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2 十歳

 皆さん、こんにちは。


 この度、私、異世界転生いたしました。


 いや、ホントのホント、気が付いたら知らないところにいたからとってもびっくりしました。

 私が転生したのはユリシア・ティオ・アクシスという名前の少女です。

 私が転生したユリシアという少女は、ザ・お嬢様というような名家の生まれで、貴族の中でも一番位の高い公爵家の長女です。


 私が転生して記憶を取り戻し、今世の記憶と混ざったのは五歳で、今はそれから五年がたち、私は十歳になりました。


 私は前世の記憶を取り戻してから、多くのことをしてきました。()()()勉強したり、()()()剣術をたしなんだり、()()()山賊を捕まえたり、他には、拾ってきた孤児の子供たちに教育を施して、私の従者にしたり、自分の商会を開いてみたり、暇だったので、領地運営のお手伝いをしたりといろいろなことをしてきました。


 そして、今私は慣れ親しんだ領地の屋敷を離れ、王都の別邸に来ています。

 一応、領にある方の屋敷が本邸で、王都にあるこの屋敷が別邸ということになっているのですが、家主が基本王都にいるので、どちらが本邸か別邸かわからなくなっています。


 で、私がいるのは、別邸の中のお父様の執務室です。


「お父様、私に大切なお話があるということでしたが、それは一体何のお話でしょうか」


 お父様の執務室には、私と私のお父様である、ジンバド・ティオ・アクシスとお母様である、ヒルリア・ウル・アクシス。それに私の侍女である、イリスとリリアがいます。

 あ、ちなみに、私には弟がいて、ロスタという名前です。お爺様やお婆様は父方、母方両方がすでに他界していていません。


「お前に関わる、大切な話だ。覚悟して聞きなさい」

「分かりましたわ」


 お父様の執務室の中に緊張が走ります。


「お前には今まで言ってこなかった重大な秘密がある」


 私は、その場の空気に耐え切れず。つばを飲み込んだ。


「まず、お前の母のことだ。お前の実ので、母親は、ヒルリアではない」


 私は、お父様に告げられた言葉に気持ちの整理がつかない……


 事もなく、ただただ、そのことを事実として受け入れていた。

 薄々気が付いていたのだ。五歳のころから。


 だって、お母様と似ているところを探す方が難しいのだ。私は、銀色の髪に真紅の瞳。対してお母様は金色の髪に黄色の瞳。

 これほど、似ていないとなれば、私はお母様の実子ではないと考える方が自然ですよね。


「その反応を見るに薄々気が付いていたようだな」

「はい、五歳のころから。少し気にはなっていました」

「そうだったか……」


 お父様は、少し頭を下げてから、また私の方を向いて、


「さらに、重要なのはここからだ。お前の、実の母のことだ。お前の実の母の名は……

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