愛は呪い
ある雨の日に泣き叫ぶ男、、、
そこに現れるものは、、、
そうして、彼女の生活に干渉してくるものの正体とは、、、
彼女についていたものは、、、
ある雨の日、一人の女性を抱え泣き叫ぶ男がいた、、
「あぁ!!どうして!!どうしてだよ!!目を!!目を開けてくれ!!」
すると、男の前に人か獣か、妖か霊か、神か悪魔かもわからないような、不確かであるが確かにそこに存在をする何者かが男の前に現れた、、、
「初めまして、さて、その女性は死んでしまいましたね、、、」
「なんだよ、、、!!お前がやったのかよ、、!!」
「いいえ、私ではありませんよ、それが彼女の運命でしたのでしょう、まぁ、最もあなたがその女性に思いを伝えてしまったことが一番の原因でしょうね、、」
「はぁ、、?お、、俺が、、、?」
「えぇ、あなたがです、、、」
「あ、、あぁ、、!!あぁ!!どうしてだよ!!どうして俺にそれを教えてくれなかったんだよ!!どうしてもっと早く!!」
「運命なんてものは自分で見れないから大切なものなのでしょ?変えられないから頑張って生きるのでしょ?だから、自身の命を捨ててでも誰かを守ろうとするのでしょ?それが、あなた達人間がよく言うことではありませんか?それがどうして、私になるのですか?」
不確かなその存在が緩急のないような声で男に問いかける、、、
そうして、男は絶望しながらも言葉をこぼす、、
「知ってるよ、、、そうだよ、、そんなことわかってんだよ!!自分じゃ何もできない!!自分じゃ変えられない!!そんなことは分かってる!!だけど!!だけど、、、わかってるからこそ、、、誰かのせいにしなきゃ生きていけない、、認めたくないんだよ、、、」
「そうですか、、では、その女性を守れると言ったらどうします?」
「、、!!そ、、そんな方法が!!」
「えぇ、、ですが、、守ってほしいことが一つだけ、、、」
「あぁ、、!!何でもやってやる!!」
「あはは、、いい覚悟ですね、、では、、、」
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ある日の朝、彼女が目を覚ます、、、
「ん~!!あぁ、、眠たい~、、、」
そうして、時計を見ると約束の時間が迫っていた、、、
「、、、!!お母さん!!どうして起こしてくれなかったの!!」
「起こしました、でも、あなたが大丈夫って言ってもう一回寝たんでしょ?」
「えぇ~!!もう!!」
女性が急いで準備をし、扉を開ける、、
「それじゃ!!行って行きま~す!!」
「はい、行ってらっしゃい、、、」
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彼女が約束の場所に向かっていると女性に向かってくる一台の車が向かってくる、、、
「、、、え、、?き、、キャーーーー!!!」
彼女が叫ぶ、、、しかし、何かが彼女の間に入り車を曲げたかのように車は彼女の横を通り過ぎていった、、、
「、、、た、、助かった、、、?」
すると、奥の方から何人かの大人と警察が走ってきた、、、
「はぁはぁ、、だ、、大丈夫ですか!!」
「、、、、、、、、」
「怪我はありませんか!!すみません!!なぜかいきなり車が動いて、、、」
「え、、?えぇ、、わ、、私は大丈夫ですか、、、?」
「一応、怪我の確認をさせてください。」
「えぇ、、」
そうして、警察が女性に傷がないか確認していると、車の確認をしていた警察が怪我の確認をしている警察に話をする、、、
「実は、、、」
「はぁ!?どういうことだよ!?ちゃんと調べたのか!?」
「えぇ、、でも、、どこにも異常が、、、」
「あの、、私、約束があるので行っていいですか?」
「え、、あぁ、、申し訳ありません、えぇ、怪我もないようですし大丈夫ですよ。」
「あ、、はい、、ありがとうございました、、、」
彼女がその場を離れるといきなり車が正常に動き出す、、、
「、、!?ど、、どういう、、、、」
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そうして、彼女が集合場所に着くと、友達が声を出す、、
「もう、、遅いよ~、、、」
「ごめんごめん、今日は車がいきなり来てさ~、、、」
「えぇ、、本当にお祓い行ってみようよ?」
「う~ん、でも、私に被害がないんだよね~、今日の車も私の横通り過ぎていったし、、、」
