2話 侵入者
「おはよう~」
「おはよう~」
学校に近付くにつれ知り合いとの挨拶が続く。
「ようっ 尚也~
今日もアツアツな登校だな このヤロー」
と絡んでくる級友は
有田 勇二 同じクラスの友人だ。
「羨ましいなら お前も彼女作れよー
応援だけしてやるからw」
「おま・・応援だけじゃなく
誰か紹介してくれんのが親友だろ!」
ちなみに美咲は俺の彼女である付き合って半年になる。
ククッと笑いながら美咲を見ると同じように笑っている。
「まあ頑張れ 顔はともかく性格はいいからw」
「凄く凹むな それ!」
俺もそんなに格好いいとか美形な顔ではない。
上~下までの基準としたら中だ。
そんな他愛もない話をしながら学校つく。
どこにでもある普通の中学校だ。
正門から螺旋のように伸びている坂道を
登ると4階建の校舎とグラウンドが見えてくる。
坂道の途中くらいに体育館があり、
今日は月曜日なので体育館で朝礼がある。
上靴を下駄箱にいれ、2階へ上がって教室に向かう。
教室に入ると・・・
「おはよう~」
「おはよう~」
教室にいる友人たちが挨拶を返してくる。
鞄を後ろのロッカーに入れた後、
最後尾にある机に座る。
その隣に美咲が腰を下ろすし、勇二は俺の前の席に。
このクラスの席順は生徒がきめているので、
自然と仲の良い友達同士がグループになる。
「今日も頑張ろうね!」
美咲が無垢な笑顔を浮かべながら微笑む。
担任が来てホームルームが始まる
「みんなおはよう! 今日は朝礼がありますから
早めに体育館にむかうことにしましょう」
「また長い校長の話かよ~」
勇二はうんざりした表情で呟いていた。
みんな同じことを思いそれぞれ体育館に向かった。
このあとに何が起こるのか知る由もなく・・・・
現在体育館で朝礼中だ。
シーンと静まった中、
ツルっとハゲ校長が長話をしている。
もういいだろ!
心の中で叫ぶ生徒は何人居るのだろうか。
校長や役員といった職種は長話をするのが
仕事かのように永遠と思われる時間を支配していく。
「ドーンッ ドーンッ」
不意に支配されていた時間が大きな音とともに
崩れ去った。
後ろの扉らしき(扉だったものが)破壊されて中へ
押し出され以前の状態には修復しようがない
状態までになって転がっていた。
「なにどうしたの?」
「なんで扉壊れてんの?」ざわざわ
複数の言葉が飛び交っている。
「みなさん、静かに。
先生方一体どうしたのかね?
扉をみてきてくれるか?」
1人の教師が扉のあった場所に向かう…
そこに1人何かが立っていた…
まるで死人のような肌の色、目は赤く光っていた。
両手に一対の立派な斧が握られ、
黒い鎧のようなものを身に着けていた。
「ヒィィ 」
一目見ただけでその教師は殺されると悟った。
腰が抜けそうなのを奮い立たせ一目散に
生徒の方に逃げた。
「なんだあれは正気の沙汰じゃないぞ…
に…にげろ みんな!早く!」
そう叫んでこけながらも前の扉に走って逃げて行った。
取り残された生徒や教師は呆れてそこら中で笑い声がした。
「なにあれ ダサい」
「なに?どうしたの?」
しかし、扉の前にいた人のようなものが体育館に
入ってくるとそんな笑い声は消えてなくなっていた。
「うそでしょ…なんなのあれは…」
最悪の始まりであった。