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街ギルド最強の冒険者

 ルルエルと遊は街のギルドへと来ていた。

「やっぱり勇者様とわたし達だけじゃ無理だと思わない?ねぇ聞いてるの?」

 ルルエルが呼び掛けるが遊は幸せそうな顔をして寝ている。

「…………はぁ」

 ルルエルがため息をつきながら言ってくる。

「なんで勇者様はそんなにやる気がないわけ?」

「眠いんだもん」

「あ!あ!勇者様起きてるじゃない!わたしの話し無視してたでしょ!」

「今起きたんだよ...それで話ってなに?」

 遊が眠そうな声で話しかけて来た。

「わたしたちだけじゃ魔術師に勝てそうにないから仲間を探さないかって話し」

「ふーん。いいんじゃない」

「勇者様も他人事じゃないんだからね?自分の仲間になる人なんだから真剣に選ばないと」

「わかったよ。僕も一緒に探せばいいんでしょ」

 遊はめんどくさそうにギルドの受付へと向かった。

「魔術師倒しにいくから仲間が一人欲しいんだけど。なるべく強い人」

 遊の話しを聞いた受付のいかつい大男は声を張り上げギルド内にそれを伝えた。

「おいみんな!このガキ魔術師を倒しに行くそうだぜ!」

 受付の話しを聞いた周囲の人間は嘲笑や失笑を返してきた。

「魔術師を倒しに行くとかイカれてるぜ」

「ガキがいきがりやがって」

「アレ、町長の孫娘だろ?バカは死なないと治らないっていうしな」

 なんて言葉がギルド内に溢れ返ってる。

「でもな。どこにでも物好きは居る。おいレイ、やってみっか?」

 レイと呼ばれた人物は、艶やかな金色の長い髪を後ろにくくり、青い切れ長の瞳に均整の取れた容姿をした青年で、ギルドの奥で一人で酒を飲んでいた。

「俺ザコだし。絶対無理なんだけど」

「嘘つけ。お前ギルドで一番強いだろ」

 レイは指を口に当ててシッーとやっていた。

「あーあ。なんで受付のおっさん言っちゃうかなあ。黙ってればバレないのに…」

 レイはため息をつきながら立ち上がると腰に差していた剣を抜いてこちらの方を向いた。

「ザコだけど。俺より弱い奴とは組みたくないわ」

 レイは遊に向かってすごい勢いで突進してきた。

「ふっ!!」

 レイの掛け声と共に、長剣がすくい上げるように遊のあごめがけて迫ってくる。

「なんでまた勇者様寝てるのよ!今起きないとやられちゃうよ!」

 ルルエルは遊のことを必死に揺するがいっこうに起きる気配はない。 

「あん?」

 とっさに遊は体を反らしレイの攻撃をかわしていた。

「勇者様。よかったあ起きてたのね……って戦いながら寝てるの!?勇者様!」

「バカにしやがって…我に仇す者を穿つ光の刃よ!」

 レイは魔法陣を描くと光の矢を魔法陣の中央から遊へ向けて放った。

 光の低級呪文だ。

 魔法が着弾し、爆炎が上がる。

「さすがに死んだろ」

 レイが身をひるがえして席に帰ろうとすると、煙の中から遊が飛び出して来てレイの首筋に剣を突きつけた

「わかったよ。降参だ……だから剣をどけてくれないか?」

 レイは両手を上げて降参した。

 とんでもない強さだった。

 まるで人間とは思えないほど……

 しかし、遊は無言でしばらくその後もレイの首筋へと剣を突きつけ続ける。殺すわけでもなく、かといって剣を収めるわけでもなく。

 レイはその後不機嫌そうな顔をしながらも遊とルルエルと仲間になる約束をした。

 遊が剣を収めたのは仲間になる約束をしたその後に遊が起きた時だったという。


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