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---時の果て----

二章 完結

物凄い爆風が空を舞い、全てを覆う様に広がっていく。

そして、その爆風に向かって進む者達がいた。

必死に防御障壁を張り、飛ばされない様に何回も地面に手を付きながらも必死にある少年の名前を呼ぶ3人の少年少女。


爆風が去った後は、煙だけが残り視界を遮っていく。

しかし、少女が風魔術で煙を吹き飛ばし、瞬く間に視界を遮っていた煙を吹き飛ばしてしまった。

煙が消えてなくなり、そこには大きく抉れたような円形のクレーターができていた。


彼女らは祈る気持ちでクレーターの中を覗き込む。

視点が徐々に下を向いていく。

先ほどの爆風で受けた傷など気にもせず、何かを必死に探して行った。


そして、少女の目から大粒の涙がこぼれおちていた。


「なんで……」

「私達は遅かったっていうの…?」


そんな悲しみにくれる中、1人の少年がクレーターの中に入り中心を目指し走っていく。

それを見た2人も涙を拭い、駆け出した。

中心に近づくにつれ、何か淡い光の様な物が浮いているのが見えてくる。

それは今にも消えそうな光、しかし、何故か強くみえてしまう不思議な感覚をさせる光。


「ロック!」

「ああ…俺にも見えているよ…」

「これは…なんにかしら?」

「…」


シェラは前に立って光を見つめていたロックに声をかけた。

ロックは暫く考え込んだいたが、首を軽く横に振ってわからないとの意を示した。

そして、紗菜も追い付き3人で光を見つめる。


「尚也君はどこに…そう!尚也君は?」


紗菜は一番最初に我に返り、尚也の身を案じた。

3人とも周囲を見渡し、索敵もしたが気配は後方にいる魔術師達しか見つけることができなかった。


「どこか…見つけられねぇ…周辺には何も気配がない…」

「そんな…」

「……」


紗菜とシェラは泣き崩れた。

ロックも涙を流しながら光をジッと見つめていた。

しばらく、3人が呆然と立ち尽くしていると、レイス達がようやく合流してきていた。


「これは…なんて威力ですか…」

「地面ごと抉られた感じですね」


レイスに続いてアンソニー、レイラ、マティオ、クリストファー、リーネが順にクレーターの中心に集まってきていた。

各々信じられないような顔をし、額に汗をかいているものまでいた。

そして、立っているロック達へとレイスが声をかけた。


「ロック君…シェラ君…紗菜君…」

「……」

「……」

「……」

「一体…何がどうしてしまったんじゃ…」


ロック達に話しかけたレイスを見ながらクリストファーは周囲の状況の把握に努めたが何もわからなかった。


「私達にもわかりません…でも…1つだけわかることがあります」


紗菜は涙を拭きながら立ち上り光を見つめて言った。


「きっと…尚也君が…倒してくれたんです…」

「…グスッうえええん」


紗菜の言葉にシェラが耐えきれず、声を出して泣き始めた。


「あの爆発はやはり…空間消滅術メギドだったんですね…」

「メギドとはなんですか?レイスさん」


レイスは天を仰ぎロックの方に手を置きながら話し始めた。


「禁呪の1つです。しかも極めて危険な…あれはね…自分を中心とした空間を自分ごと消滅させてしまうんだ。威力と空間の範囲は術者の力量によって決まるらしいですが…」

「じゃ…尚也はあの悪魔ごと消滅したって?」

「おそらくは…」


ロックは手と膝を地につけ、前のめりに倒れた。

地面をポツポツっと雫が濡らして行いく。

他のメンバーも暗い顔をする者や目元に手を置き、涙を隠す者もいた。


「アリッサになんて言えばいいのさ…」


レイラは小声で小さく悔しそうに囁いていた。

アリッサに連れて帰る約束をしていたのに、こんな結末になってしまった。

何もできなかった自分への怒りと悔しさが視界を滲ませていた。

すると、突然レイラの腕輪が光出した。

同時に全員がその光に驚きレイラを見ていた。


「アリッサの腕輪がどうして…?」

「なんですか急に?どうしたんですか?」


レイスの問いを待つことなく腕輪の光が強くなりレイラの腕から光の玉となり急速に飛び立ち、3メートルくらいの距離を離れ淡い緑色の可愛らしいリスのような形を変えたのだった。

そして、鳴き声を上げるとロックの前にある光へと走り出した。


「あれはなにを…」


呆然とする全員を無視するかのように可愛らしいリスのようなものは光をそのまま手で包み込み、またキューと鳴き声を上げたかと思うと、まばゆい光が全員を襲った。

その光は天高くずっと上空へと伸び、柱のようにそびえ立っていた。まるでどこかに違う世界へ繋がる道のように。


「一体なにが.....」


しかし、それ以上の事は起こらず、そして柱にも触れる事は叶わず。それぞれ呆然と立ち尽くし、泣き崩れる者もいた。柱をみて希望を見出そうとする者もいたのだった。

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