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第12話 葬送のフリーレンをめぐる記憶
アニメ『葬送のフリーレン』第二期の放送が始まった。
初回を楽しんで見ながら、少し昔の記憶を思い出した。
去年フリーレン第二期の放送が決まったとき、SNSにアメリカのファンがこんな投稿をしていた。
「諸君もうすぐだ。もうすぐわれわれの孤独が癒されるときがくる」
その投稿を見て、もっと古い記憶を思い出した。
一九八〇年代思想家の吉本隆明が娘ばななの影響でホラー映画を見まくった時期がある。
世はまさにスプラッタームービー全盛の時代である。
主にアメリカのホラー映画に耽溺し、怪物に食われたり、八つ裂きにされたりする人体を鑑賞しながら、吉本はあるときふと
「アメリカ人は孤独だな」
とつぶやいた。
そのつぶやきが、妙に長く自分の耳に残った。
最近のホラー映画『へレディタリー継承』を見たときも
「アメリカ人は孤独だな」
という吉本のつぶやきが耳もとに聞こえた気がした。
その当のアメリカ人が、葬送のフリーレンの放送を前にして
「もうすぐわれわれの孤独が癒される」
と喜んでいる。
その投稿を見て、自分はちょっとしんみりした。




