18話 心の糧
カエリタイ…
暴走しているのはわかるが抑えるのはまた別のことである。
意思とは関係なく、魔力の放出は続く。
周囲の明かりにも目が慣れてきたころ。
不意に体が重くなり、身動きが出来なくなった。
何か重いものが体に張り付いているかのように重い。
次の瞬間、色々な色をした花火が飛び交いだした。
花火…花火と言ったがそれは何だろうか。
言葉の意味もわからないまま、
花火らしきものに目と心を奪われる。
花火が終わってしまったと思った次の瞬間
凄く綺麗な光の十字をしたものが近付いてきていた。
私は狂喜していた。
キレイキレイキレイ。
今だかつてこんな神々しい光をみたことがない。
私は目いっぱい手を広げ体全体でその光を受け止めた。
身体に大きな衝撃が走ったが大したことじゃなかった。
むしろ、頭が狂いそうなほど嬉しかった。
暫くすると子供たちが騒ぎだし1人の子供がどういうわけか、
2人になった。顔も身長も同じだが一方は透けていた。
そして不意に脱出という言葉を耳にしてしまった。
ここからいなくなるというのか…。
何で行ってしまうのだろうか。
やめて!
ここに居て私を一人にしないで淋しいよ。
マッテマッテマッテマッテ待ってよ…。
マッテイカナイデ
「マ…ッ…イ…デ」
私はまたこの暗闇に一人でいることが淋しい言う
感情であることに気付いた。
なんという僥倖、
いつ以来だろう淋しいなんて思ったのは
ハハハハハ
心の奥底で何かが嗤い続けている。
本当に狂っている。
4人がその場からいなくなり2人が残っていた。
2人が何やら話し合い時間切れと。
この饗宴ももう終わりでまた明日から永久とも
言える暗闇が続くのだろう。
私の周囲が徐々に光で包まれている。
別の光は一人の子供を包み込み赤子のように
安心しきった顔で溶け込んでいった。
その顔をみて私一つだけ記憶の底に眠っていた
あることを思い出した。
眼を瞑り心の開いていく。
私には母がいて私に名前をくれた…
そうか…
私は人間だったんだなとようやく理解に達した。
ふと眼を見開くと、
目の前には尚也と呼ばれていた子の残像がいた。
この子なら私をここから連れ出してくれるかもしれない。
この暗闇を終わらせてくれるかもしれない。
自然と言葉を紡いでいた。
「タス・・ケ・テ」
尚也を見つめながら私は光に包まれるまで目を離さなかった。
いつか…会える日を…。




