「最高神降臨」
ここは、宇宙とは別の次元の世界
並行世界とか異世界とかのようなものとは全くの別物の世界。
そこは真っ白で世界を支配しているのはただ一つ。
主であり、また世界そのものでもある。
真っ白な世界が純白に満ちている。
その真っ白な世界そのものこそ「最高神」である。
いや、神という次元に例えていいのか、よくわからないが、とにかく「絶対者」または、「無限の存在」といことだ
この白い世界を”真の無限”こと”真無限”という。
白い空間の中に黒い球体の空間がある。黒い球体の空間には宇宙が入っている。
最高神である白い世界は外から薄暗い空間の中にある有限の宇宙の様子を観ている。
人がテレビやパソコンを観るように、最高神も同じように観ている。
小さく真っ黒な球体空間の中に小さな光がある。
この一点の光に見えるものが、宇宙である。
そして、それはいくつも存在している。
とても退屈そうな最高神は呟いた。
「 37G+37CQ37GO (ん~)」
「37G+37CQ37GO (ん~)」
「37G+37CQ37GO (ん~)」
「37G037G/37G+37G/37CQ37G737Gl37Gi37Gx37G537CQ37G637G537G737Gx37G+37CQ37G337Gx37CQ37Gj37Gl37G337G537Gk37Gx37CQ37G737Gx37CQ37Gn37Gx37G737Gx37Gi37G537G937Gx37Gj37G137G+37CQ37G+37G1 (どのくらい時間が過ぎたかわかりませんね)」
「37Gk37Gx37G037Gx37Cc37CQ37Gk37G/37G+37G037G137G937G/37G+37Gx37G537CQ37G437G/37G037G/37CQ37Gk37Gx37Gk37Gk37Gx37CQ37G737Gx37CQ37Gn37Gx37CQ37Gn37Gx37G737Gx37Gi37G537G937Gx37Gj37Gl (ただ、とんでもないほど経ったかは分かります)」
「37G037G/37G737G/37CQ37G737Gx37CQ37G+37G/37CQ37G437G/37Gj37G437G537CQ37G+37G/37CQ37Gj37G137G537G937G137G537Cd37Gk37Gx37G537CQ37Gn37Gx37CQ37G637G537Gk37Gj37Gl37G+37G537CQ37G737Gp37Ok37G937G537Gy37Gl37G737Gx37G737Gx37Gk37Gk37Gx37Ce37CQ37G537G737Gl37Gk37Gj37Gl37CQ37G937G/37CQ37G+37G/37CQ37G437G137G537G737Ok37CQ37Gj37G137G737Gx37G537CQ37G/37CQ37Gk37Gj37Gl37G737Gl37Gk37Gk37G137CQ37G937G537Gi37Gl37CQ37G+37G/37CQ37G937G/37CQ37G/37G937G/37Gj37G437G537Gi37G/37G537CQ37G+37G/37G037G137Gj37Gl37G337Gx37Cc37CQ37Gx37G737G537G937Gx37Gj37G437G537Gk37Gx37CQ37G+37G1 (どこかの星の生命体は実に興味深かった。いくつもの並行世界を作ってみるのも面白いのですが、飽きましたね)」
「37Gk37Gx37Gj37G437G537G737Gx37CQ37G737G537G737Gx37G537Cd37Gj37G437G537G+37CQ37G+37G/37CQ37Gi37Gp37Ok37G537G737G537CQ37G+37G537CQ37Gx37Gk37Gk37Gx37CQ37G337G537G+37G337Gx37G737G137G537CQ37G+37G/37CQ37G+37Gx37G737
