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10話 現在と過去

閉じられていた瞳がゆっくりと開き、

眩しそうに見慣れない天井を見上げていた。

辺りを見回したがカーテンで仕切られた一角であるらしい。


「俺は転生し異世界にでもきたのか?」

「そんな小説みたいな話あるわけないでしょ」


カーテンの向こうから聞きなれた声が聞こえた。

起き上がろうとしたが戦いで疲労した身体が悲鳴をあげている。


「ものすごく心配してたのに第一声がそれって

私の涙を返してよ。死んじゃうと思ったんだから」


そう言いながらも嬉しそうに抱きついてきた。

ウホッたまらんなどと思いながらごめんっと

優しく頭を撫で続ける。


「ゴホンッ」


顔を上げると校医の進藤先生がいた。

髪はショートカットで瞳には強い意思が宿っている。

女子生徒からはカッコいいと評判の先生だな。


「君は死にかけていた、魔術で治ってはいるが絶対安静には

変わらない。2.3日は大人しくしてなさい。」

「わかりました。俺も身体中悲鳴をあげてるのがわかるんで

安静にさせてもらいますよ。」


校医は少し遠慮がちに具合を聞いたり触診したりしたのち

もう少し眠りなさいと言ってカーテンを閉めて出ていった。


美咲がじっとみている。俺も美咲をみる。

どちらかが何かを語るのを待ってるかのような

時間が過ぎようとしていたが


「ブゥー」


シーン まあ屁がでた。


「いまのシリアス感はなんなよ」

「わりぃ 我慢できんかった(´ω`)」

「前より明るくなって嬉しいけど、向いてる方向が

オカシイわね!有田君のせいかしら」


場が和んだところで姿勢をただし、美咲が聞き

たがってる問いに答える。


「ごめんごめん 魔術とか今日のこととか色々話す

ことがあったよな」

「話してくれるの?」

「キスしてくれたらな」


美咲はニコッと笑いながら右手に某アニメでお馴染みの

こんぺいとう一号が握られていた。


「ハハ 冗談ですよ 美咲さん」

「ハハ だよね ニコッ」


怖い美咲さんにガクブルしながら何から話していいのか

思案していた。 


「昔な、俺はある魔術師に育てられていた」


そこからは淡々と話が続いた。

俺が産まれて3年がたつと魔力が桁違いに保有されていることが

わかった。危険だということで親元から魔術師の元へ預けられて

そこで育てられた。そこには彼だけではなく魔術師になれる素質

を持った子供が4人集められていた。

俺は家に帰りたいがために小さいながらも魔術書を読み漁り

魔術師としての資質を開花させていった。

その施設にいる魔術師は子供たちを束縛したり、

暴力を振るったりはせず、伸び伸びと成長を見守っていた。

彼らを未来の担い手として。


「内緒で書斎に入り禁呪と呼ばれてる書を持ち出して

 読んだりしてたな」

「活発だったのね」


そんなのどかな毎日が続くと思ってた矢先。

ある日事件が起こった。

 

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