19話 帰還
その日の夕方、膨大な魔力と光が立ち登り一帯を地響きが襲った。
ローレンは書斎の窓から裏山の方で異変があったことをすぐ察知し
急いで向かっていた。
「一体何が起こっている?」
施設にいる他の職員たちも慌ててローレンを追った。
「ローレン先生一体何事ですか?」
「それは私が聞きたいね、この魔力に地響き、山一つ吹き飛ばしてもおかしくないぞ」
「まさか…そこまで」
「詮索をしているより今は急ごう」
暫く走り裏山の麓まで行くと弟子達を見つけることができた。
その姿を見て驚きのあまり声を掛けるのも忘れてしまったくらいだ。
服はボロボロになり所々泥だらけで血が滲んでる子もいた。
子供の見習いの魔術師達とはいえ、彼らは既に学園に通ってもトップクラスの
実力を持った子たちなのだ。それが見るも無残に。
尚也に至っては気絶し倒れているようだ。
弟子たちはおぼろげな表情でこっちを見ていた。
「どうした?何があった?」
その言葉をきっかけに弟子たちの緊張の糸が崩れた。
「先生…?」
「ローレン先生…レンちゃんが…グスッ」
「洞窟にまだレンが…いるんだ!」
シェラはまだ心ここに在らずだ。
紗菜とロックはレンを探してとローレンに懇願する。
シェラも正気に戻り泣きながら事の次第を話していく。
ローレンと職員達は子供達の話を聞きながら洞窟があったであろう場所を
見ていたが入口が既に崩落しているのを確認すると今日は暗いから
もう無理だと言い、気を失っている尚也を背負い施設まで戻った。
部屋に行き
「今日はとりあえず体を休めないさい、明日改めて詳しく話してもらい
レンの救出に向かおう」
弟子達は極度の疲労と魔力の消費でベットに入るとすぐに寝入ってしまった。
ローレンも尚也をベットに寝かし、職員が集まっている部屋へと足を運んだ。
ガチャ ドアを開けローレルが部屋に入ってきた。
「お疲れ様です。子供達はどうでしたか?」
「大分疲れていたみたいですぐ寝てしまったよ」
「そうですか…」
「先生は先ほどの話し…どう思われますか?」
「俄かに信じがたいが尚也が気絶し、全員満身創痍でレンが行方不明…。只事ではないと言える。」
そう尚也を気絶させれるだけの力を持ったものがこの近くにいるとは思えなかった。
「明日人を集めて崩落した洞窟を調査すると共に弟子達からもう1度事情をしっかり聞こう」
「そうですね…しかし。あそこの洞窟に何かいるという報告はないのですが…」
「私も聞いたことがないが…万が一が有りえる。明日に備えて私達も休もう」
「そうですね…ではまた明日に」
解散し職員がドアを開け出ていくのを見てため息つく。
錯乱していたがシェラが怪物がどうの尚也が2人でレンが置き去りになったらしきことを
言っていたが、一向に状況が掴めない所だ。
「明日起きたら4人から事情を聞きなおすしかないか」
椅子から立ち上り寝室に向かう前に弟子達の寝ている部屋を覗いて
布団を掛けなおし、1つ空いたベットをみて彼女が生きてることを願っていた。




