12話 魔術師と弟子達
私の名前はローレン・ウィリアムズ。職業は魔術師である。
合衆国から魔術師の育成を任されている。
ここには各国から魔力に秀でた者を次の担い手に
するために育てている。
魔術学園に入るまでの猶予期間といえるが、危険だということで
親元から無理矢理引き離すのはどうかといえよう。
彼らが来てそろそろ5・6年くらいになるのだろうか。
最初のうちは泣き叫んだり、手がつけられなかった時期もあったが
今では立派な見習い魔術師になった。
「素質がいいと教えがいがありますね」
コーヒーを飲み明日の講義の内容を考えていた。
初級魔法は1、2年でほぼマスターはさせた。
ただ、相性の合う属性に限ってはだが、光の
属性と闇の属性そして無属性は特に難しい域にある。
光属性の初級といっても未だ使えない子が何人かいた。
「 新堂 尚也・・・・」
ある資料を見ながら呟く。
施設に来てからの成長が著しい、家に帰りたいがために必死なようだが、
それにしても異常だ。
先日のこと書斎で禁呪関係の魔術を閲覧していたらしいが・・・。
目立たないようにはしてるが、どの属性も使い
もう私達クラスの魔術師の力はあるだろう。
はっきり言ってどこまで力をつけているのか判断をしかねるほどだ。
このまま成長したら恐ろしいな。
「ククッ」
自然と笑いが込み上げた。
弟子の成長ほど楽しみなものはない。
「ロックハート・ブラウン」
合衆国出身の逸材だ。
光の属性も扱え、火属性攻撃魔術を得意とする。
ただ何でも首を突っ込みたがるし、困った面も有している。
魔術師というより体育会系のほうが会ってるんじゃないかと
思うが、だからといって転向もできない。
尚也と張り合わせ成長を促すか。
「楓 紗菜」
尚也と同じ日本出身。
女の子の中じゃ落ち着いた雰囲気を醸し出している。
この子も光の属性を使い、治癒の魔術や補助系等が得意だ。
魔術師は少ないが癒しを使える魔術師はその中でも
貴重といえる存在だ。
高位の治癒魔術なら重症でも一瞬で治癒させられる力がある。
魔術師になったら忙しい日々が来そうだ。
「シェラ・フォン・ツォレルン」
ドイツ出身の生粋のお嬢様だ。
よく親元から引き剥がせたものだ。
典型すぎて説明するのも面倒だが
負けず嫌いで自称だが正義の味方だ。
正義の味方なのに光属性が使えない
ことがコンプレックスになっている。
補助系の魔術を得意とするが、
水属性の魔術を好んで使用している。
本人曰く、綺麗だからだそうだ。
「レン・アルノー」
北欧出身 … 北欧のどこだ?
彼女は割と淡白な部分がある。
何かがあっても立ち直るのがはやく
自分の立場的なものを忘れていない。
風の魔術を得意とし、いつも中間くらいに位置し、
臨機応変に魔術を使う。
無属性の魔術を勉強中だ。
どの子も類稀なる才能を有している。
窓の外を見ると暗雲が立ちこめていた。
「そろそろ遊び疲れて帰ってくるころか…
何も無いといいが。」
何故か不安を拭い去ることはできなかった。




