8 また……
「う、」
私は、朝日に照らされてしょぼしょぼする目を開けた。
「もう、朝なのね」
体を起こし、周りを見る。
なんだか、いつもと部屋の様子が違うような……
あ、そういえば、王都の別邸に来ていたのだ。
「ふー、久しぶりに寝すぎたかしら」
いつもは、日の出前には起きて、軽いランニングをしているのよね。
「それにしても、いつもより体がだるいわね。おなかも空いているし」
うん? なんかデジャブってないかしら。前にもこんな感じのことがあったような。
「それにしても、昨日のお父様の話はわかっていたことだけど、お父様から直接言われると、少し心に来るものがあったわね」
あの時は、精神的に辛いものがあったのよね。
前世での瑠璃としてではなく、この世界で、生まれたユリシアとしての心に来る感じがした。
「さてと、支度をするとしましょうか」
私は、寝間着から着替えようとベットから降りようとしたけれど、足に力が入らずフラついてまた、ベットに座り込んでしまった。
と、そこへ、
「コンコン、失礼します」
「リリアね。入って」
声色から、やって来たのがリリアだと分かった。
リリアはゆっくりと、ドアを開けて、私の姿を確認した後……猛ダッシュで、私に抱きついて来た。
「良かったです。良かったです。本当に良かったです」
リリアは、泣きながらそう言った。
「よしよしリリア。で、一体何が良かったのかしら」
私は、リリアをあやしながら、言った。
というかこれでは、どちらが大人で、どちらが子供か、わからないわね。
「ひっく、だって……お嬢様、七日も寝続けておられたのですから」
そう、七日もね。
「――って七日!?」
はぁ、だからか。なんだかデジャブっていたのは。
前は、十日だったから、今回はましだったけれど。
ちなみに前というのは、私が前世の記憶を思い出した時、私は、十日寝続けたのです。
「ねえ、リリア。私お腹が減ったわ。何か食べやすいものを用意してくれないかしら。多分、寝続けて体が衰弱している以外特に問題なさそうだから」
「は、はい。わかりました。食べやすいものですね」
「よろしくね」