Gx37CQ37G+37G537CQ37Gx37Gi37Gl37CQ37G437G/37Gj37G437G537G037G137Gj37G437G537Gk37Gx37CQ37G737Gx37CP (確か機械神の領域にあった銀河系の中にある星でしたか?)」
「37G437G/37G737Gx37CQ37G+37G537CQ37G937G/37CQ37G737G537G+37G537G537Gi37G537Cd37Gj37Ok37G+37Gx37Cc37CQ37Gz37G437G537Gk37G137G737G537CQ37Gj37G137G537G937G137G537Cd37Gk37Gx37G537CQ37G+37G/37CQ37Gn37Gx37G737Gl37Gj37G137G537CQ37G337Gx37CQ37G437G/37G737Gx37CQ37G+37G537CQ37G937G/37CQ37G+37Gx37G537G037Gx37Gi37G/37Gl37CQ37G737Gx37Cc37CQ37G/37G937G/37Gj37G437G537Gi37G/37G537CQ37G937G/37G+37G/37CQ37Gn37Gx37G+37Gx37G537CQ37G937G/37G+37G/37G037Gx37Gi37G/37Gl37CQ37G737Gx37Ce37CQ37Gl37Gz37G437Or37CQ37G+37G/37CQ37G437Gx37G737G137G+37CQ37G/37CQ37G937G/37Gk37Gk37G137CQ37G537Gi37Gl37CQ37G737Gx37G937G537G337Gx37G937G537CQ37G+37G/37CQ37Gj37G137G+37Gj37Ok37CQ37G937G/37CQ37G937G537Gx37G737G537G937Gx37Gj37G437G537Gk37Gx37CQ37G+37G1 (他にも気に入りそうな、知的生命体の惑星が他にもないだろうか、面白いものはないものだろうか。宇宙の覇権を持っている神々の戦争も見飽きましたね)」
何重にも様々な声が重なり合って聞こえる、その言葉にすらなっていない声は退屈そうにしているように聞こえる。
「37G737G/37G737G/37CQ37G+37G/37CQ37G437G/37Gj37G437G537CQ37G337Gx37CQ37G/37G937G/37Gj37G437G537Gi37G/37Cd37Gj37Ok37G037G137Gj37Gl37CQ37G+37G1 (ここの星が面白そうですね)」
「37Gj37Gx37Gi37Gx37G+37G537CQ37G737G/37G737G/37CQ37Gn37Gx37CQ37G937G537Gk37Gk37Gj37Gl37CQ37G+37G/37CQ37G437Gx37G737G137G+37CQ37G337Gx37CQ37Gy37Gl37Gk37Gj37Gl37G737Gx37Gi37Gl37CQ37Gy37Gx37Gj37G437G/37G037G137CQ37Gn37Gx37G+37Gx37G537CQ37G737Gx (さらにここは三つの覇権がぶつかる場所ではないか)」
「37G537Gk37Gk37G137CQ37G937G537Gk37G137CQ37G737Gx37G737Gx37Gn37Gx37Gk37Gk37G137CQ37G937G537G937Gx37Gj37Gl37CQ37G737Gx (行ってみて関わってみますか)」
宇宙の覇権を持つ神々は三つ存在する。
一つ目は「暗黒神」
宇宙の覇権の3割を支配しており、複数体いる神の一族である。
