表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
兄がシスコンすぎる件について。  作者: 東京メンテナンス
2/3

2 交際には難あり!

意外と長編なのよ。


兄はかなり謎なルーティーンを送っている。私は6時半と早起きだが、兄は4時に起きてランニングしてとても健康的に見えるものの、また家に帰って寝る。そして8時に起きて遅刻するという謎すぎるルーティーンを送っている。

「おはよー。」

今日は休日で、兄は11時起きだ。

「お兄ちゃん起きるの遅すぎ。」

「うるせー。お前が起きるの早いだけだろー。おらーうりうりぃ。」

「ちょっ!寝ぼけすぎでしょ!」

兄に私は抱き寄せられ、頭を撫でられた。

(ピンポーン)

「はーい!」

インターフォンが鳴り響き、私は思いっ切りドアを開ける。

「あの、妨解くんはいますか?」

「あぁ、お兄ちゃんですね。」

兄の呼び出しがかかった。兄の部屋へ行くと、兄はもう私服に着替えていた。

「お兄ちゃん早いね...」

「おう。」

「歯磨いた?」

「おう。」

「顔洗った?」

「おう。準備万端だ。」

「そう。女の子が来てるよ。」

「おう。」

兄は玄関に向かうと、大声を出す。

「俺には妹がいるんだよーーーーー!!!!」

兄は怒った表情で2階に上がってきた。

「お兄ちゃん...どうしたの?」

「告白された。でも俺にはお前がいるから問題ない。」

「あはは。お、お兄ちゃんはモテるもんね~。」

「そうなんだけど、なんで凛には好かれないのかな~。どうしてかな~どうしてかな~。|д゜)」

兄はチラチラと私を見てきた。なんか好かれたいようだ。


愛する妹からの呼び出しで、俺はドアの前に立った。

「妨解くん。こんにちは。」

「おはよー。」

俺の目の前には、清楚系美少女として有名な大木が立っていた。

「寝起き?」

「うん。」

こちとら早く妹の笑顔が見たいんだ。とっとと用事を終わらせてくれ。

「あの。要件なんだけど。ちょっと恥ずかしくて。」

「なんだよ。恥ずかしがることないさ。」

俺は偽の笑顔で大木を笑わせた。

「あの、妨解くん。私と付き合ってくれないかな?」

はっ!俺は告白されたのか?!待て、考えるんだ。俺には大事な妹がいて、自分自身で他人と付き合うのは禁じている。だが、ここで断ったら...


「え~、妨解くん。颯ちゃんの告白断ったんだって?」

「そうそう。ホントに颯ちゃん可哀想だよね~。」

「おい囀。」

「あ、いさぎ。お前は俺を敵に回さないのか?」

「学園のマドンナを振ったんだって?クズだな。お前とは絶交だ。」

「え?」

(囀による妄想)


俺は学園のマドンナを振ったクズ男としてレッテルを貼られ、クラス、いや、スクールカースト最下位に鎮座してしまう!そしたら凛に泣きつき、甘えてしまう!


「あ元からじゃん。」

俺は最高の結論に至った。自己中心的かつ、俺が幸せになれる最高の方法。これしかない!

俺は大木に手を差し伸べ、こう言った。

「俺と。」

「え?!」

「俺とは付き合えない!!」

思っていた答えと違ったなんて言わせない!俺は、妹を第一に優先することを常に心に決めている!

「ご、ごめんなさい。突然訪問しちゃって。」

「別に迷惑じゃないから...」

俺がドアを閉めようとすると。

「あのっ!」

大木がドアを無理矢理開けようとするに対して、俺は下を向きながらドアを閉めようとした。


よくよく考えれば俺は握力が46kgと高2にしては高めの方だ。押す力を手に集中させて全力で押し返した。

「なんで、断るの...?」

「俺には妹がいるんだよーーーーー!!!!」


翌朝


私が靴を履き、ドアを開けようとしたら階段から兄が下りてきた。

「お兄ちゃん、今起きてると遅刻寸前だよ?」

「じゃあ休むわ。」

「え?」


「はぁ...」

「凛ちゃんどうしたの?」

「あぁ借馬さん。」

彼女は借馬桜さん。私の友達兼橋倉くんに片思い中。

「あぁちょっとお兄ちゃんがね...」

「お兄ちゃんシスコンらしいからね。」

借馬さんには兄がシスコンなことを伝えている。


「お兄ちゃんマジで学校休んだ?」

兄は上記の通り今日学校欠席(ズル休み)宣言をした。果たして結果は...

「行ったよ。」

「遅刻理由はどうやって?」

「妹が可愛いからって書いといた。」

兄は最強スキル《超溺愛妹シスコン》が発動した。

「理解者は?」

「担任がシスコンだから回避成功。」

兄、やりおる。

「あ、そういやコンビニ行くけどなにかいる?」

「コーラとポテチ~。」

気が利く兄はコンビニに行き、コーラとポテチと某妹系アニメの鉄板メニューみたいなものを頼んだ。


数分後


「ただいま~。」

勝手にパシリになった兄は帰宅した。

「おい買って来たぞ、コーラ、ポテチ。」

なんか見たことないやつが目の前に登場した。

「お兄ちゃん、これなに?」

「コーラは370mlのラベルがピンク色のイチゴ味、ポテチは鶏肉ワサビ味。」

「なんやそれ。」


見たことないコーラとポテチを目の当たりにした私は、躊躇いつつも袋を開けた。食べた。不味い。

「ゲホッゲホッ。あ、お兄ちゃんは何買ってきたの?」

兄は笑顔でレジ袋からどんどん物を取り出した。

「うめぇ棒ビートルート味13本、天然水カルピス味(原液)、ゼリーもずく味、兄が妹とHする系のエロ本。」

色々とツッコミどころはあるけどまず分かるのは絶対コンビニじゃない。

閲覧ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