「えぇ、、でもさ~、何か夢とかで見ないの?」
「う~ん、、、あ!!そういえば、一回だけ遊び断ったことあったじゃん?」
「え?う~ん、会ったような、、、」
「そうそう、その時夢見てね、それで、夢の中で後ろを向いている男性がいて、いきなり、「今日の遊びは行くな、行ったら友達も死ぬぞ」って言ってきてさ、、、」
「あぁ!!それで、いきなり、「今日は家でゲームしよう」って言ったの?」
「そうなんだよね~、、それでさ、その日のニュースに私たちが行こうって話してたカフェに車が突っ込んだんだって、、、」
「えぇ!!じゃあ!!いい幽霊だったの!?」
「う~ん、どうなんだろうって感じかな~?」
「じゃあさ、今度お祓い行こ、、?」
「う~ん、まぁ、一回見てみたいかもだからいいよ、、」
「でも、今日は遊ぶぞ!!」
「おぉ!!」
そうして、二人は一日中遊び、暗くなる前に解散した、、、
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そうして、家に着き、お風呂に入り、布団に入ると玄関の方から音が聞こえる、、、
「、、!?ど、、どうして、、鍵は閉めたのに、、、、」
確認をしようと起き上がろうとするが、何者かに抑えつけられるように金縛りになっていた、、、
「、、!?う、、動け、、、」
それを認識するが、玄関の方からゆっくりと音が近づいてくる、、、
それは、彼女にとって恐怖を与えた、、、
「、、、ふぅ~、、こ、、こわい、、、動けない、、、」
そして、自身か横になっている部屋の扉の前までくる気配がわかった、、、
すると、彼女が夢で見たという男がその扉に立っていた、、、
「え、、、?ど、、どうして、、」
すると、彼女の耳をつんざくような音が部屋中に響く、、、
それが、数十秒続いた次の瞬間、女性の叫び声のような声が響く、、、
「ぎゃーーー!!!」
その声を皮切りに、金縛りは解け、緊張の糸が切れたかのように眠りに落ちた、、、
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そうして、翌日の朝になり、彼女は飛び上がるように起きた、、
「、、!!はぁ、、!!はぁはぁ、、な、、なにも、、ない?」
すると、電話が鳴りだした、、、
「、、、!!びっくりした~、、、浅利か、、、どうしたの?」
「あはは、、ごめんごめん、、今日のお祓い、夕方から行くよ~、廻~。」
「うん、わかった、、」
「それでさ、、昨日は何かあった、、、?」
すると、その声を聴いた彼女は直感的に答えてはならないと感じた、、、
「いいや?昨日は特に?」
そう答えると電話は切れた、、、
「、、、今のは何か、、、」
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それから、掃除や買い物をしていると、約束の夕方になっていた、、
「あぁ~、、もうそろそろか~、、」
すると、友達から電話がかかってくる、、、
「は~い、もしもし~、、」
「あぁ、、廻?今日、私が車出すから家で待ってて~、、」
「あ、は~い、よろしくね~。」
~~~~~~~~~~~
それから数分が経ち、浅利がチャイムを鳴らす。
「お~い、来たよ~、廻~、、、」
「はぁ~い!!」
そうして、廻が支度を終え、浅利の車に乗り込む、、、
「おまたせ~、、」
「いいや?待ってないよ。」
「え?何いきなり、、らしくないね、、、」
「あはは!!ごめんごめん、、つい、、、」
「はぁ~、それでどこのお祓いなの?」
廻が聞くと、浅利が車を出しながら話をする、、、
「今日、行くのわね~、結構有名な霊能者のところだよ~、、、」
「へぇ~、どんな人?」
「名前調べればわかると思うよ~。」
「どんな名前?」
「鮫理 淳連さん。」
そうして、廻がその名前を検索すると様々なことが出てくる、、
「本当だ~、有名人の人たちも見てもらってるんだね~、、、」
「そうなんだよ、だから信用できると思うんだけどな~、、、」
「まぁ、行ってみればわかるよ、、、」
「そうだね~、それじゃ、着くまで寝ててもいいよ、廻。」
浅利がそう言うと、他愛もない会話をしながらお祓いに向かって行く、、、
~~~~~~~~~~~~~~
そうして、数時間掛け神社に着いた二人、、、
「ついた~、、」
「本当に長すぎ、、、」
そうして、鳥居をくぐろうとする二人、しかし、廻だけはなぜか鳥居をくぐると体調が崩れた、、、
