日明リ国編:「日明リ国」
「日の明かり」と「日の光」をかけて「日明リ(ヒカリ)」と読む。
正式名称「日明リ民主連邦帝国」
人口約8億4000万人
「暠皇」という日明リ国を5000年以上にわたって日明リ国の領土を支配し続けていた皇室の長がおり、その一族は1回も途切れることなく続いていた一族で、現在も続いている。しかも、男系男子で続いているのだ。
この国は元々「破天球」という星にあったのだが、宇宙の覇権争いをしている神々の力の影響を受け最高神が降臨する2ヶ月ほど前に「カルマ」に偶然転移してしまった国家である。
破天球は戦争と災害の絶えない星だった。文明が生まれる前から族同士で争っていた。
文明が生まれてからも領土拡大と自国民の救済のために他の文明と戦争してきた。
中世に入るなり半世紀に一度以上大国や列強が大戦を勃発させていた。さらに、最近生まれた「核兵器」によっていくつも国が滅んでいる。
そして、昔から毎年のように巨大な台風が世界を荒らしまわり、10年に一度大型地震が訪れる。そのせいで、発展している国はとことん発展しているが、発展していない国はだいたい崩壊する。または、吸収されるか植民地になるかの二択で国を存続させている。
2000年に入り世界大戦や内戦、紛争がぱったり止まった。
なぜ止まったのかというと「隕石」が落ちるということだ。しかも、ただの隕石ではない。「準惑星」にもなる巨大な隕石だ。落ちれば間違いなく何もかもが終焉を迎える。どうにかして止めようと全人類で議論と作戦が行われたが全て無意味に終わった。
これにより久しく忘れていたであろう「最後の休息」が訪れた。
隕石激突1ヶ月前となり全世界の誰もが平穏に過ごしていた。
しかし、ある男が神に導かれ強大な「魔素」を受け取った。
強大な魔素を受け取り「魔素主」となった者の名前は「川光 信弘」。彼は現代の救世主となった。
その強大な魔素が生み出す魔力を使って超強力な魔導を使い天に向けて光の柱を立てた。魔導の光の柱は、単純に物を押し出す魔法だったが、強大すぎて破天球に落ちるはずだった隕石は、破天球の重力を振り切り二度と破天球に向かうことは無かった。
それから5年各地で再び紛争が始まったが、自国優先状態となった日明リ国は、今まで持っていた保護国や植民地の支配を解き、ある程度の軍事力と技術力を与え無理矢理独立させた。
破天球は戦争の絶えない星。「無理矢理独立」それは、「見捨てる」に他ならない。強い国にすがることで生きながらえていた国にはあまりにもきついことだった。
その後、日明リ国は軍の国外派遣を一切せずに国防に徹して魔導を研究していた。
しかし、日明リ国に更なる災害が訪れる。それが上記に記した通りの「転移」である。
破天球から日明リ国は消失し、カルマに現れた。
元々日明リ国は資源が豊富な“持っている国”なので自国内は特に何も変わりはしなかった。それどころか破天球から逃れたと喜んだ。
考えを改め様々な国と国交樹立、平穏を掲げた。
さらに、つい最近、「元首選挙」という名の大統領選挙が行われ、現代の救世主である「川光 信弘」が日明リ国、新国家元首となった。
中枢島、内都州、首都であり州都でもある「皇郡」。
国王殿
「では、ついに来訪されたということですか?」
電話で会話をする一人の男性。彼こそ現代の救世主であり、現国家元首「川光 信弘」である。
電話の相手はこの国において最高敬意を払わなければならない相手。日明リ国の象徴、「暠皇」である。
「はい、わかりました。それでは失礼します。陛下」
電話会談を終え電話を切る川光。
「天命占いってやっぱチートだな」
対爆防弾の窓で夜明けを見る川光。この後もっとフザけたチートに合うとは知らずに。
日明リ国、駿河州、御殿土郡、御殿土海軍基地
数日の船旅終えて、最高神は一つの海軍基地に入港した。
「ここが、日明リ国ですか」
見渡す限りの現代的な港。しかし、その軍艦の数はかなり多い。巡防艦クラスの軍艦が寄港している。その数は10隻ほど。もちろんそれだけではない、潜水艦、駆逐艦も寄港している。
「この港、山川さんが言っていた事とは、かなり違いますね」
「巡防艦を100隻以上持つ国にと聞いていましたがそれにしてはかなり少ない。やはり彼の言う通り東と南に集結しているようですね」
リズ港とは打って変わって静かな港である。
そんなことを思いつつ巡防艦村上から降りる最高神。すると待っていましたといわんばかりに1台の車が待っていた。そして、車の前には1人の男が立っていた。身なりからして政府関係者のだ。
「セウス様お迎えに上がりました。私は辻本と申します」
辻本という男は元首の命令を受けてセウスを連れてくるように言われた人だ。
「またまた私の名前をご存知な方が現れましたね。天命占いとは随分とすごいものですね」
「どうぞ」
