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四十九話 小型化なんてもったいない!!

「お、おいシャルカーニュ。お前何言って……」


「そうか、その手があったか!!うむ、それならいけるぞ!!流石だ国崩し!!全てはお前のお陰だ!!あれはまさに天啓だった!!」


何やら嫌な予感がしたが。もう、何もかも手遅れだった。


「少し待っていろ、今お望み通りにしてやる……!!」


すると、シャルカーニュはそう言って今度は全身に力を込るような動きを始める……まさか、本当に小型化して見せるとでも言うのだろうか。


しかし、そんな事をした所で……


「べ、別に俺が望んだ訳ではないんだが……じゃなくて!!お、おい待てシャルカーニュ!!


何をするつもりか分からんが、別に小さくなったからといって問題が全て失くなる訳ではないんだぞ!?お前ちゃんと俺の話を聞いてたのか……!?」


そこで問い掛けてはみたものの、既に後の祭りだ。


「知らん!!私は自分の出来得る限りの事をやる!!それ以外はお前がどうにかしろ、国崩しよ!!」


今現在もシャルカーニュの体は徐々に小さく、縮みつつあり、そして。


「……ふぅ。上手くいったな。まあ、〝この方〟が魔力が制限されるのだ。そのせいか思いの外容易だったが。


さて、どうだ国崩し!!これで背丈もお前と同じ程になった!!これならばお前も満足だろう!?さあ、私を連れて行け!!もう断りはさせんぞ!!」


最終的には俺と同等となった背丈。それと、人間に酷似した姿形。


そのような肉体をもって竜は再度、俺の前に立ちはだかるのだった。




「……それ、どういう理屈なんだ?」


「何という事はない!!私の元いた『対『国崩し』第一部隊』には潜入のためかこのような魔法を使う魔物達もいてな、この術はソイツ等に教わったという訳だ!!」


「なるほど、奇術ではなく単に魔法を使ったというだけなのだな……」


……とにかく、そのような経緯により。


無事(?)俺の目前には橙色の髪と、やや筋肉質な身体。そして俺と同等か、少々低いといった程の背丈を持った新たなる存在。


『人間サイズかつ、人間に似た姿形となったシャルカーニュ』が誕生したのである。


だがしかし。その額から突き出る二本の角。点在する鱗。そして元が竜である事を隠し切れぬ程大きな尾や牙……等々、ややお粗末な変化ではあったのだが。


まあでも、それくらいならば「コイツは亜人種だ!!竜じゃないから!!」などと言って誤魔化す事は出来るように思う。


思う、のだが。そういう事ではないのだ……さっきからもそう言っているのだがな。


「でも悪いがシャルカーニュ、だからと言ってお前を連れて行く訳には……」


「さあ!!それでは街に行くとしよう!!……って、おい国崩し!!街はどっちだ!?」


だと言うのに、だと言うのにだ。


シャルカーニュはただ姿を変えただけであるというにも関わらず、『最早、障害など何もありはしない!』といったような様子で俺を街へと急かす。


彼女もう、完全について来る気なのだ。


……そして、それを聞いた俺が下した決断とは。


「…………もう良い。もう分かった。


シャルカーニュ、お前には負けたよ。降参だ……さあこっちだ。ついて来ると良い」


白旗を上げ、まるでそれを引率者の持つ旗幕のようにして竜を連れて行くというものであった。


まあ簡単に言えば、俺は観念したのだ。そう、遂に諦めてしまったのだ。コイツをどうにかしてここに置いて行くという選択をな……


「おお、そっちか!!ではさっさと行くとしよう!!私は腹が減ったからな!!街に着いたらまずは腹ごしらえだ!!」


「ボソリ(はぁ、ヨルダに何て説明すれば良いんだろうか……?)」




そうしてマガル丘陵を、森を、木々を抜け。ただし金銭的な事情で馬車は使わずに全て徒歩で。俺達は何とかリゾルセンの街へと帰還を果たした……のだが。


「…………」


「…………」


やっとの事で到着したというのにシャルカーニュは一言も口を聞かず。俺もまた喋らず。


そう、俺達の間には沈黙という名の第三者が介在しているのだった。


理由としては二つ程あるのだが、どちらも負けず劣らずあまりにも下らないものだ。


まず一つ目は出発直後、つまりあの会話のすぐ後に起こった出来事である。


俺がある事に気が付き、シャルカーニュを呼び止めたのだ。


「……あ、おい待てシャルカーニュ」


「何だ国崩し?さっさと行かねば夜になってしまうぞ?」


「なっ、お前、誰のせいで出発にここまでの時間が掛かったと……まあ良い。それよりもだな。


お前のその甲冑。それでは困るだろう?竜の姿だった時のものだし、そのままだと大き過ぎて色々と見えそうだと言うか、何と言うか……良ければ俺が錬金術で仕立て直してやろうか?」


「な、ななな何だと!?お前今、色々と見えそうだと言ったか!?」


そう、コイツの甲冑。それが今の姿では大き過ぎるがために不便ではないと思い、俺はそのような提案をしたのだ。


だがしかし。それを聞いたシャルカーニュはというと。


「何もを言うかと思えばまた破廉恥な……!!国崩し!!お前にはやはりその身体に刻み付けておかねばらないようだな!!私に愛欲をぶつけるのが、何を意味するのかという事を……!!」


善意でそうしたというのに、この俺を変態呼ばわりしたばかりか、そう言って俺に拳を向けてきたのである。


「違う、そうじゃない。あと破廉恥なのはお前だ。とにかく、すぐに終わるから早くそれを渡してくれ。でないと街に行った時、俺まで巻き込まれてしまうだろう?」


「そんな事が出来るはず……って、巻き込まれる?何にだ!?」


「……街に露出狂が現れたという騒ぎにだ!!」


まあ、何やかんやとありつつも結局は俺が直してやったのだが……それはともかくとして。


つまりそこからも分かるように、俺達はかなりの序盤から互いに無言でいたという訳なのである。

いいね、感想等受け付けておりますので頂けたらとても嬉しいです、もし気に入ったら…で全然構いませんので(´ー`)


投稿頻度はなるべく早めで、投稿し次第活動報告もしています、よろしくお願い致します。

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