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たっくんのお弁当  作者: 榛名のの(春夏冬)
33/41

33話 師匠のレッスン

夕飯は梶さんとジェルミさんもパニック気味でぎこちなく始まったが、カンさんに慣れた真琴がスティック野菜にタラコディップしたのをカンさんに食べさせてたら何か和んだ。

 ジェルミさんが恐る恐る話し掛けてカンさんが機嫌良く答える。

 梶さんもその輪に入って段々盛り上がってきた話を聞く余裕は僕にはない。

 カンさんって、大食漢なのだ!

何度、オニオングラタンスープを作ったことか!タラコディップも足りなくて3度足した。

 とり肉じゃがは丼ご飯と一緒に食べるし、さすがにこれ以上は明日の朝ご飯に響く!

困ってたら、真琴がカンさんに言う。


「ごはん、それでおわりね。たっくんこまってる」


「あ、悪ぃ!今後は連絡してから来る!美味かった!ゴチ!」


夕飯後のおやつのマフィンを皆に出してカンさんと梶さんとジェルミさんにはブラックコーヒー、真琴にはミルクティーを給仕して皆が食べてる間に洗い物の片付けをする。

 食べ終わったジェルミさんがお風呂を溜めてくれたので真琴と入ってたら、カンさんも入って来た。


「悪ぃ!女の子だったのか!」


お風呂を出て行こうとするカンさんを真琴が引き留め洗い始める。


「ぼくは、どっちもだけど、たっくんをおよめさんにしたいから、おとこのこになるの!」


「たっくんの恋人って、真琴か!ハハハ、なるほどな!真琴は情熱的なんだな?」


「だって、たっくんはぼくのなのに!みんなのたっくんになるんだもん!ぼくがガンガンせめないと、あっというまにたっくんぼくのことわすれちゃうよ!!」


「大丈夫。たっくんは絶対、真琴のこと忘れない」


「ホント?!」


「ホント、ホント。もうメロメロでクラクラ何だよな?たっくん」


「そうだよ。真琴のことばかり考えてる」


「さすがにそれはウソだよね?たっくん!メッ!」


「ごめんなさい」


先に湯船に入ったカンさんが真琴を上手にお風呂に入れて水鉄砲などのオモチャで遊んでいる。ありがたくその時間を自分磨きにかける。


「パックなんかしてんの?!まだ若いのに!」


「キヨちゃんに必ずやるように言われてるんですけど、最近忙しくておざなりになってました」


「そうだった!それ、たっくん、忙しすぎない?ジェルミも梶さんも心配してるよ」


「僕、時間の配分がヘタで、気がつくとスケジュールいっぱいになってるんです」


「夏休み中はマネージャーいるんだってね。安心したよ。ジェルミが家事ぐらい引き受けるのに、って、言ってたぞ」


「夏休み中はやって貰うことになりますね」


「ギリギリ契約違反じゃないから、何とかなるってさ。甘えとけよ!梶さんも真琴お風呂入れるくらいは出来るって!」


それは真琴に聞いて見ないと解らない。


「真琴、僕がいない時は梶さんとお風呂入れる?」


「うん!このまえ、いっしょにはいったよ!かじさん、あらうのじょうず!」


あ、夜中まで撮影してた時か!

カンさんが真琴を持ち上げて視線を合わせて微笑む。


「真琴はお利口さんだもんなあ?」


「たっくんがいないのはさみしいけど、まいにちおでんわしてくれるって、カンさんがやくそくしてくれたから、ぼく、がんばる!」


真琴……


「よしよし、何かお土産たっくんに持たせるから、楽しみにしてろよ!」


きゃっきゃっ言ってる真琴とカンさんは先にお風呂を出た。

湯船に浸かっているとここの所の疲れがガツンと来て、僕は湯が冷めるまで寝落ちしていた。梶さんに起こされて慌ててお風呂を出たら、真琴はカンさんの子守唄で眠っていて、カンさんは梶さんの部屋着を借りてリラックスしていた。


ギターケースから、ギターを出すとカンさんは【Blackstar】のリテイクバージョンをギンギンのロックで歌い始めた。


【親の七光りで手にしたポジション♬明日は大事な契約♬英語のプレゼンテーション、カタカナのふりがな付き♬坊っちゃん頑張ってと執事が書いたネイティブな発音の英語をサムライイングリッシュで披露したら、取引相手の外人さんが一言言う♬


Pardon?