見た目は、人型で真っ黒な体に星や銀河などが体の中に入っているような見た目をしており、一言でいうなら、「人型小宇宙」である。
最高神の存在を認知しており逆らえないことも知っている。
かつては覇権争いに加わり機械神と協力していたが最高神の存在を知り、そこから虚しさを感じて、有限の世界に失望し唯一無二の無限の存在に感激した。
そのため、防衛に徹し戦争を回避している。
二つ目は「天界神」
宇宙の覇権の4割を獲得しており、複数体いる神の一族である。
見た目は、人間と同じ姿をしているが純白の羽が背中に複数生えており、男型、女型も存在している。
最高神の存在を知らないため、戦争で覇権を広げ続けている。
全宇宙を我が物にするため他の神々と戦争をしている。
魔素や魔力を広めた一族
三つ目は「機械神」
宇宙の覇権の3割を獲得しており、一神だが自分自身が複数いる。
天界神との戦争が激しく、暗黒神とは同盟を結んでいる。
最高神の存在を認知しており、一番近づいたことがある。
存在が電子回路やデータのため決まった形はないがメインコンピューターは素粒子サイズのコンピューターの集まりである。
そして、その三つの勢力が交差する唯一の場所がある。
そこに目を付け、最高神は降臨する。
最高神降臨
降りる前に下調べと行こうか。
この星は「カルマ」。覇権の力が交差する惑星で、様々な力の影響を受けた者たちがこの星に住んでいる。
星の大きさ一周約100,000kmあり、かなり巨大だが、陸地が少ないため国の数が少なく、文明や技術力、科学力、魔法に大きな差がある。
どうやら、覇権争いに巻き込まれた星の国々が影響を受けて転移したりワープしたりしてしまったのだろう。
天界神が広めた魔導に関しても色々ある。
物量に段階があるように、魔素や魔力量にも段階があるようだ。
魔法や魔兵器を使うためには「魔素」や「魔力」が必要になる。魔力量は以下の通りに表せる。
バイ(B)
キロ(K)
メガ(M)
ギガ(G)
テラ(T)
ペタ(P)
エクサ(E)
ゼタ(Z)
ヨタ(Y)
ゾナ(X)
ウェカ(W)
カルマにおいてはこのような感じ。
魔素を持つ人間の割合
バイ(B)下、中、高位魔法使い。40%未満
キロ(K)最高位魔法使い。最高位魔法使い。勇者、英雄、魔王。人の限界1%未満、魔導艦
メガ(M)魔王
ギガ(G)神、魔王
残りの60%以上は魔素を持たない。
なるほど、興味深い。
人間が全員使えるわけではないようだ。
国は西から東にかけて全部で32ヵ国ある。
亜人連合国、ゼルバス魔法国、エンパイア皇国、タイラン帝国、モウス王国、リリー王国、ペント王国、ローズ王国、ハルト王国、ランス王国、ウーロ公国、ヴォハジー国、ザーン国、オルス王国、ホルン王国、ドゥーム市国、神聖ルーアドーク帝国、ウィーブル皇国、ラ・メル王国、ジェル国、ソルム王国、レーゼ王国、パルス帝国、拳武国、日明リ国、天本国、ゴンクス王国、ダーチュース法国、イヴン王国、ポポ王国、コルアホルク国、元王帝国
さて、今は「レーゼ王国」に降りたとうかな。
ローパール大陸
レーゼ王国
王族の中で現在継承争いが勃発しており、代々貴族をより多く味方につければ勝てる戦いになっているが、財力や権力をものともしない存在がある。
それは、「英雄」または「勇者」のような存在である。
要は強大な力を持つ者のことだ。
さらに西にあるパルス帝国と現在戦争中であり、軍や英雄の存在はますます重要になっている。
ただ、冒険者は別である。
パルス帝国、レーゼ王国、ソルム王国には共通の冒険者組合が存在し、この3ヵ国内の条約で現役冒険者を戦争に使ってはならないという条約があり、英雄や高位魔法使いが冒険者に入っている場合は戦争利用できない。
そして、今レーゼ王国内でとある王女が、王位継承争いに巻き込まれ、暗殺されようとしていた。
機長、空から光が!
