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45話 天使の帰還

天から降り注ぐ光に全員上を見上げ眩しそうに目を

細めていた。

そして、天井をすり抜け天使が降りてくるように1人の

少女らしき者が降りてくるのだった。


「君は…」


全員が静まり返っている中、光の柱の中の少年は少女に問いかける

ように呟くと、手を天高く上げ少女の手と手が触れ合う。

2人は光の中で暫く見つめ合い、少女が嬉しそうに微笑んでいるのが

わかった。


「な…尚也君…?」


美咲は少女に敵意などが無いと判るが不安を隠しきれず名前を呼んでいた。

尚也にその声が届くと1度振り向き頷いてみせた。大丈夫と。

周囲の生徒や教師はその雰囲気に飲まれ一言も話せず黙ったまま

その光景を静観しているしかなかった。

少女がクスクスと笑う度に仕草や笑顔の可愛らしさが物凄い。

まさに天使の微笑みである。


(なおややっと会えた。この日をずっと待ってたんだよ

 わたしは戻ってきた。君と1つに戻るんだよ)

(君は俺の分身なんだね。そしてもう一人の俺でもある…)

(そうでもわたし達は元は2人…2人が1人になって…別れて…

 また1人になるの。元は2人だったけれど…わたしの体はないから)


少女の声は頭に響いてきていた。

尚也も声にはださず、繋がりがある影響か心での会話が成り立っていた。

しかし、少女は尚也が思ってる以上に奇妙なことを口走っている。

おかしいのは何故少女だということか…分身つまりは同じ者が

2人いないとおかしいのに目の前にいるのは少女だ。

極めつけは少女には体がない…

少女は実体じゃないかのように体が透けている。

そして、封印を使用した時には確かにもう一人の分身は尚也だった。


(ふふふ、聞きたいことだらけだね。手をつないでいる影響で

 思っていることが筒抜けだよ?)

(そうなんだ…じゃー色々教えてほしい)

(うん(^^))


物凄い笑顔で頷かれ思わず赤面してしまったほどである。


(わたしはユウとでも呼んで、きみとは双子の兄妹になるよ。けど…わたし達は

 お腹の中で1つになってしまったの。でもわたしはなおやをずっとみていたよ。

 分身でこちらに別れたとき、こっちのなおやの自我が無くなってしまい、

 そしたらわたしがでてこれるようになったの。すごいでしょ!)


えっへんもっと褒めて褒めてと言わんばかりに迫ってくる。


(もしかして…ミッシングツイン…いやでも…)


ミッシングツイン…

普通に双子として生を受けるはずが、もう一方に吸収されてしまい、

存在が消滅する現象。現時点では理由など不明なことだらけだ。

また吸収された方の精神がもう一方の中に残る事はありえないとされているが…。


(なおやは頭がいいね。なんでも知ってるんだね。

 もっといっぱいお話したいけどここまでくるのに大分疲れちゃったから…

 そろそろ休ませてほしいなあ)

(待って!1つに戻ってしまったらユウはどうなるんだよ!)

(しんぱいしなくていいんだよ。わたし達は2人で1人なんだもん。

 いつも見ているから色々気をつけてね。あとなおやにはやらないと

 いけないことが沢山あるよね)

(…ごめん…)


クスと微笑むと尚也の頬に手を置き唇と唇が触れた…(ありがとう…)

最後にそう尚也は聞こえた気がして涙が頬を流れていた。

光の柱は急激に輝きを増し、そして尚也とユウを包み込む球体へと

徐々に変化していった。

まるでサナギから孵化する蝶の繭の様に。


「すごい…」

「どうなってるの?」


2人の姿が消え周囲の緊張感が和らぎ、落ち着きを取り戻しつつ

ある生徒がそこら中で疑問を投げかけ合っていた。

中には繭を見て感動していたものも少なくはないが。


「水嶋!尚也が中に入っちまったぞ!」

「う…うん」

「また何が起きてるんだこれ?」

「きっと悪いことじゃないよ。私達は待ってないといけないのよ」


勇二が近くまで来て話しかけていた。

美咲の目には強い意志が宿っており、今何が起きているか、

1番理解をしていたのは彼女であることに間違いはないだろう。

そうしてるうちに繭の光が強弱に点滅し始め、何かが起ころうと

していることが分かった。

全員それが何か分からなかったが何故か不安はなく逆に安心感

の様なものに包まれた感じがしており、固唾をのんで見守っていた。





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