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曰く付き宿屋じゃ眠れない

「はぁ…それでどんな曰く付きの宿屋なんだ?」

 レイはため息をつきながらルルエルに聞いた。

「知らなーい。自分で聞けばいいじゃない」

 ルルエルはすっとぼけた顔で寝るしたくを進める。

「知らないはないだろ!?じゃあなんで曰く付きって事わかるんだよ!?」

「おやすみー」

 レイは部屋のドアを閉められて追い出されてしまった。

「やっぱり自分で聞くしかないか…」

 レイは宿屋の受付へと向かって行った。

 宿屋の受付にはスーツ姿の細身の老人が立っていた。

「ちょっと聞きたいことがあるんだが」

 レイが老人に尋ねた。

「何かご用ですかな?」

「用ってほどでもないんだが、この宿屋ってなんで曰く付きなんだ?」

「あぁ…その事ですか。この宿屋が建っている土地は元々集団埋葬地だっただけです」

 老人はにっこりと笑いながら答えた。

「よくそんな場所に宿屋建てる気になったな…」

「地価が安いですから。他に聞きたいことはありませんか?」

「とくにないよ。変なこと聞いてすまんな」

 レイはそう言うと自分の部屋に戻って行った。

「眠れん!あんな話聞いた後じゃ眠れる気がしない…トイレの場所だけでも聞いておくべきだったな…」

 レイは真夜中の薄暗い通路を歩いてまた宿屋の受付に向かって行った。

「まぁ…起きてるわけないよな。こんな真夜中だし」

「どうされましたお客様?何かご用ですかな」

 後ろから懐中電灯を持った宿屋の受付の老人が声をかけて来た。

「脅かすなよ…ちょっとトイレの場所を聞きに来ただけだよ」

「トイレでしたら二階の突き当たりにございます。では、私はこのまま巡回を続けるので…」

 宿屋の受付の老人は闇夜へと消えて行った。

「二階の突き当たりね…」

 レイは二階のトイレへと向かっていった。

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