49話 学校生活
ガラガラッドン!
ドアが勢いよく開けられその音に周囲にいた生徒や
教室にいる者はギョッとしドアの方を凝視した。
そこには…髪が腰まであり薄いピンクのリボンをした
天使が立ち物凄い笑顔をしていた。
「おっはよー」
「ユウちゃんもっと静かにね」
「あーい」
美咲が元気いっぱいのユウを落ち着かせるように言う。
その様子をみて、ユウと呼ばれた子が生徒総会で出現した
子だとわかると一斉に話しかけようとしたが1人の無謀な
挑戦者が一足先に突入していた。
「ユウちゃーーーーん」
「ちょっと有田君やめなさいって」
「ーーーー氷棺♪ーーーー」
勇二が抱きつく勢いでユウに向かってきていた。
美咲は急いでそれを止めようとした瞬間後ろで
何やら声が聞こえたと思った…そして、目の前の
勇二がパキパキと音を立てながら氷の柱に取り込まれていた。
「「「え?」」」
「みさきちゃんわたしの席はどこー?」
「え?そこの後ろだけど…ってちょっと待って」
全員信じられない光景を見ていた教室の一角に2メートルは超えそうな
巨大な氷の柱が出現し、1人の生徒を閉じ込めている。
勇二は氷の中で固まっているらしく動かない…。
それを見て綺麗と語る生徒もいるがそんな状況じゃないことは明らかだ。
「今のはユウちゃんがしたの?」
「えへ♪凍らせちゃったw」
ユウはやっちゃったと無邪気に返事を返すが、
美咲は呆れたように元に戻すように言った。
残念そうにユウは解除の魔術を使い氷を消し去る。
氷がなくなり勇二がバタッと床に落ちそれを数秒見守ったあとに
…美咲が恐る恐る声をかけた。
「あ…有田君?生きてる?」
ユウが勇二の横にきて壁に掛かっていた箒で勇二をつついた。
「ツンツン」
「お…」
「「お?」」
「ツンツン」
「俺を殺す気かぁあああ」
「アハハ ユウジおもしろーい♪」
ユウは笑いながら勇二をつついていた。
魔術を行使し氷漬けにしたユウに対して周りの反応は
恐怖で慄くと思いきや、勇二との対応をみてみんな寄ってきて
話に参加し、女子生徒は可愛いユウを撫でたりして悶えていた。
男子生徒はさすがに触れることはできないので話をきいたり
質問をしたりと終始和んでいた。
「ユウちゃんて魔術が使えるんだねー」
「今のわたしは山も吹き飛ばせちゃうかも えっへん!」
ユウは冗談で言ってないのだが、
周囲はそんなユウも可愛いと受け入れていた。
担任の紀子は教室にはいってくると生徒が席につくのを
みて、今日からユウがしばらくの間尚也の代わりに授業に
でることと昨日の現象の説明をしてホームルームは終わった。
ユウの授業態度はなんというか凄いものがあった。
わからないことがあれば手をあげ構わず質問する。
教師陣もなんで?とその困ったような表情をされては
答えないわけにはいかず、授業をしばしば停止させながら
進んでいくのであった。
そして、今日はプールの授業があった。
「「「おっしゃーーーー」」」
クラスの男子生徒が全員でガッツポーズをしている。
円陣を組んで何やらコソコソ話をしていた。
「プールだよぉ みさきちゃんみんなもはやくー」
「はいはい、着替え持って更衣室行くよ」
「あーい」
「「「はーい」」」男子生徒
「…あんた達に言ってないから!」
「ーーーー重力場♪ーーーー」
男子生徒の体に物凄い重力が襲いかかった。
しかし、こんなことくらいで負けるとか這ったまま
体を引き摺るようにしてプールまで向かっていた。
それは血の滲むような道のりだったことは言うまでもない。
「ユウちゃん~あまりはしゃがないの~」
「あーい」
プールから聞こえてくるユウの声や女の子の楽しそうな
声をエネルギーとし最後の力を振り絞ってプ―ルのある第2グラウンド
まできたそのとき、プールにいるはずだった女子が髪を拭きながら
でてくるところだった。
「あれ…みんな楽しそうーだね。イモムシさんみたい」
「あれ…水泳の授業は?」
「有田君…今終わったよ?バイバイ」
「バイバーーイ♪」
「「「………」」」
しばらくの間その現実に男子は力尽きその場で動けなかった。
マッチョな水泳の先生が、もう1つ爆弾を投下していった。
「お前ら何授業サボって匍匐前進してるんだ!
全員でプールの掃除をしとけよ!
それと…あのユウちゃんて子…可愛さ無限大だな…」
「「「おぃいいいいい」」」
男子生徒は全員泣き叫んでいた…。




