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きょうのごほうび

作者:
掲載日:2026/04/15

毎日響く喧嘩の音。

がしゃあああん!!

何枚お皿を割っても、物を壊してもまだまだ足りないと言わんばかりに、毎晩お父さんとお母さんの喧嘩が始まった。

大体は僕が理由だった。


僕は毎日習い事でいっぱいだ週二日は塾、ピアノとバイオリン、お習字、スイミング、習い事がないのは日曜日だけだ。


お父さんとお母さんは、僕の出来が悪いのはどっちのせいだとけんかをする、毎日だ。

僕はいたたまれなくて、部屋にこもって両耳を塞ぐ、それでも2人の大きな声は止まない。

お母さんは「普段雪くんはたくさん習い事をして、まだ三年生なのに偉いね」

と褒めてくれるのに、お父さんとけんかになると、僕の出来が悪いのはお父さんの遺伝子のせいだと、僕にはよく分からないことを言って怒鳴り散らしている。

僕はなんだか苦しくなって、涙がぽたぽた流れていくままにしていた。


ある日お母さんがものすごく大きな冷蔵庫を買っていた、地下室に業者さんに運び入れてもらっていた、お母さんは

「業務用冷蔵庫って言うのよ」

と自慢げに話してくれた、すごく嬉しそうなお母さんを見て、僕もなんだか嬉しくなった。


ある日お母さんがいつもがんばってるからね、と言って大きなハンバーグを作ってくれた。

お母さんはハンバーグを作る時、いつもお肉を入れるミートミンサーっていう機械でミンチから作ってくれるんだ。

その日のハンバーグは、いつも以上にとっても美味しかった。

でも食べてる時に白い塊が入っていて、がりっと音がした瞬間、歯が折れちゃったかと思ったんだ。

手に出してみると細くて白っぽくて硬い物だった。


最近お父さんとお母さんはけんかしなくなった、僕はとっても嬉しい。

でもお父さんのことを何日も見ていない。


お母さんのエプロンに赤い染みがついていた。


お母さんが後ろを向きながら、

「ごみにはごみ箱が必要よね」というのが微かに聞こえた。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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