夜と月
夜のカーテン
一人ぼっちの僕
カーテンの向こうは別世界が広がっている気がして
怖くて隙間を洗濯バサミで閉じた
ぬいぐるみを抱き抱えて
ベッドに転がる
夢を見た
色のない世界にいた僕を君が色のある世界に連れていってくれたあの日の夢
君は僕の想いを受け入れてくれた
目を開ける
まだ外は暗い
君に隠し事をしている
その事実が君への罪悪感になることも無く、
人格が腐っている
兄に言われた
きっとその通りだと思う、
夜は長いと言うけれど夜を眠らない僕にとって夜を長いと感じられなくなっている、
しかし夜は長いのだろう、
下らない考え、暗い過去、
暗くて重い霧に足を取られ、無抵抗のまま沈んでいく、
それすら心地いいと感じてしまう、
少しカーテンの隙間を覗く
綺麗な月が空に浮かんでいる
無機質でありながら優しく温かい光を放つそれに僕は信仰とも言えるものを抱いていた
僕は月に救われている、
今日も明日もきっと月に感謝し祈るだろう、