13話 戦慄く
光の魔術が消えると洞窟はその暗さを増し、
何とも言えない恐怖が襲ってくる。
先ほどからロックの声がしなく、辺りは静寂に包まれている。
「我が手に光を ーーーー小光ーーーー」
尚也が魔術を使い辺りを照らす。
明かりに照らされて奥の道が浮かび上がる。
ロックはその向こうにいるのだろうか…
不安に駆られながら4人は再び奥へと歩き出した。
「ねえ ロックどこなのー?」
「なんかへんじゃない?」
「こわいこといわないでよー」
女の子たちはロックに声を掛けながら慎重に進んでいた。
尚也は変な感覚に囚われていた。感覚的に危険を察知していたのだろう。
「ボゴッ ボゴッ ヒタ ヒタ」
4人とも何か途轍もない寒気と恐怖を感じた。
「紗菜・シェラ・レン、僕のうしろにさがって」
「「「う うん」」」
洞窟の道を抜けロックが呼んでいたとこらしい広間にでた。
3人は手を握り合い尚也の背中にすがる様に歩いている。
光の魔術で辺りを照らすとロックが立っていると思い
尚也は声をかけた。
「ロ…ッロック?」
振り返ったソレを見て驚愕した。
熱くないのに汗が滴り落ちる気がした。
なんだ…これは一体何が起きているのかと考えていると返事が返ってきた。
「…ロ?…ック?…ロ…ク?ロッ…ク?」
人の声ではなかった気がする。
尚也の後ろにいた、シェラが恐怖のあまりパニックを起こしていた。
紗菜もレイも恐怖に囚われて動けないでいた。
「え?え?キャぁあああ イヤぁあああ」
「イヤぁああ こわいよー」
「ヒィィィ 」
シェラが耐えきれず叫び声を上げて腰を抜かしてしまった。
紗菜とレイも釣られて悲鳴を上げていた。
ロックはソレの足元で気を失っているのか倒れていた。
光の魔術でより鮮明に映し出された姿は言葉に表せなかった。
彼女達の悲鳴のおかげで尚也はなんとか平静を保てたが、這い寄る恐怖がないわけではない。
ソレはこっちをその真っ黒な眼球で凝視すると、手をこっちに振っていた。
その振った手から体液の様なものが床に落ちモゾモゾと人形に変化していったが、ちゃんとした形を作ることができず、叫び暴れだした。
「グ ガァアアアアアアアアアア」
その横でソレはケラケラと嗤っていた。
人形はそのまま尚也達に向かって来ていた。
「風よ ーーーー 突風ーーーー」
尚也は風でソレと人形を吹き飛ばすと急いでロックに走りより
手を持ち彼女達の方へ引きずってきた。
すでに人形は起き上がっていた。
尚也は考えていた。こんなところで大規模な魔術を使っては
洞窟が崩れて生き埋めになりかねない。
どうする?どうする?どうする?
レンが落ち着きを取り戻しロックを見ている。
紗菜とシェラは2人で抱き合い震えていた。
「こおりよ すべてをうちぬく やりとなれ フリーズランス!」
人形に向かってレンが魔術を放っていた。
それがきっかけで冷静を取り戻し攻勢に出る。
「ーーーー風刃ーーーー」
「ーーーー雷撃ーーーー!」
尚也が連続で詠唱破棄した魔術を放つ。
「はぁはぁ ど どうだ?」
人形は叫び声をあげながら黒こげになり倒れて動かなくなった。
人形を倒し安心してると奥で倒れていたソレが動き出した。




