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神話

 ウルドとスクルドに衝撃の事実が告げられた。まさかアンナ先生とユイリがノルンと主神の生まれ変わりだとは思ってもみなかった。


「皆さん、ちゃんと転生出来ていたみたいですね」


「……えと……ちょっと待って……」


「そのつまり……」


「アンナさんは私達の母さま、つまりアルの妻ですね」


「「「ええええええええええ」」」


「そ、そ、そんな、いいいいいいきなり妻だなんて言われても」

 アンナ先生の動揺が激しい。


「アンナと……アルが……結婚……」

 ユイリも激しく動揺している。


「ユイリさんも妻ですよ?」


「「「へ」」」


「むしろ正妻はユイリさんですね」

 更なる衝撃の事実。


「つ……つまりアルは前世から、女関係にだらしなかったのですか?」

 相変わらず酷い言われようだ。


「はい、父さまはフラグメーカーと呼ばれてたのですよ」

 嘘だ、昔にそんな言葉なんてないはずだ。


「そう、つまりアルくんは生まれ変わっても変わらなかったってことなのね……」

 魔王は変わったって言ってたよ。


「それに関しては確かにそうですね……否定できません……」

 否定して欲しかった。


 この流れはダメだ、止めなくては。


「ちょ…待って、今重要なのはそこじゃないですよね……」


『『重要です』』


 無駄な抵抗はやめた。


「すみません……」


「その……アルは、前世で何人娶っていたのでしょか?」

 僕は聞きたくない。


「父さまは神のみならず、人間にも手をだしていましいたので正確には……」

 聞きたくない。


「オヤジは確かにモテたなぁ……アルより男らしかったしな」

 聞きたくない、聞きたくない。


「でも粗暴だったです。今の知的な父さまの方が素敵です」

 ナイス、スクルド。


「女癖以外は、アルの方がいいですね」

 僕ってクロノスより悪いの?


「誰にでもやさしいですからね……」

 ユイリが遠い目をしている。


「アルは、ハッキリしないからな……女癖に関してはオヤジより悪いかもな」

 ベルは僕に惚れてたんじゃなかったのか。


「ですよね!そのことを悪いとも思ってないですよね!」

 アンナ先生にエンジンが掛かってきた。


「父さまは俺に任せろタイプだったよね」


「その強引さは欲しいです」


「アルは……その……むっつりですね」

 ついにウルドにまで……


『『同感!』』


 フルボッコだ。


「あの……そろそろ……勘弁してください……」


「アルくんは今の話聞いてどう思うの?」


「え、どうって……」


「ほら、またはぐらかす」


「すみません……」


「それって分かって謝ってないでしょ?とりあえず謝っとけって感じじゃない?」


 なんでこうなった。


「まあまあ母さま、そろそろ本題に入りましょう」


「あ、ごめんなさい……つい」


「アンナはみんなを代弁しただけですよね」


 辛い戦いが続く。


「えーと、魔王戦についての話と思っていたのですが……」


「久しぶりに皆んな揃ったです」


「そうだな」


「私の知っている範囲で御三方にも関わる、これまでのレオフェンについてお話しさせていただきますね」


「立ち話も何なので、お上がり下さい」


 僕達は世界樹内部に案内された。


____「私の聞いた話ですと、父さまと主神様がこの世界、レオフェンを創造したそうです。その時は既にお二人は結婚していたと聞いています」


「クロノスはどこからやって来たんだろう?」


「聞いた事がありませんね、父さまは、アルとは対照的に無口な方だったので、この話も母さまから聞いた話です」


「母さまは他の神々とともに、後からこのレオフェンにやって来たと言ってました」


「なんかピンとこない話だな」


「アルが成したことなのですけどね」


「今の僕の常識は人間の常識だからね……実感がわかないよ……」


「そうですね……」


「母さまはクロノスさまに一目惚れして猛アプローチをかけたと言ってました」


「え……私からだったの……」


「はい、ですが最終的にプロポーズしたのは父さまです」


「アルくんなのに男らしい!」


「えっと……ところで、神様って一夫多妻制なの?」


「神の命は永遠なので人とは様々な感覚が違います。独占欲も人間のようにはありませんので、一夫多妻や重婚も珍しいことではありません」


「そうなのか……」


「3人は、わだかまりなく仲良く暮らしていたと聞いています」


「ウルド達が産まれてからも?」


「私たちが産まれてからも皆んな仲良かったですよ。父さまは主神様を、レオフェンの主神として大切に扱っていましたし、母さまもそれをわきまえていました。父さまはアルのように尻に敷かれることもなかったですし、平穏な日々でした」


「あの……気になっていたのですが、私、主神のお名前は?」


「私たちは主神様のことを、物心ついた頃から主神様とお呼びしていたので……恥ずかしながら真名を存じ上げてないのです……」


「そうですか……」


「僕達が思い出すしかないね」


「そうですね……」


 永きに渡りクロノス達はレオフェンで幸せな日々を過ごしていたとのことだ。


 ところが、異界より来た神が、その幸せな日々を壊した。異界より来た神の名はウラノス。ウラノスは争いを好み、次々と神々を殺害した。


 クロノスは神々と力合わせウラノスを封印する事に成功する。ウラノスの力は強大で滅ぼす迄には至らなかった。


 クロノスはウラノスの封印をより強固なものにするため、レオフェンを6つの階層に作り替えた。最下層にウラノスの封印、5層目を奈落、4層目を冥界、3層目を魔界、2層目を地上、最上層を神界とした。


 神界はクロノス、地上は主神、魔界はエレボス、冥界はハーデス、奈落はタルタロス、各層、それぞれの守護神で守りを固めた。


 レオフェンに再び平和が訪れたが、長くは続かなかった。ウラノス配下の天使により魔界を制圧されてしまったからだ。その天使の名はルシフェル。魔界の神々を次々と降していったルシフェルは、やがて魔王サタンと呼ばれるようになった。


 魔界を完全掌握したサタンは、元エレボスの眷属神達を従え、地上を制圧すべく軍を進めた。サタン勢は強かった。戦い慣れしたサタン勢に対し、いくさのない世界で平和に暮らしていたレオフェンの神々は、いいようにあしらわれた。


 それでもクロノスと主神を中心に、何とか戦線を維持していた。


 魔王はこの膠着状態を打破すべく、神界と地上に同時攻撃を仕掛ける。神界にはパズズを大将とし、自らは地上を制圧すべく軍を進めた。


 神々は、何とか神界、地上の防衛に成功するが、この戦いで主神を失ってしまう。


 主神を討たれた事に怒り狂ったクロノスは、地上の魔界軍を次々と討ち滅ぼし魔王を追い詰める。しかし奈落の裏切りにより、クロノスは魔王と相討ち、ノルンは消息不明となってしまった。


 地上に残った魔界勢はベルダンディが掃討し、ウルドが世界樹の機能で魔界を封印、奈落はハーデスにより封印され、レオフェンに再び平和が戻った。


 これがウルドに聞かされたこれまでのレオフェンの成り立ちだった。


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