「、、、!?あ、、頭、、痛っ、、!!な、、なんで、、?」
「え?どうしたの?廻、、」
「え、、?あ、、頭痛くないの、、?浅利、、?」
「え?全然?」
すると、神社の方から一人の女性が歩いてくる、、
「おやおや、、だいぶ厄介なものにつかれているね、、、」
「、、だ、、誰です、、?」
「初めまして、私は鮫理 淳連と申します、、、」
「あ、、あなたが、、、」
「貴方が頭痛を感じるのは、あなたについている者が嫌っているからですね、、、」
「ど、、どうにか、、、」
「それでは、こちらへ、、、」
鮫理についていく二人、、、
そうして、神社の中に入り座る、、、
「さて、それでは、まずは落ち着かせましょうか、、、」
鮫理がそう言うと何かを唱えると廻の頭痛が収まる、、、
「な、、何をしたんですか、、、?」
「ちょっと落ち着かせただけよ、、、」
「そう、、ですか、、」
「それにしても随分と厄介の者だね~、、」
「それは、やっぱり、私に顔を見せない男の人ですか?」
「ん?あぁ、道理で頭痛だけだったのね、、、」
「え?そ、、それはどういう、、、?」
「う~んとね、まず、頭痛を起こしたのはその人じゃない、あなたについてるもう一人の人の方だね、女性の方かな?随分と怨念が強いようだね、、、」
「じゃあ、私に顔を見せない男の人は?」
「う~ん、悪霊というより神に近いような感じだね、その男があなたをその女性から守っているような感じだね、、、まぁ、男の人も良い霊ではないんだけどね、、、」
「じゃあ、男の人は何か悪いことはしているんですか?」
「う~ん、悪いことしてないみたいだけどね、、、まぁ、女性の方を祓うためにお祓いをしましょうか、、、」
鮫理がそう言うと、お祓いの準備を始める、、、
すると、離れないと言わんばかりに女性が廻を蝕む、、、
「いった!!さっきよりも!!痛い!!」
「これは、、まずいかもね、、浅利さん、少し廻さんの手を握ってくれませんか?」
「え?わ、わかりました、、」
浅利が廻の手を握ると廻の顔色が段々とよくなる、、、
「どう?廻、大丈夫?」
「うん、、さっきよりだいぶいいよ、、、」
「鮫理さん、どうして私に手を握れと?」
「あぁ、、それはね、あなたが生気がみなぎっているからよ、神社じゃなかったらあなたと男の人の二人で女性は完全に動けないけど、神社に来たことで男の人の力は弱まってしまって浅利さんが近くにいるだけじゃ女性が簡単に動けてしまうから、あなたが触ることで直接生気を送り込むことができるからよ。」
「なるほど、、」
「それでも、長くは持たないから早くしないとね、、、」
鮫理がそう言うと急ぎ早に準備を終わらせる、、、
「さぁ、準備ができたから始めましょうか、、、」
そういうと、鮫理が瑪瑙の数珠を取り出し、唱えだす、、、
すると、廻の手を握っていた浅利の手に爪を立てるほどに痛みが廻を襲う、、
「あぁ!!いったい!!あ、、頭が!!頭が割れる!!」
「頑張って!!廻!!」
しかし、唱えていた鮫理が言葉をこぼす、、
「、、力強いね、、随分と怨念が強いね、、いったいどうしたらそうなるの、、、」
すると、廻の背後に女性が姿を現す、、、
「あぁ~!!あなたが!!あなたが!!私からあの人を!!奪ったから!!あの人には!!私の方が!!私の方が!!ふさわしい!!だから!!その体をよこせ!!!!」
「、、あ、、あの人?何のことよ!!私は何のことかわからない!!」
「嘘をつくな!!お前のせいで!!」
「黙れ!!これは私の体!!どこのやつかもしれない奴に渡す体なんてあるか!!」
廻が力強く返すと、今まで声も顔も見せなかった男が声を出す、、、
「やっぱり、いい女だな、、」
「、、、!?だ、、誰!?」
「おい、、、お前が触っていい体じゃねぇぞ!!」
「お前は!!お前も邪魔だ!!」
女性が男に対し叫び声に近い声で言うと男が女性の方を向く、、、
すると、鮫理が声を上げる、、
「、、!!廻さん!!浅利さん!!下を向いて!!絶対に見ないで!!」
そうして、男が女性の方に向くと今までに感じたことのないように殺意を向ける、、、
「ひっ、、!!ひぃ!!こっちに!!こっちに来るな!!」
「おいおい、、もう死んでんだから、、別にいいだろ、、」
それに伴い、鮫理が唱えるのを早める、、、
すると、女性が叫ぶ、、
「あぁ!!やめろ!!私は!!あの人に!!あの人のために!!」
