到着!バフラームの門
ルルエルが疲れた表情で、
ルビスが居なくなった場所を見つめて……
「ずいぶんとやっかいな女に目をつけられちゃったわぁ……」
うめくように言った。
次に会う時はおそらく、ルビスはこちらに勝てるだけの力を準備して来るだろう……
今回はなんとか撃退したが……
次は……
ルルエルはシスの方を向いて言った。
「シス、大丈夫?」
するとシスは立ち上がり、少し息のあがった、赤い顔でこくりとうなずき、
「お前なんかに心配されるまでもない」
「で、でも……」
ルルエルは言い返そうとして、ふと気づいた。
シスの脇腹に血がにじんでいる事に。
「こんな物……ただのかすり傷だ。どうということはない」
シスはなんでもないように言うが、ルルエルは大いに慌てる。
「ど、どうしよう。受付のおじさんにもらった薬がまだ残ってるはずだわ。ユウ、薬を持って来てくれない?」
ルルエルの言葉にユウは以前ギルドの受付の男にもらった薬を手に持ち、ルルエルの本に駆けつけた。
「これでいいかな?」
「ありがとう。とりあえず応急手当てだけしとくから」
ルルエルはユウに礼を言うと、薬を受け取りシスの体に包帯を巻き止血をした。
「こんな下手くそな治療で痛みがひくとは思えんが……一応は礼をいう」
シスはそう言う。
「どういたしまして!今度からはあんまり無理しないでちゃんと私たちのことをたよってよね」
「善処する……」
シスはどうやらルルエルに対して『自分より弱い人間』という侮蔑の意識は無くなったようである。
ユウがルルエルとシスの方を向いて言った。
「そろそろ行こうよ。レイの事を待たせてるしさ」
「そうね…行きましょうか。あんまり待たせるのも悪いしね」
「そうだな……行こうか」
二人は応えて、レイが居る方へとユウと一緒に歩いて行った。
レイはユウとルルエルとシスに向かって大きく手を振りながら声をかける、
「おーい!お前たち!あっちに門らしきものが見えたぞー!」
「門って事はバフラームしかないな」
シスは言う。
「やっとだあ……やっと休める……」
ユウは疲れた顔でうめくように言って、のろのろとやる気なさげに歩き始めた。
そして、ユウとルルエルとレイとシスの四人は、バフラームの門の前に到着した。