何だそれ?!意味が解らない♬こういう時には年が離れた弟を笑顔にした最強の呪文を唱えろ!♬


Me to!


取引先は怒り出す♬何でだ?!弟は喜んでた。俺でも知ってるアイラブユーに効く呪文は大人社会には効かないのか?!♬


俺は我が家のstar♬希望の星♬star、star、Blackstar♬


たまに輝いても見えない!】


ギターをかき鳴らして終わるとカンさんはニッと笑って僕に問う。


「どうよ?!」


小さな拍手が弾ける。


「真琴、起きちゃったね。お膝においで」


真琴はカンさんの背中に覆い被さってBlackstarの感想を英語で言ってるっぽい。

 僕に聞かれたくないんだな?

キッチンに行きホットミルクとカフェオレを2つマグカップに入れて寝室に戻ると2人は僕が隠しておいた作詞の落書き帳を読んでいる。何故見つかった?!


「あ、ありがとうな!これ、全部見たけど【から騒ぎ】が一番いいと思う。……ただし、たっくんが歌うような曲にはならないな」


「【僕だけ見つめて】はダメでしたか?」


「似たような歌詞の曲があるから、ダメ!あ、俺が今日来たのは課題のフォローをいくつかしようと思ってな!自分が歌うような歌詞じゃ茫洋として難しいって、彩と麻人に怒られてな、テーマを決めて来た」


ジャカジャン♬


「テーマは【雪】です!じゃ、今から書いて見ようか?」


雪かぁ、うちの3つ子がはしゃいでたな。


【朝方に降り出した雪はあっという間に積もって休校になった。

 はしゃいだ子供達が雪だるまを作り出す。

あああ、手袋もはめないでそんな風にしてたら、何時間か後には手が痛いと泣くハメになるのに


プリティプリンセス 人の忠告聞かない君に神様からのお仕置きだね

プリティプリンセス 困ってるのは僕の方だよ。しもやけの指を魔法で直して君のワガママ全部叶えてあげたくなる。】


「う~ん、サビの部分、困ってるのはを、泣きたいのは、にした方が話が通じる、かな?作詞するの早いな?2番まで書いて見ようか?」


「もう、何も出ません!」


「2つ目作詞しようか!」


そうやって3時間で、7つ作詞した。


「プリティプリンセスの2番を書いてこの作詞をリメイクしてたっくんのデビュー曲にしよう!」


マジか。あかん。もう何も考えられへんねん!寝る!

2:00に目覚まし時計のブザー音で飛び起きる。慌ててブザーを止めて寝室から出て身仕度して仕事場に行くと2:30になってた。


由美さんと梶さんに謝る。


「遅刻してすみません!」


「「いいから、ハンバーグ作って」」


おお?もうそんな所まで進んだの?!由美さん一体何時に出勤したんだよ!


由美さんがいると作業は3倍速で進む。梶さんが揚げ物してる間に、由美さんが副菜を作り、御飯が炊けたら蒸らす時間を置いてお弁当箱にご飯を手早く盛っている。


 ♢♢♢♢♢


朝食もカンさんは良く食べた!

 今日の朝食はフレンチトーストにカリカリのベーコンを散らしたルッコラのサラダ。

カンさんに吊られて真琴もお腹いっぱいになるまで食べた。良き良き!

ジェルミさんと真琴が出掛けるのを見送って、仕事場に帰るとカンさんがお弁当の蓋を閉めては熨斗紙と割り箸のゴムで留めている。


「ありがとうございます!カンさん。後はやりますから!」


「いや、この後撮影があるから、仕事終わらせてんの!このメッセージ熨斗紙、いいな!センスある」


「真琴が考えてるんです。随分助けになってます」


ん?撮影がある?!


「その撮影僕も撮るんですか?」


「当たり前だろ!」


僕はその日撮影されて燃え尽きた。


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