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ある夏の日のこと〜Chapter2〜
善博が肩をしたーーー。
それを聞いたのは同じ学校に通う元チームメイトからだった。
なんでも練習のときから肩の違和感を訴えていたらしいのだが、彼はもう大丈夫だと言い無理に練習を続けていたそうだ。
情けないーーーー。
自分はなんて情けないんだろう。
初めてそれを聞いたとき最初にこう思った。
自分は善博のことを天才だとか、周りもみんな俺と同じようなことを言っていたが実は違った。
才能は確かにあったかもしれない。
しかし、彼は才能に溺れることなく、努力を怠らなかった。
それに比べ自分は………………。
自分は…………………っっ!
気付いたら走り出していた。
ただ闇雲にーー何も考えず。
これが彼らの生き方を変えた
遠い遠い昔のーーある夏の日の物語ーー。