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神眼の鍛冶師は素材の魂(こえ)が聞こえる ~俺は素材をプロデュースする~  作者: サンキュー@よろしく


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第44話:ベアトリスの潜入調査(挿絵あり)

生成AIで画像を作ってみました。

この話数から自動で作っただけなので、本文や他の画像との矛盾はご容赦ください。

 第零工房が、『空中機動要塞プロデューサー号』の建造で活気に沸く中、白銀騎士団長ベアトリス・フォン・ルミナスは、密かに決意を固めていた。


(あの男、フィン・アッシュフォージ…。彼の真意を、この目で見極めなければならない。彼の目的が、本当に王国の守護にあるのか、それとも、世界を混沌に陥れることなのか…!)


 彼女は、魔人の本拠地たる工房、その中でも最もプライベートな空間である、フィンの私室への潜入調査を計画した。


「セバスチャン。今宵、工房長の私室の警備を、少しだけ手薄にしてもらうことは可能かしら?」


 彼女が頼ったのは、工房の全てを知る男、執事長のセバスチャンだった。


「ほう。ベアトリス様が、工房長のプライベートにご興味を? よろしいでしょう。今宵は、私が閣下の『夜のお相手』を務めますので、書斎の方は、しばらく無人となりましょう」


「よ、夜のお相手ですって!?」


 ベアトリスは、顔を真っ赤にして狼狽した。


(な、なんてこと! あの魔人、ついにセバスチャンにまで、その魔の手を…! いや、違う! これは好機! 彼らが破廉恥な行為に及んでいる隙に、潜入を!)


 その夜。ベアトリスは、黒装束に身を包み、音もなく工房長の私室へと忍び込んだ。ちなみに、セバスチャンが言った『夜のお相手』とは、フィンが夜更かしして設計図を描く際に、夜食と紅茶を差し入れつつ、彼の突飛なアイデアに関するディスカッションに付き合う、という、極めて健全なものである。


「ここが、魔人の寝所…」


 ベアトリスは、固唾を飲んで室内を見回した。意外にも、部屋は整然としており、祭壇や血の痕跡のような、邪悪な儀式の跡は見当たらない。


 本棚には、彼女が全く理解できないタイトルの専門書がずらりと並んでいた。

『失敗しない焼き入れのための熱力学入門』

『魂に響く槌音の音響物理学』

『官能的な曲線美を持つ剣のデザインパターン100選』


「官能的…!?」


 ベアトリスは、最後のタイトルに、思わず顔をしかめた。


(やはり、この男の思考の根底には、歪んだ欲望が渦巻いている…!)


 彼女の視線が、部屋の隅にある、鍵のかかった大きな戸棚に向けられた。


(怪しい…。この中に、彼の秘密が…)


 騎士団で叩き込まれた解錠術を使い、彼女は音もなく戸棚の扉を開けた。


 そして、彼女は息を呑んだ。

 中には、柔らかいビロードの布に、一体一体、丁寧に包まれた、十数体の精巧な金属人形が収められていたのだ。


 それは、フィンが前世の知識と、鍛冶師としての技術の粋を集めて作り上げた、趣味の作品――前世でのアニメやゲームの女性キャラクターのメタルフィギュアだった。一部のパーツには、希少なミスリルやオリハルコンまで使用し、その瞳には、魂の輝きを模した極小の宝石が埋め込まれている。一体一体に、フィンの有り余る情熱と、微弱な魂の残滓が宿っていた。


「こ、これは…!」


 ベアトリスは、その一体を、震える手で手に取った。それは、猫の耳と尻尾を持つ、愛らしい少女の姿をしていた。


(なんて精巧な作り…。まるで、生きているかのようだわ…)


 彼女は、フィギュアの出来栄えに一瞬見惚れたが、すぐに我に返った。


(いけない! この美しさに、惑わされては! これは、間違いなく、呪いの人形(ブードゥー・ドール)! しかも、ただの人形ではない! 一体一体に、微弱ながらも、確かに魂の欠片が封じ込められている!)


 彼女は、フィギュアの足の裏に、小さな文字が刻まれているのを見つけた。


「…『限定版』…『シリアルナンバー入り』…?」


 聞き慣れない単語。しかし、彼女の脳内では、それが最悪の呪文へと変換された。


(限定版…! 特定の個人にのみ、絶大な効果を発揮する、指向性の呪い! シリアルナンバー…! 呪いを管理し、遠隔操作するための、個体識別番号か!)


 彼女は、他のフィギュアも確認した。豊満な胸を持つ女戦士、眼鏡をかけた知的な魔法使い、翼を持つ天使のような少女…。


(まさか…! この人形たちは、王国の要人や、有力な女性騎士たちを模しているのでは!? この人形を使い、彼女たちを意のままに操り、あるいは、遠隔から呪殺するつもりなのね!)


 このフィギュアのモデルが、全てフィンの前世の二次元嫁たちであり、フィンがただ純粋な愛と技術で作り上げただけのコレクションであるとは、彼女は知る由もない。フィギュアの造形には、シリコン型に溶かした金属を流し込む『ロストワックス鋳造法』を応用している。表面の滑らかさを出すための研磨作業や、金属の酸化による発色を利用したカラーリングなど、フィンの持つ技術の集大成なのだ。


 ベアトリスは、そっとフィギュアを元の場所に戻すと、静かに部屋を後にした。

 彼女の心は、新たな恐怖と、そして奇妙な敗北感で満たされていた。


(フィン・アッシュフォージ…。彼の計画は、私の想像を遥かに超えて、用意周到で、そして邪悪だわ…。こんなものを作っていたなんて…!)


 翌日、彼女が国王に提出した極秘報告書『魔人フィンの脅威度に関する追跡調査報告書・第7版』には、こう記されていた。


「――対象は、呪詛の媒体となる精巧な人形を多数製造。それぞれに魂の欠片を封じ込め、遠隔操作による国家転覆を画策している可能性、極めて高し。危険度評価を、更に引き上げることを具申する――」


挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
〉騎士団で叩き込まれた解錠術 待てい。ピッキング教える騎士団て、何部門だ。公安なのか。防諜を担う特殊部隊なのか。 ポンコツツッコミ役かと思いきや、実はガチの暗部の者だった…?? 公爵の娘だったよな。…
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