辻本が車のドアを開けた。この車はどうやらタクシーのようだ。最高神はそのドアから車の後部座席に乗り込みやがて走り出した。辻本は助手席に座っている。
ちなみに運転席は右にある。
「これから駿河空港に向います。そこから首都皇郡に行きます」
向かっている先は空港。日明リ国には州に1つ以上の大きな空港がある。とは言っても日明リ国はかなり広い国なので車の移動でも時間がかかる。
御殿土郡から駿河州の州都、青岡郡まで隣接する郡同士とは言え近いと言える距離にはない。高速道路を突っ走って数十分。やっと目的地の「駿河空港」に到着した。現代的な空港でとても綺麗な空港だ。
中に入り、辻本がしゃべりだす。
「セウス様この空港から、内都州の皇郡へ向かいます。これから搭乗手続きをしてきます。少々こちらでお待ちください」
そう言って辻本は搭乗手続きをしに行った。というわけで最高神は大人しくソファーの上に座り、柱の上についているテレビを横目に見た。
“転移して平穏を得られると思ったんですけどねぇ”
“まぁ今回の敵は70年以上前の科学技術国家だから余裕でしょう”
ニュースのレポーターが通行人に取材をしている映像が流れている。
“転移してから2ヶ月経とうという時に再び戦争に巻き込まれてしまったといことですが、今回のこの戦争は援軍という形になるのでしょうか?専門家の・・・”
「お待たせしました。あなた様はこの金剛券で搭乗してください。私はこの銅金券で搭乗します。それでは登場しに行きましょう」
やたら豪華そうなチケットを貰った。辻本は普通のチケットを持っている。どうやらこの豪華なチケットはファーストクラスのような物だろう。
そこまで気を使って最高神に何を求めているのだろうか。
金剛券を使って、飛行機に搭乗した最高神。やはり予想通りのもてなしを受けた。国内便とは思えないほどの豪華なもてなしだ。これには一体いくらかけているのだろうか。
窓から見下ろす景色は、都市の風景から広大な畑の風景となった。土地が広いこの国は資源がたっぷりある。国家として超大国の座に君臨するに相応しい国だ。
陸地が見えなくなり、海が見えた。しかし、しばらくたってすぐにまた陸地が見えた。この国の首都がある州にやって来た。
内都州、白虎郡、右大臣空港
日明リ国最大の空港に降り立つ飛行機。国外便がパッタリなくなったとはいえ国内便だけでもの、ものすごい数の飛行機が毎日離発着している。
飛行機を降り辻本と合流する最高神。
「それではこれから、国王殿に向かいます」
再び車に乗る最高神。今度はタクシーではなく政府専用の車に見える。走り出す車の外は地方都市とは比べ物にならないほどのビル群が見えてくる。巨大なビル、高いタワー、全てが最先端の建物に見える。
ビルかいくぐるようにビル群の中央がやがて見えてきた。
先進的な風景が代わり、緑があって落ち着いた雰囲気を出している景色が見えてきた。
ここが、日明リ国の中枢、皇郡だ。先ほどのビルやタワーの数々は民間の領域。しかし、ここはこの国の首都や州都としての国家機関が勢ぞろいしている場所である。
そして、やがて財務省と外務省に挟まれている。この国の行政の中心地「国王殿」が見えてきた。
「着きました。セウス様、ここが国王殿です」
最高神は車から降りて壁も瓦も白一色の和式の城か大仏殿を思わせる建物を見上げた。
「これが、国王殿」
日明リ国国民の代表で軍の最高指揮官でもある国家元首が住んでいる建物だ。
用語集
日明リ民主連邦帝国:現代の日明リ国の正式名称。5000年以上にわたり存在している国。帝国は皇室が治めていた時代の名残。通貨は「全」=円と同等。
暠皇:日明リ国の象徴。昔は大皇と呼ばれ日明リ国の歴史そのもの。290年前に実権を手放し民主化に賛同した。
天命占い:暠皇のみが行える未来予言。
国家元首:大統領と同じ
国王殿:国家元首が執務や公務を行い記者会見なども行う建物。頑丈な建物だが木造建築。壁も屋根の瓦も白い。
中枢島:中央に「内都州」北に「北都州」南に「南都州」東に「東都州」西に「西都州」がある。
内都州:日明リ国の中枢島の真ん中にある州。郡は9つ「皇郡」「多聞郡」「玄武郡」「増長郡」「朱雀郡」「持国郡」「青龍郡」「広目郡」「白虎郡」。
駿河州:本門島の西にある州。御殿土郡には海軍基地があり、隣接する州都青岡郡には空港がある。
金剛券:ファーストクラスのチケット
銅金券:エコノミークラスのチケット。ついでだが、ビジネスクラスは「黄金券」、プレミアムエコノミーは「白銀券」と言う。
駆逐艦:巡防艦よりも大きい軍艦で全長は153~155mほど。Arleigh Burke-class destroyerに類似
潜水艦:海に潜る軍艦。御殿土海軍基地にあったのは通常動力潜水艦。おやしお型、そうりゅう型に類似
巡洋艦:駆逐艦よりさらにも大きい全長は172mほど。Ticonderoga-class guided missile cruiserに類似。