11 お茶会
陛下との面会を終えた私は、お養母様のもとに向かった。
お養母様は、王妃様とお茶会をされています。
お母様に王妃様にも私を紹介したいから陛下との面会を終えたら、そちらに向かうように言われていました。
「お母様、おまたせしました」
お母様と王妃様のお茶会は、王城の中の落ち着いた空気が流れるお庭でされていました。
私をここまで案内してくれた侍女に聞いたのですが、王城には、お母様達がお茶会で使われているようなお庭が他にもたくさんあるそうです。
「そろそろ来る頃だと思っていたわ」
お母様は、私に微笑んでくださいます。
そして、お母様の向かいに座るこの女性。この方こそ、現王の正妻であり、お母様と共にタリア王国社交界の双華と謳われるフィリア・サン・タリア様。
この二人が一緒にいると考えるとすごいわね。
「その娘がユリシアなのね、ヒルリア」
「そうよ」
「ユリシア、挨拶なさい」
「王妃様、はじめまして、アクシス公爵家長女、ユリシア・ティオ・アクシスです。よろしくお願いします」
私は王妃様に挨拶した。
「あら、その年でとっても礼儀がなっているのね。すごいわ」
「ありがとうございます」
私は頭を下げた。
「とりあえず座ってちょうだい」
「ありがとうございます。失礼します」
私はお養母様の近くの椅子に座った。
「それにしても……ヒルリアから聴いてたいた通りね」
王妃様は、そういうと、私の頭から足先までをさっと見るようにして眺めた。
「まるで、『銀龍』の再来のよう」
「それは、言い過ぎです、王妃様。私なんてまだまだそのように呼ばれるには値しません」
「ふふふ、謙遜しているところも可愛いじゃない」
私は王妃様に可愛いと言われて、少し照れた。
「この子はこんな事言ってるけど、はっきり言ってこの子はすごいわよ。挙げればきりがないほどにね」
「へー、そうなのね、じっくり聴いてみたいわ」
「いいわよ、また今度教えてあげる」
私は、二人の会話の聞き役に回っていた。
「あら、ユリシアどうかしたの」
「あ、いえ、お養母様と王妃様って本当に仲がいいなと思ったもので」
「私とヒルリアは子供の頃からの付き合いなのよ」
「だから、私とフィリアは堅苦しい言葉とかも無しにしているのよ。そんなのしていたら肩が凝っちゃうしね」
なるほど、だからこそか。
お養母様も王妃様も生き生きとしている。
「というかユリシアあなたもあまり堅くならなくていいのよ。実母は違うとはいえあなたはヒルリアの娘には変わりないのだから」
「わかりました、王妃様」
私は微笑んで返した。