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69話 死闘

その遠吠えは世界中へと響きまるで地球が悲鳴をあげているかのようにも思えた。



「レンはあの女の中にいるっていってたよな」

「そうね…アレをなんとかしないとレンも助けられないわ」

「でもあの人…元は私達と同じ人間だよね? 」


3人が必死にどうしようか相談しているなかで

尚也も知識をフルに活用して打開策を考えていた。


(最悪だ…元は人…どうすればいい?。

完全な同化をしている…多分…救ってやることはできないだろう…

人間の勝手に付きあわされ手に余れば捨てるか…ホント…腐ってる。

そんな人に俺は刃を向けられるのだろうか…いや、でも…

俺がやらなければレンも、ロックもシェラも紗菜も助けることはできない。

……本当に人は……自分勝手だ)


目を閉じ心を無にし、今自分が一番何をしなければならないのかを考える。

そんな姿を他の3人は心配そうに見つめていた。

そして、尚也は決心をきめたように声をあらげた。


「みんなやるぞ!迷ってたら全滅だ!レンを救いにきたんだろ」

「なおやくん」「ナオヤ」「尚也」


尚也の檄に3人ともやるべきことを再確認し、戦闘体制をとった。

黒き悪魔と姿を変えたソレは尚也達を睨み涎を垂らしていた。

不意に手を振り上げると手から急激に魔力を圧縮し、一本の闇の槍が現れそして、

黒槍を尚也達のいるところに勢いよく投げた。


「やばい!左右に散れ!!」

「「きゃ」」


急な出来事だったが無事に左右に別れるように飛んだ。

黒槍は後方まで飛び、その飛んだ道は黒く削られていた。

それは物凄い勢いの投擲だった。

尚也の一瞬の判断が無ければ全員無事では済まなかっただろう。



「なんて威力なの?!」

「当たったら洒落にならない」


黒き悪魔は休みを与える隙もなく手に再び魔力を圧縮しだし、

黒く丸いボールを作りロックとシェラのいる方へと放った!


「ロック!!」

「クソッーーーー炎壁(フレイムウォール)ーーーー」


炎の壁が瞬時に現れロックとシェラを護るように包んだ。

しかし、炎の壁は耐えきれずそのまま貫通した。


「そんなッ!ーーーー水流波(ウォーターストリーム)ーーーー」


黒い玉にシェラの放った水流が物凄い勢いで吹き出したが、

押し返せずそのまま共に消滅(相殺)した。


「あんな小さい玉が私たち二人の魔術相当なの?」

「マジかよ」


紗菜は二人の無事を見て安堵していた。

尚也はその隙を見て魔術を放つ。


「ーーーー聖光斬撃(セイクリッドブレード)ーーーー」


尚也がいち速く反撃の狼煙をあげた。

手からは剣状の黄金に輝く光が放たれており黒き悪魔に向けて斬撃を繰り出していた。

尚也の攻撃を受け黒き悪魔は一瞬怯んだかに思えたがダメージは少し火傷を負っている程度だった。


「…あまり効いてなさそうだ」


それの隙に離れていた場所から4人は合流し、

尚也は苦笑いをしつつ反撃に備えた。


「ガァァアアアア」

「めっちゃ怒ってるじゃない ーーーー流水壁(スプレッドウォール)ーーーー」

「きゃー!ーーーー聖衣(セイントヴェール)ーーーー」


口から火を吐き、それをシェラと紗菜はが懸命に障壁を張る。

そして、尚也とロックは攻撃魔術を悪魔に向かってそれぞれ魔術を放つ。


「ーーーー炎爆発(フレイムバースト)ーーーー!」

「ーーーー雷撃砲(サンダーブラスト)ーーーー!」


怒濤の攻防が続くが決定打を与えることができず

気がつくと戦闘開始から一時間以上経っていた。


「ハァハァッ、ホントにっ…切りが無いわね」

「クソッ、…守護者ガーディアン達とは…桁違いだな!…ハァハァ」


全員息を切らし肩で息をするほどの消耗を強いられていた。

黒き悪魔からの攻撃も当然全部が防ぎきれている訳もなく、

魔力の消耗、肉体的消耗、精神的な消耗もいつしか大きなダメージとなっている。

各々服が破れ、致命傷ではないが至る所に火傷や怪我を追っている。


(消耗戦になればこちらの敗北は揺るぎないか……。

…なんとか隙を作ってアレを撃ち込んでみるか…)


「みんなアイツの動きを一時的でいいから止めてくれ」


ロックは尚也の声を聞き、即座に魔術を紡いだ。


「いくぜーーーー火炎爆裂(エクスプロ―ジョン)ーーーー」


ロックの魔術で黒き悪魔が動きを止めた一瞬の隙をつきシェラが追撃を掛ける。


「わかったわ!全力でいくわよ!ーーーー絶対氷棺(コキュートス)ーーーー」


シェラの放った魔術で黒き悪魔の周囲に圧縮された膨大な冷気が

悪魔を襲ったがあと一歩の所で僅かに避けられ足を氷らす程度に止まっていた。


「そんなっ氷結の最上級魔術なのに!!」

「任せて!ーーーー天剣牢獄(セラフィサークル)ーーーー」


六望星が上下に出現し、剣の形をした光が上下から悪魔を拘束した。


「紗菜!やるじゃないの!」

「うん!」


嬉しそうに返事をし珍しくガッツポーズをしていた。

黒き悪魔は紗菜の牢獄によってその動きを止められなんとか

抜け出そうと大声を張り上げながらもがいている。


「ガアァァァ―――――――」

「尚也君!今だよ!!」

「わかった!」


尚也は再び魔力を集中し、両手を前にだして魔術を紡いでいく。

その光景を期待と羨望の眼差しで3人は見ていた。



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