17話 暗き底より
それは何時のことだっただろう。
私が私で在りえた時、悲しみも、喜びも全てが
思うように振る舞うことができ、楽しければ笑い、
悲しければ泣けた。なんて幸福なことだろう。
それは何時の頃からだろう。
私が私で無くなってしまったのは、悲しくても
楽しくても、泣きたくても、笑いたくても、
伝えたくても言葉すらまともに出ない。
それは何時からだろう。
暗闇を引き摺るように歩く。どこを見ても暗く
黒く光なんて言葉すらあり得ない所。
永遠とも思える。時間という概念を超越し、
私はただそこにいた。
暗き底の闇よりも尚暗き場所。
私は自分の名前も忘れてしまった。
誰か大切と思えた人が付けてくれたものだった。
人…私は人ナノダロウカ。
体液が落ちる度何かが産れ出でてくる。
それは人形をしているが私と同じで
不完全なものらしい。叫び苦しみ私に向かって
攻撃すらしてくる。
魔力が垂れ流しになっているらしく攻撃してきた
モノは塵に還っていく。
それはいつ以来だろう。
この暗闇の中で人の声がしている。
歓喜でいや狂喜で頭が狂ってしまいそうだ。
ドコダドコダドコダドコダドコダ
体を引き摺りながら声のする上の方へただ無我夢中
に歩いた必死に死に物狂いで!。
それを私は見つけた。
それは石の上に眩しく光るものを見つめていた。
眩しい目が焼けるヤメロヤメロ
気がつくと辺りは暗くなりその子供らしき人は
倒れていた。
「ボコッ ボコッ ヒタ ヒタ」
引き摺りながら子供らしき人の元まであるくと
まだ別の子供らしきものが声を掛けてきた。
至福の喜びと言える。今だかつてそんなことがあっただろうか。
たくさんの子供に囲まれながら狂喜に震え上がっていた。
不意にロックと呼ばれたが何のことか解らずその言葉を
復唱した。
「…ロ?…ック?…ロ…ク?ロッ…ク?」
こちらをみて凄い声をだし叫びまわっていた。
そして私は子供たちに手を振って見せた。
振った手から体液が落ち人形が生まれた。
「グ ガァアアアア」
気にせず先頭の子供に私はしっかり嗤いかけたが
なぜか引き攣った顔をしている。
人形は叫び子供たちの方へ走って行った。
子供たちは何かの力で人形と私を吹き飛ばすと
先に起き上り向かって行った人形に
また解らない力で人形をまる焦げにした。
私は只でさえ動けないのに吹き飛ばされては起きるのに
時間がかかってしまうが、心の高揚が抑えきれそうにない。
倒れていた子が起き上ってきたようだ。
遊んで遊んでアソンデ。
「ア・・・ン ・・・デ 」
言葉を発したとたんに魔術陣が浮かび鬼みたいなものが召喚してきた。
「我ハ守護者。主ノ命ヲ守ラン」
何か訳のわからないことをいっている。
近づいてきた守護者は私の魔力によって首が
吹き飛ばされてしまっていた。
急に恐怖が膨れ上がりパニックに陥っていた。
もう発狂しすぎて訳がわからなくなった。
帰りたい、還りたい、カエリタイ
いつもの暗き闇に……。
「カ・・タ・・・イ」
そう呟いた瞬間もう何をしたいのかわからず魔力を撒き散らした。