ヒュー――――――――――――――――――――――――――ン
バー―――――――――――――――――ン
白く眩い光を放ちながら一つの光が落ちてくる。
そこは、森に囲まれ一面青く茂っている草原で、そして、私はここらの主だと言わんばかりに大木が一本だけ生えている。
「・・・・・着きました」
「ここがカルマのレーゼ王国ですか」
有限の世界に降り立つためには表面だけでも「有限の存在」にし、有限で覆うことをしなければこの世界に存在することができない。
無限の存在のままこの世界にくれば有限は無限に押しつぶされ消滅してしまうからだ。
元の姿からはだいぶ離れており、今は人間の「男」の姿をしている。
身長は160cm程度
黒く薄い無地の部屋着を着ており、靴は黒いスニーカーを履いている。
肉体は全体的に白く眼には力が宿ってないように見え、常に無表情。
「なかなか殺風景ですね~」
「む?」
最高神は何もない空を見上げた。
その空には肉眼では見えないが、空飛ぶ円盤がおり、その円盤は直径50mある巨大なものだった。
「円盤?たしか下調べで出ていたジェル国の飛行円盤ですね。人間の肉眼では確認できないところを見ると光学迷彩でも使っているのでしょう」
適当に調べて答えを出す最高神。
「円盤内に人間の反応はない、しかし、スライムの反応がありますね。さて、私が下りてきたところも見られてしまいましたね。ここで見つかるとは、少しやらかしてしまいましたね」
「消えてもらいますか」
最高神は右手を軽く前に出し軽く手を閉じた。
すると、最高神以外がエッジ検出のような世界に包まれた。
包んだ直後目に見えなかった円盤ははっきりと白い姿で現れた。真っ黒な世界には、色を持つ最高神と白い姿の飛行円盤しかいない。
そして世界を解放したら、そこには円盤の存在がなくなっていた。
これは、最高神の力の一つ「統一化」という力で、全ての物質、エネルギーを全て同じものに変えて世界ごと全てを消滅させる力だ。
そのため、消したい対称のみをここに置き去りにすることで完全消滅することができる。
「さて、目撃情報も消したことだし円盤以外の人目がないことは確認済みですので、少しばかりこの世界に置いての、この体の能力テストと行きましょうか」
最高神は少しかがんで石ころを拾い上げ、それに魔力を少し流し軽く投げた。
すると、石ころはどんどん大きくなり、やがて足と腕が生え赤い目をギラリと輝かせた、高さ20mにもなる巨大なゴーレムができた。
しかも、灰色だった石ころは、まるで大理石のように白く美しい見た目をしている。
「あれ?少しだけ魔力を流しただけでこんなのができてしまった。加減が必要不可欠ですね」
最高神は手を握ったり開いたりしながら体を確認する。
「戻りなさい」
せっかく作ったゴーレムは元の姿である灰色の石ころに戻り、地面に自由落下した。
「どれ、移動しますかここより南東に行けば城塞都市そして更に南東に行くと、港があるようですね。では、行きましょうか」
「しかし、人の気配がない。この辺りは、魔物はそこまで多くないはずですが」
最高神は気配がない中、わずかに人の気配を感じる方へ歩いて行った。
馬車に揺られて何日も移動し、ある国の使者と話をしてきた王女がいた。
そして、いま城塞都市に一時休憩をしに行くところだ。
「ミフィーナ様、まもなく森を抜け城塞都市コルンに到着致します」
「ん、ああ、シレナもう着くのね。んん~長かったー・・・ふぅ」
王女の「レーゼ・ミフィーナ・フィーレ」は体を伸ばしてリラックスした。
護衛騎士である彼女の名前は「シレナ・ミザブル」
「長旅ご苦労様ですミフィーナ様。まったくなぜ日明リ国とかいう国の使者ごときに高貴なミフィーナ様が赴かなければいけないのですかね」
シレナは少しばかり怒りながら友達感覚でミフィーナに話をした。
彼女らは、身分は違うが幼馴染なのだ
「そう言ってはいけませんよ、シレナ、相手が誰であれ、どこの国であれ外交は平等であるべきです。それに、日明リ国の使者様方々はとても丁寧な方々だったじゃないですか。まるで天本国や拳武国の使者の方々のように。特に拳武国の方々と顔立ちがよく似ていているので何か繋がりがあるのでしょう。ま、ラ・メル王国やウィーブル皇国の方々と違い罵倒のような発言をしてこなかった。それだけでも素晴らしい国だと思いますよ」
