爆殺王ゴルグ
「なんだあれ……闘技場か?」
レイは眉を潜めた。
「その通りでございます。ここでは金持ち達が
闘技者に金を賭けてどちらが勝つか予想したり、闘技者が自分自身に金を賭けて金を稼いで
います」
支配人がそう解説する。
「ここって自分が雇ってる闘技者を出場させるのもありなのか?」
レイが疑問を口にした。
「ええ……大丈夫ですよ。ごゆっくりお楽しみください」
支配人が即答した。
「じゃあ、ウチの執事を闘技者として出す」
「いや……勝手に僕を闘技者にしないでよ……」
ユウはげんなりと言った。
「わかりました……賭け金はどうなさいます?」
「俺たち全員の命と所持金でどうだ?」
とレイが支配人に提案する。
「ふざけんな!」
「死ね!」
「勝手に話し進めるな!」
ユウとルルエルとシスはレイの事をけたぐり回した。
「おまえら蹴るなって!暴力反対!痛い痛いって……マジしゃれになってねーぞ!?」
レイが再起不能にされたりしながら、支配人は何やら納得した様子で、
「ふむ……わかりました。女性の方々は見たところ見た目もいいので執事が負けたら買いましょう。執事はどうせ負けたらここでは死にますよ」
とそこで、闘技場の方から突如、声が上がる。
「ぶっ殺したらぁ!」
「死ねやおらあああああああ!」
なんて声に、支配人はにやりと笑って、
「どうやら賭けが始まったみたいですね。まずは見学していってみてはどうですか?」
「そうだな」
レイはそう一つうなずいた。
「では観客席に案内しますので。ついて来て下さい」
「嫌な予感って当たるものなのね……」
ルルエルがため息をつきながら言ってくる。
「なんかすごい盛り上がってるねー」
「それはもう……こんな楽しい賭け事は他にはありませんよ?」
それに、シスは支配人をにらみつけ、
「狂ってやがる……」
「まあ、女性の方にはすこし刺激が強すぎましたか……そろそろ決着がつきますね」
闘技場で闘っている片方の男が鼻血を出して吹っ飛んでいき、動かなくなった。
「勝者!爆殺王ゴルグ!」
「爆殺王ゴルグって言ったら……仲間殺しで冒険ギルドを追い出された人間じゃねーか!」
レイは思わず声を上げた。
「次の対戦カードは期待の新人ユウ対爆殺王ゴルグです!」
「えー。もう僕の闘う番なの?」
ユウは頭をかきながら気怠そうに闘技場に向かった。
「おらおら、殺るぞ?殺っちまうぞ!?」
なんて発言に、ユウはげんなりと、
「ってか、そもそもアンタ、ホントに元冒険者だったの?そんな喋り方で?それじゃ殺人犯と変わんないって」
するとゴルグの顔は急に真っ赤になった。
「このクソガキが!馬鹿にしやがって!」
「別に馬鹿にしたつもりはなかったんだけどなぁ」
それにゴルグはますます顔を赤らめる。
「あんまり舐めた口聞くと痛い目見るぞ!」
「僕的には舐めてるつもりもないんだけど」
「もういい。あくまで俺を馬鹿にするなら……」
が、ゴルグの言葉はそこで止まる。
というより、いつの間にか倒れていて、言葉を続けられるような状態じゃなかった。
ユウがゴルグの首筋に手刀を叩きこんで昏倒させたのだ。
「ちょ……挑戦者の勝利!」
「よっしゃあ!まずは一勝だな!」
と、レイはガッツポーズを取った。




