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7話 美咲視点①

朝礼が始まり私は退屈していた。

横の尚也君を見ると ん? と首を傾げていた。

尚也君と付き合いだして半年くらいになる。私の一目ぼれで勇気をだして告白した。


「神堂君 1年の最初のころから好きでした!付き合って下さい!」

「…」

「…」

「ごめん 俺なんかやめたほうがいいよ」


尚也の眼には光がなかった。どうしてだろう?

なにを心に溜めているんだろう?私には何もできないの?

いやそばにいるだけでも違うよね!


「神堂君、私がそばにいたら迷惑?

 あなたが何を抱えているのかわからないけどそばにいることはできると思うの。

 お友達からでもいいから近くにいちゃだめかな?」


この2年近く誰かに必要とされたことなどなく、寧ろ、邪魔者扱いされ、蔑まれ

一人でこれからのことを考えていく毎日だった。

そんな尚也に彼女はそばにいるだけでもいいと、心に温かいものが

生まれるのに時間は掛からなかった。

そしてそんな言葉を断るすべを少年は持ち合わせていなかったのだ。


「君が、よければそばにいてほしい…」

「君じゃないよ 水嶋 美咲って言うの 美咲って呼んでね」

「美咲…」

「私も尚也君って呼ぶね♪」


その笑顔はまるで天使のように眩しかった。

いまの尚也の明るさには美咲の努力があってのことだろう。最近はよく笑うようになり

有田君とよく冗談をいいあっている。

あれから半年がたち、いまや彼女に昇進した。ククッと笑っていると横で

尚也君が怪訝な顔していた。

そんなことを考えていると後ろの方で・・・物凄い音がした。


「ドーンッ ドーンッ」


慌てて振り返るとそこには何か鉄の塊らしきものが転がっていた。

校長に言われて一人の教師が様子を見に行ったが何故か慌てふためいて

こちらに戻ってくるなり「にげろ 早く」と叫んでいた。

爆発でも起こったのだろうか?。

そう考えているうちに扉から誰か出てきた・・・なんといったらいいのか

仮装した人だが、どこかのゲームに出てきそうな出で立ちだ。

熱血教師がコスプレに対して何か文句をいいにいったらしい。

大丈夫なのだろうかと見ていたらコスプレが斧を振り上げていた。

これはヤバいよね…と思った瞬間熱血教師は吹き飛ばされ動かなくなっていた。

すると周囲から叫び声があがり事態が普通ではないと悟った。

尚也君が急に話しかけてきた。


「美咲・勇二…今の俺じゃ無理かもしれないけどちょっと努力してみるよ」

「え?尚也君…行ったら危ないよ?」「尚也?何を言って?」


尚也君が意味のわからないことを言って、コスプレの前まで歩いていってしまった。

そしてなにか話し掛けているようだ。知り合いなのかな?そう短絡的な思考を巡らしているとコスプレが尚也君に襲いかかっていた。


「尚也君にげてー」「尚也―」


「ドゴォォォーン」


大きな音を立ててコスプレは斧を振り落とした。体育館の床がその衝撃で大穴を開けていた。


「ウソ…」

「あんなの在りかよ」


美咲と勇二もほかの生徒と同じく信じられないという言葉を吐き出していた。

あんなので殴られたら尚也君はどうなってしまうのだろうと思ったら足が竦んでしまった。

その時前方で何か光るものが出てきたのを見た。


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