第3話 魔法ってすごい
「フム…サラッと話しているが辛い思いをしたのだな…茗こちらの世界ではお前の好きに生きるが良い」
そうトリスに言われたら何故か涙が流れて来て止まらなくなった…
今思うと前の人生では何も期待しないようにしてたと思う。そうすれば期待が外れてショックを受ける事も無いそんな感じで好きな事に逃げて貰えるはずの愛情を欲っしていたにもかかわらず、表に出さないようにしていた事を今更思い出して、せきが切ったように溢れてきてしまった…
止まらない涙にどうしようかと思いながらも初めて思いっきり泣いた…
周りには精霊がビックリして慰めに来てくれてたのに、視界が歪んでちゃんとその姿を見れない!
でも伝わってくる暖かな雰囲気に安心して小さい子供のように泣いてしまった…
散々泣いてようやく落ち着いてきた…
きっと目がパンパンに腫れてひどい顔になってるだろう…
「…落ち着いたか? 喉が渇いただろう」
そう言ってトリスは目の前に水の球体を出した!
ビックリしながらも手のひらに乗せてそっと球体に口を付けると水が飲めた、柔らかい感じのするお水だった。
そしてフワリと美味しそうな果物も目の前に現れたので取って食べてみる。
「…甘い…… 美味しい…」
「ここの果物は精霊に愛されているから甘く美味しいんだよ。」
食べながら周りをよく見ると、色んな色の10センチくらいの精霊が周りに飛んでいた‼︎
「美味しい果物をありがとう!精霊さん!」
精霊さんにお礼を言うとキラキラと色とりどりの色が煌めく… 余りに輝いていたので思わず見入ってしまう…
「茗は精霊に好かれてるね! これならば早めに魔法も使えるだろう」
「え? 本当ですか? やったー‼︎」
「フフフ…さっきまで泣いていたのにもうすっかり笑顔だね」
トリスは優しい眼差しで私にそう告げてくれた…
嬉しいけど、ちょっと恥ずかしい… 年甲斐もなく小さな子みたいにはしゃいでしまった…まぁでも見た目はたしか10歳くらいにしてくれるって言ってたから間違ってはいないけど…
神様が外見とか年齢も希望にしてくれると言うので迷ってたら私が事故にあって下半身不随になった辺りにしてくれた。実際にはもっと小さかったけど、ある程度1人で行動できる年齢にしてくれたようだ。まだ鏡とかみてないからイマイチ自分の外見がわからない…
「えっと…トリス…私にこの世界の事や魔法の使い方を教えて下さい!よろしくおねがいします!」
立ち上がってペコリとお辞儀をして精一杯お願いしてみた!
「わかった! とりあえずゆっくりとこの世界の事を覚えていくがいい。私の知る限りの事を教えてあげるからね!」
「はい」
私はそれだけでトリスが大好きになった!
文書って難しい…