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第5話 友だちのうちはどこ?
どうやらイランで二度目の革命が起きそうだ。
SNSでそのニュースを追いながら
「そういやアッバス・キアロスタミ監督はどうしてるだろう?」
と気になりネットで調べたら、なんと2016年に亡くなっていた。
その事実に驚き、それからしょんぼりした。
『友だちのうちはどこ?』はイランの巨匠キアロスタミ監督初期の傑作映画である。
一見すると小津安二郎風の素朴なコメディだが、第一次イラン革命で誕生したホメイニ政権に対する批判が随所にちりばめられているとのちに知った。
たとえば出てくる大人がみんな横暴で理不尽なのだ。
正直最初に劇場で見たとき
「もっと子どもにやさしくしろよ」
と腹が立ったが、これは当時イラン国民に対しやたらと高圧的で威圧的な態度をとる政府高官や警察を揶揄する意図があったらしい。
また同じ台詞が何度も繰り返されるのは、当時のイランの言論弾圧や言論統制を暗示した演出だそうだ。
そういう秘密のメッセージをまなじり決した社会派映画ではなく、肩の力が抜けきったコメディに込めるところがキアロスタミの巨匠たるゆえんである。
イスラム原理主義政権に終始批判的だったキアロスタミ監督が今のイランの現状を見たら喜ぶと思うが、果たしてどうだろう。
『友だちのうちはどこ?』はアマプラ見放題に入っている。
近いうちにまた見ようと思う。