「まぁ確かにそうですが」
ラ・メル王国やウィーブル皇国は高貴でプライドが高く技術力が低い国家をひどく見下している。
「ローパール大陸の周りの国々が我が国を見下すのは少し不屈でありますが、相手がとても高い技術や武器を持っていたら下に見られてもしょうがないこと」
「それなのに日明リ国は対等に接してきた、身なりを見るなりおそらくはラ・メル王国、ウィーブル皇国を超えていると思っています。個人的な意見ですが大国どころか超大国も超えているかと」
「ラ・メル王国やウィーブル皇国だけでなく大国と超大国の国々も超えているとそれは言い過ぎでは」
驚きを隠せないシレナは冷静に装っていたが顔にはしっかりと驚愕が現れていた。
それもそのはず、大国であるザーン国、ダーチュース法国、超大国である神聖ルーアドーク帝国、天本国はこの世界において最強なのである。
「言いすぎかどうかはいずれわかります。少なくとも大国以上なのは間違いないです。味方に引き込めばパルス帝国との戦争で圧倒的に有利になると思っています」
「そうですか、ん~私はそうは見えませんでしたけど、ミフィーナ様がおっしゃるなら間違いないですね!」
ミフィーナ一行は南東の末端にある「リズ港」に赴き日明リ国の使者と会談した。
この港は元々水深がかなり深く平均で50mもあり、大国、超大国の巨船が入ることのできる唯一の港である。
そのため、この港はレーゼ王国どころかローパール大陸の中でも1番大きい港である。
「もうすっかり夜ね。変な時間に仮眠しちゃったな」
ミフィーナは馬車の外を見た後、再び体を伸ばし筋肉をリラックスさせた。
すると
「敵襲ぅーーー!」
外にいる護衛兵が叫ぶ
「!!!」
「!!!」
シレナ、ミフィーナ共々驚きシレナは外に出ようとした。
バンッ!
黒いローブを身にまとった男が王女の馬車に入ってきた。
その男は鋭利なナイフを持っている。
「ミフィーナ様!下がって!」
ミフィーナを下がらせ、シレナが剣を抜きそして横一直線に振るい馬車もろとも男を切った。
シレナが外に出るとそこは地獄絵図だった。
何十人もの黒いローブの者たちが兵士と戦っている。
護衛の兵士はほとんど殺され、残っているのは数人しかいなかった。
その数人もすぐに殺されていった。
「クソッ!どこの者だ!」
シレナが戦いながら叫ぶがその問には誰も答えず休ませることなく攻撃してくる。
いくら腕利きの騎士とは言えミフィーナを守りながらでは戦いにくく、しかも馬が殺されているので隙をみて走らせ逃げることもできない。
馬が殺され金品を取る様子もないのを見ると、盗賊の類ではないことがすぐに分かった。
ということは暗殺である。
やがてシレナも体力を使いすぎて動きと集中力が減り、隙を見せてしまった直後、急所である首を切られ、そこから大量の血が噴き出し倒れた。
「ミ・・フィーナ・・・様、お、お逃げ・・くだ・・さ・・・・・」
シレナが倒れたとこからはミフィーナの姿を確認できないがその言葉も虚しく、シレナを相手にしているうちに、別の人間がすでにミフィーナを殺していたのだ。
「あの~あなた、何しるのでしょう~か」
最高神が全裸で傷だらけで倒れている女性に話しかけている。
その女性は死んでいるため話すわけがない。
しかし、そこは最高神、話をするためにその女性を蘇生させ身体の傷と精神の傷を完治させた。
女性の死体が淡い緑色の光に包まれそして傷や汚れが消えるとともに、心臓が動き、呼吸をはじめ、目を開けた。
ちなみに蘇生、心身の完治は一瞬で終わらせることができるが敢えてしない。理由は特にない。
「ゲホッ!」
「お~起きましたね」
「あ・・え・・・・お、お、お」
精神の傷を治したが癒したわけではないので、女には混乱が現れる。
「お?」
「お、オークは?」
「オーク?二足歩行の豚のことですか?それならすでに土に返っていますよ」
「・・・・へ?あ、冒険者の方々がすでに討伐されていたのですね」
「いえ、私が殺しました」
何のためらいもなく話す最高神、ついでに服も用意し渡してあげた。
この辺りにいたオークは最高神によって肉片になっている。なぜなら、襲ってきたから消し飛ばにすぎないのだ。
「・・・え?あなたが、ですか?・・・・まぁこの際誰でもいいか。えっと私の名前は・・・」
渡された服を着ながら言うと
敵襲―――!