「知るか、、お前は俺の愛しい人に手を出した!!」
男が何かが裂ける音共に女性が泣き叫ぶ、、
「助けて!!消えたくない!!食われたくない!!助けて!!」
しかし、男は何も聞こえないかのように女性を食い始める、、
バリッ、ボリッ、、、そのような音が部屋全体に鳴りやむ、、、
~~~~~~~~~~~~
それから数十秒が経った、、
すると、鮫理が口を開く、、
「終わったわよ、、二人とも、、」
その言葉を聞いて、二人は頭を上げる、、
「ど、、どうなったんですか、、?」
「、、、あんたについてた女性はいなくなったよ、、でも、、男の人の方は私じゃ無理、、」
「そう、、ですか、、」
「ですが、男の人と話はできると思います、、、」
「どうするんですか、、?」
「簡単な話、目をつむって下を向く、、」
鮫理が話すと廻は目をつぶり下を向くと目の前に男の人がいた、、、
「、、、あなたは誰なんですか?」
「、、俺は君のことを愛した者、、、愛につかれたものだよ、、大きくなったね、廻、、、」
そういい、男が振り返り廻に顔を見せる、、、
その顔を見た廻は驚いた、、、
「、、!?ど、、どうして、、、あなたが、、だって、、あんたは、、、」
すると、不確かなものが二人の前に姿を現す、、、
「あれま、、顔、、見せちゃったんだね、、、」
「、、もう、、満足したんだよ、、廻が大きくなっていくのを見れてよかった、、、」
「そう?じゅあ、君の魂食らうね、、?」
「、、あぁ、、いいぞ、、」
そういうと不確かなものがどこからともなく口を出すと、男の周りに口を運ぶ、、
それを見ていた廻が言葉を上げる、、、
「待って!!あんたがどうして!!私についてるの!!」
「、、、それは、お前を助けたかったから、、」
「助けたかったって、、どういう、、」
「じゃあ、私から説明しようかな、、、廻さん、あんたは本来なら三年前にもう死んでるはずなんだよ、、、」
「、、!?ど、、どういう、、」
「あなたの運命がそういう運命だったからだよ、、、でも、そこにいる子が君の代わりに私に魂を売って君を守りたいっていうからそれを承諾したんだ、そこで出した条件は「顔を見せないこと」「声を出さないこと」の二つ、、、まぁ、無理だったようだけどさ、、、」
「、、なんで、、なんで!!私のために!!」
「、、、さっきも言った通り、俺がお前を愛していたからだ、、、」
「、、!?そ、、それだけで、、?」
「そう、、それだけで、、でも、俺からしてみればそれだけで十分だった、、、君を守るための理由なんて俺からしてみればそれだけで十分だった、、、」
「、、、で、、でも!!」
「でもじゃないんだよ、、、俺の理由はそれだけ、、、」
「、、、ありがと、、、」
「終わった?もういいの?」
「あぁ、、もう大丈夫だぜ、、、」
男がそう言うと、不確かなものが男を食らう、、、
「あぁ~、、、本当に愛って呪いだよね~、、ね?廻さん」
不確かなものがそう言うと、廻はその空間からはじき出されるかのように目を覚ました、、、
「どうでした?会えましたか?」
「、、えぇ、、会えました、、、でも、、」
「消えてしまいましたか、、、」
「わかりますか、、、」
「えぇ、、あなたについている者が神に近いものに変わりましたから、、、」
「わたしは、、あの人に呪いを与えていたのかもしれません、、、」
「そうですか、、、それでも、あの人はあなたを守っていましたよ、、それだけあなたが大切だったということでしょう、、、」
鮫理がそう言い、それから数分、他愛もない会話をしながら帰る時間を迎えた、、、
「それでは、私たちは帰りますね、、ありがとうございました、鮫理さん。」
「えぇ、、でも、何か不可解なものがあったらまた来てくださいね?」
「えぇ、そうさせていただきます、、、」
そういい、神社を後にした二人は車の中で話をする、、、
「ねぇ、、、浅利、、、」
「ん?なに~?」
「愛ってさ呪いだと思う?」
「そうだね~、、私は、愛しいものだと思うよ、、、だって、愛を知ることで優しくなるし、愛を知ることで周りが明るく見えるじゃん?」
「、、、ふふふ、そうだね、、、浅利の言う通り、、、愛は呪いでもあり、愛しいものでもあるね、、、」
廻はそう言葉をこぼし、二人は車を走らせながら、楽しそうに笑い合っていた、、、
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