なん…だと…?
地獄のような枕投げを終え俺達は無事に朝を…いや決して無事とは言えないな。
まぁなんだかんだ言って生きていることに感謝するべきなんだろう。俺は初めて生きていることに喜びを感じた。
一つ気になることがある。
谷坂…こいつ生きてんのか?
『国木田…、こいつ生きてるよな?』
「あー、大丈夫やで? それ生命力だけはゴキブリ並やから」
恐ろしいことをすらっと言うなこいつは。
つか人間をそれ扱いかよーーーーー!
そして死にかけた谷坂は放置して俺達は朝食の準備に取り掛かった。
谷坂を横目でみながら俺はふと思う。
こいつの扱いひでぇ! それこそもうゴキブリ以下ではないだろうか。
そして俺達は朝食を取り、今日の予定について話し合っていた。
『今日は何をするんだったっけ?』
「今日はキノコ狩りちゃう」
国木田がキノコと言ったとき不意に谷坂が
「き、キノコっ?!」
と素っ頓狂な超えをあげた。
『どうした、谷坂? つか生きてたのか」
「あぁ、谷坂はキノコ嫌いやったな。つかしぶとい、いい加減死んだほうが楽ちゃうん?」真顔で怖いこと言うな国木田。
『殺すつもりだったのか…』
「あははっ! 冗談や! 冗談!」
いや顔からして本気だっただろ。
と思ったがあえて口には出さない
しかし谷坂は顔が青ざめている。
なぜだろうーーー?
そして俺達はキノコ狩りをすることとなった。
にしても高校っつーのは無責任だね。
教師も生徒とある程度距離を置いているようにも見える。これが中学校との違いなのかなとか特に意味のないことを考えていた。
『それににしてもしんどいな…』
「そう? これくらい楽勝やん♬」
なんでこんなに涼しい顔してやがるんだ…!
昨日枕投げといい運動神経はいいのかもしれない。
『あれ? そーいえば谷坂は?』
「え? 知らんで? まぁあいつは死なんから大丈夫や!」
そういう問題なのか…?
しばらく俺達はその辺を散策していた。
俺はと言うともう疲れて少し息が乱れてきていた。
対する国木田は余裕だと言うばかりに
「なんや、情けないなー、原」
と未だ涼しい顔をしてやがる。
「まぁ、少し休憩しよか?」
『あぁ、そうしよう…!』
そして近くの大木に腰を掛け息を整えていた。
そして10分くらい経った時だろうかーーー?
近くでガサッと物音がした。
えっ?と二人は顔を見合わせる。
「な、なんや、まさか…熊っ?!」
『落ち着け国木田、それに…』
お前なら熊の一匹や二匹殺れるだろ。
国木田は?と首を傾げていた。
しかし、そうしている間にも物音は近づいてくる。
そしてシルエットが浮かびあがる。
熊などではないれっきとした人間のーーー。
そして原はその人間に見覚えがあった。
『お、お前は…もしかして…?』
これが部活動について悩んでいる原にとって運命の出会いーーー再会であった。