「うん?なんでしょう?」
最高神は右前の方向を見る。
「何かあったんですかね?」
女性が便乗し左後ろを振り返る。
「なんか面白そうですね」
最高神はほんのり笑顔になったがすぐに無表情に戻り、目の前の女性に話しかけた。
「あなたは帰りなさい、護衛にゴーレムを付けますから」
一方的に話を決め立ち去った。
「え、あの」
おいていかれる女性、その右隣には3mほどのものすごくごついゴーレムがいた。
「あ、どうも」
顔を引きつらせながら返事も反応もしないゴーレムに挨拶した。
ちなみに女性の名は「エリン・ファード」という。
このゴーレムはこの世界において「神」と呼ばれる存在よりも強い。
魔力量にして50Tほどである。
「全員死んだか?」
リーダーの男が確認をとる。
「はい、誰も生きていません」
女の手下が答える。
「目撃者は?」
「いません」
「よし後は雇った盗賊に任せて撤収する」
「こちらでは何があったんです?」
唐突に現れる最高神
「・・・・・・チラッ・・・!!!」
黒いローブの者たちが一拍おいて、一斉に最高神を見る、そして後ろから一人の男が首元めがけて切りかかる。
しかし、首にナイフが刺さる直前に、男は肉の欠片と血しぶきになり消し飛んだ。
暗殺者たちは何が起きたのかわからない顔をしている。いくら暗殺業を営んでも肉体が消し飛ぶなんて見たことがないのである。
「ひ、怯むなぁー!掛かれぇー!」
リーダーが叫ぶ。
暗殺者たちが襲い掛かるが最高神に近づいてきた者から次々と消し飛び肉片と血の粉塵と化していく。
「い、いや近づくな!下がれ!魔導だ!遠距離攻撃だ!」
無詠唱で魔法を発動し右手を最高神に向けて魔法を放つ。
この世界では無詠唱で魔法を扱うのは高度な業で、英雄や勇者でも獲得できるかどうかがわからないぐらいなのである。そんな珍しい人材を、かなりの数、動員している。それほどこの任務が重大なのだろう。
各々魔法で生み出した、雷、炎、風、水を直接ぶつけその衝撃で塵が舞う。
そして塵が晴れ確認できるようになるとそこには無傷の最高神。
「これならどうだ!」
リーダーのそばにいた女が間髪入れずに魔法を使う。地面が動き2枚の岩が最高神をサンドイッチにした。
岩のサンドイッチが開いたらそこには、最高神がいた。
しかも、岩は最高神の体の型を取っただけだった。
「まだだ!」
今度はリーダーが叫び魔法を使う。両手の手のひらを向い合せ、手と手の間の空間の中に水色の光を溜め水色の光弾を両手から放つ。そして、最高神に当たると水色の閃光を出して爆発し黒い塵をまき散らす。
最高神が塵を左腕一つで振り払う。もちろん無傷である。
男たちは、唖然し呆然と立ち尽くした。
そして、リーダーが口を開いた。
「な、何なんだ、お前は・・・お前は、何なんだぁー!!!」
その言葉を最後に全員消し飛び肉片と血の粉塵と化した。