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51話 それぞれの思い

ユウの正体を尚也だと説明をし、なんとかシェラを落ち着かせた状態にある。

美咲は事前にシェラと紗菜にはメールで尚也のことを知らせておらず、

驚かせようと呼んでいたのである。

その試みは見事に成功した。


「ミサキ…これをどうにかしなさいよ」

「シェラちゃんのことが好きだって」


ユウはシェラに抱きつき離れようとしなかった。

鈴もユウと同じようにシェラに寄りすーっと…


「…私も…」

「「ぎゅ」」


ユウと鈴はシェラに抱きつき甘えている。

それを心暖かくみている紗菜の瞳はまるで母親のように穏やかだった。


「シェラちゃんよかったね」

「もうなんでもいいわよ」


諦めた感じで投げやりの言葉を吐く。


「その2人は何言っても無駄さ」

「それで、なおやに力が戻ったけど今はユウって人格なの?」

「ユウは双子なんだよ?産まれる前に吸収されちゃったの」

「…」

「そういう話はどこかで聞いたけど…精神が残ってるのは…」


シェラの問いに紗菜が自信なさげに答えている。

そして、美咲はユウから聞いた尚也の状況を話した。

シェラと紗菜は信じられないような顔し驚いていた。


「まあいろんな要素が重なってこうなってるのはわかったけど

 …これで少しは希望が出てきたといえるのかしら」

「希望って?」


シェラは真剣な顔になり紗菜を一度みてから話の核心へと迫った。


「封印が解かれたわ。そして、各国への要請もでてる。

 そして今回、全魔術師への招集へと変わり、明日には

 ニュースにもでるわ。もちろん私と紗菜もね」

「シェラちゃんも紗菜ちゃんもいくの?」

「私達は正魔術師じゃないけど2つ名を与えられてるの。

 2つ名を持つ者はそれだけ強い力の持ち主なのよ、

 学園の生徒でも例外はないわ」


美咲は尚也が悩んでいた時のことを思い出していた。

明日にはニュースになる…事は思っている以上に

大きいのではと美咲の心に不安が広がっていた。

体育館の様なあんなことは二度とあってはほしくないと。


「なおやの力が戻ればまたみんなで戦えるわ!」

「え?」

「レンちゃんも助けれるかもしれないよね」

「新堂のやつってそんな強いのか?」

「「もちろん」」

「…」


息を合わせたかのように同じ言葉を紡ぐ2人に彩見は

そんな風には見えなかったよと受け流していた。

いつもなら照れるはずのユウは無言だった。


「でも、すごい魔術師さんたちでも倒せてないんだよね?…」

「そうね…多分手の施しようがないのよ…以前の私達みたいにね」

「私の勘だけどまだアレとの接触もしてないんじゃないかな」


そんなシェラと紗菜の答えに美咲の心に不安として降り積もっていた。


「…あのね聞いてほしいことがあるの」

「どうしたのよ急に」


ユウはシェラに抱きついていた体を離し、今まで見たことも無い

真剣な顔に皆驚き耳を傾けざるを得なかった。


「なおやはね…ずっと…

 魔術師になれないって言われた日からがんばってきたの。

 1つになった今だからわかるの。わたしへ力を送った分、

 なおやは力を失っちゃった。でもね、諦めず魔力を増やす

 訓練も毎日欠かさずしてる。そして、今でも魔術師を

 めざしてる。だからね、わたしは本音をいうと戦って

 ほしくないんだ…」

「ユウちゃん…」

「「…」」


ユウは一筋の涙を流すと美咲は声をかけ抱き寄せた。

美咲が不安に思ってたことを何よりユウはわかっていた。

戦いに行くのが当たり前で、力が戻れば必要になり、

力が無ければ不要となる。

しかも無事で帰ってこれる保証はどこにもないのだ。

そんな理不尽をどこかで感じていた。

ユウが泣き出し美咲も涙を流していた。


「ごめん」

「ごめんなさい」


シェラと紗菜も自分の言葉に軽率な発言を素直に謝罪したが、

決して間違っていることではない。

レンを助けれるのも、アレを倒せるのも尚也しかいないと

2人とも思っているのだから。

現実的に軍でも対処できていない状態なのだ。


しばらくして空気を読んだ彩見が外に出かけようと提案し、

買い物とカラオケに出掛け夜は伊織の手料理を振る舞ってもらい、

楽しい夕食で水嶋家には久しぶりに沢山の笑い声がいつまでも聞こえていた。

そして、全員が泊まって行くことになり、

次の日は学校などを案内することになった。

無論美咲達は授業があったが、あの学校の校長なら

シェラと紗菜がいけば…また可愛いからOKだろうと。

そして、次の日の学校で校長が一語一句同じ言葉を

発した。


「この学校大丈夫かしら…」


シェラがそう呟いていたが皆無言だった。

そして、1つの臨時ニュースが全世界を駆け巡っているのだった。


そんなころ日本に降り立った二人の男女がいた。

軍服に身を固めているエミリー中佐と

髪は短いが金髪で引き締まった体をしてる14.5くらいの少年。


「尚也と会うのも5年振りか…」

「ロック君行きますよ?」


ロックはと呼ばれた少年は空を見上げて何か思うことが

あるらしく、しばらくして頷くとエミリーのあとを追うように

歩いて行った。

 



 

 

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