7 これからのこと
「お父様、なぜ母が死んだという風に私に言ったのですか」
私は、イリス――母から顔をお父様の方に戻して聞いた。
「それは、お前の為でもあり、シャーロットのためだ」
「私の為?」
「そうだ。シャーロットのことを知らなければお前は知らないで済み、シャーロットのことを知る人物がより少なくて済むから、その分情報が出回ってしまう可能性が低くなるからな」
なるほど。それで、隠そうとしたわけですか。
「ねえ、ユリシア。あなた、少し前から、私が実の母じゃないかと疑っていたでしょ」
「ええ」
「どうして、そう思ったのかしら?」
この質問は、母の純粋な疑問だったのであろう。
「少し前から、鏡を見るたびに思っていたの。もしも、イリスが私のような銀色の髪をしていたのだあれば、とても良く似ているなと。それで、髪の色を変えるなんて比較的、簡単なことだから、もしかしたらイリスが本当の母親じゃないかと思ったのよ」
「なるほどね。私、髪の色さえ変えてしまえば大体の人に気づかれることはなかったから、髪の色だけ変えればいいと思っていたけれど、まだまだ、だったようね」
母は少し悔し気に言った。
「まあ、とりあえず私からの話は以上だ。
さてと、これからのことについて決めるとしようか」
お父様はそういって、また口を開いた。
※※※
その後の話し合いで、何個かのことが決まった。
まず、先程の話し合いは他言無用とのこと。
そして、次に私のこと。私はとりあえずは、今まで通りお父様とお養母様の子供ということになった。また、侍女である、リリアも私付きのままだ。
で、イリスも私付きのままでいるということになった。
そして、私は別邸の自分の部屋に行き、どっと疲れが襲ってきて、私は、ベッドに倒れこむようにして寝た。