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五十五話 最強錬金術師はもったいない!!

その後も見せられた、女性陣の妙な様子に困惑しつつも時は過ぎ、今は翌日の早朝。


俺は一人、屋敷の外を歩いていた。


アトリエにて行われるユーデリアの授業、その準備のためだ。とはいえ意外にも朝に強い彼女の事だ。どうせ数分後には現れ、俺の手伝いを始めるだろうがな。


だがしかし、それにしても最近は異変というか何というか、とにかく妙な出来事が多いように思える。


それは主に、女性陣の態度に関しての事柄ではあるが……まあ、それはともかくとして。


往々にしてそう言った異変とは重なるものだ。これ以上、何も起きなければ良いが……と、思っていたのだが。


悲しい事に、そうはならなかった。


「おや。やあユーデリア、おは……って、お、お前達は!?」




授業は中止、今は緊急会議としてヨルダ、ユーデリア、俺とが顔を合わせて食堂の椅子に座っている。


何故ならば、アトリエへと向かう俺を呼び止めたのが彼女達のうちどちらかではなく、何と。


アダレス、ミゲル、ミアリーの三人という、例のギルド『魔倒千まとうせん』のメンバー達であったからだ。


そして、そんな彼等の目的とは……俺とユーデリアへ向けて送られた、魔倒千への加入要請である。


…………参ったな。


いや、俺達はドラゴンの討伐依頼を成功させたのだ。こうなる事は予想済みではあったのだが。


まさかスカウトに来たのがあのギルドで、しかも俺までもとは流石に思いもしなかったのである。


まあでも、俺だけならば断っても何ら問題は無いだろう。恐らくユーデリアは喜んで加入するだろうし、一人フレッシュな新人がいればそれだけで良いと言うものだ、多分。


というか、まずヨルダが認めないだろうからな。うん、きっとそうだ。俺は何の心配もする必要はない。


ほら、彼女達もそうだと言う事が非常によく分かる表情を……してはいなかった。


「勿論そうさせてもらうわ!!先生も来るでしょ?」


などと言っている、ユーデリアはともかくとして。


何故だろう、ヨルダまでもが妹に賛成するかのような顔を。もっと言えば気不味そうな面で、『すまないがアルス、ここは首を縦に振ってくれ』とでも言いたげにしているのだ。


まさか、違うよな?……俺は声を掛けた。


「な、なあヨルダ。当然だとは思うが……俺は断っても良いよな?そうでないと教育係の仕事がおそろかになるだろうし」


だが、しかし。彼女は。


「そ、それなんだが……すまないアルス。お前にはユーデリアと共に、魔倒千へと加入してもらいたいのだ」


両手を合わせ、まるで生贄とするのを謝罪するかのようにしてそう言い。


俺が犠牲となるのを促すのだった……




その後、仕方なくも俺は結局、その提案を受け入れた。


だって、仕方ないだろう?


何せ例の噂、『ヨルダが事を収めるのにある条件を呑んだ』と、言うようなものを以前にも話したと思うが。


どうやらそれが事実であったらしく、彼女は魔倒千に対してエスピリカの件を水に流す代わりに。


『俺とユーデリアの加入』その条件を呑んだというのだからな。これは本人から直接聞いたので間違いない。


まあでも、むしろスッキリした。そうでもしなければ何故許されたのかが全く理解出来ないくらいだったからな。


……とは思うが、それとこれとは話が別だ。


何で俺まで加入しなければならないのだろう?良く言えば和平のための交流。悪く言えば人質。それは多ければ多い程良いとでもあそこのギルドの連中は考えているのだろうか?


まあでも、もし仮にその人質達に何かあったとすれば、ユーデリアだけでなくそこには俺がいた方が良いと考えるのは納得出来よう。我が事なのでギリギリではあるが。


……はぁ、まあ良い。もう決まってしまったのだ。


ここからは気持ちを切り替えて、また来るであろう魔倒千のメンバーのため。戦闘のため。そして冒険のため今から準備を始めておくとしようか。


あまりくよくよとばかりしていては時間が。


〝もったいない〟からな。




「……マスター、指示通りきちんとヨルダの所に行ってギルド加入の要請をして来たぜ」


「そうかい。ありがとうミゲル。フフフ、これで良い……これで我がギルドは、更なる高みに上がる事だろう……」


「…………なあマスター。


アンタが前に、俺があのダンジョンの中で朧げながらに聞いたってだけの『アイツが国崩しだと言った女の声』、アレを信じてくれてよ、それだけじゃなく動いてくれたってのは有難いんだが、でも本当にこれで良かったのか?


アンタだってこのままじゃ収まりがつかないだろうし。俺だって何するか分からないんだぜ?それなのにあの野郎をウチに引き入れるだなんてよぉ……」


「ミゲルよ、良くお聞き。


私は奴の弟子に二年もの時を浪費させられた恨みを晴らしたい。そして、お前は父上の仇を取りたいのだろう?なればあの男に復讐したい気持ちは私かて充分に分かるさ。


だからこそアイツを引き入れるのさ。あの男を利用するんだ。私にも分かるよ、お前の言う通りあの男は間違いなく『国崩し』だ。


でも証拠がない。だから私達でそれを見つけるのさ、あの男の実力を充分に利用して、この国一のギルドとなった後でね。


仲間に再度裏切られ、全てを失う。それこそが、あの男にとって一番の屈辱だろうからね……だからミゲル、時が来るまではお前も大人しくしているんだよ?」


「……勿論だマスター。俺だってちゃんと心得てるさ」


「そうかい、それなら良かった。さあミゲル、話は終わりだ。お前はあの二人を迎える準備を始めておくれ……」


「ああ……」




「…………待ってろ親父。


アンタに敗北を与えて、公爵から転落させた国崩しの野郎には。この俺ミゲル・マルキシオスが必ず天罰を下してやるからな……!!」

ここまでお付き合い頂き誠にありがとうございます( ´∀`)


今回、僕の実力不足で物語を想定よりも早く完結させる事となってしまい、皆様には申し訳ない気持ちで一杯です。


しかし、同時にそれでも読んで下さった方々がいる事に感謝の気持ちもまた一杯です、本当にありがとうございます!!


また別の自作も書き進めていく予定ですので、その時はまたお会いできたらとても嬉しいです( ´ ▽ ` )


それではまたお会いしましょう!最後ではないのでさよならは言いません!!

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