表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神眼の鍛冶師は素材の魂(こえ)が聞こえる ~俺は素材をプロデュースする~  作者: サンキュー@よろしく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/67

第19話:王都の洗礼と新たな舞台

王都リューネリア。

そこは、俺が育った村とは何もかもが違う、活気と喧騒に満ちた場所だった。


「すげえ…! 見ろよハンナ! あの時計塔! てっぺんの装飾、複雑な歯車が絡み合った、バロック様式とスチームパンクの融合みたいな最高のデザインだぜ!」


「ばろっく…? すちーむぱんく…? フィン君、また難しい言葉を使ってるわね。でも、なんだかすごい飾り付けなのは分かる! あっちのお店には、見たこともない綺麗な布がいっぱいあるわ!」


初めての大都会に、俺とハンナは完全に浮かされていた。だが、そんな俺たちの背後には、絶対零度の視線を放つ白銀の騎士団長、ベアトリス・フォン・ルミナス嬢が控えている。彼女は、父であるルミナス公爵から俺たちの案内役を命じられていたが、その真の目的は、俺の監視に他ならない。


「フィン・アッシュフォージ。貴様、あまりキョロキョロするな。その邪悪な瞳で、無垢な市民の中から次の獲物でも品定めしているのか?」


「はあ? 俺はただ、この素晴らしい街の建築美に感動してるだけですよ。見てくださいよ、あの水道橋! 古代ローマの技術も真っ青の見事なアーチ構造だ!」


俺が前世の知識を交えて熱弁すると、ベアトリスの眉がピクリと動いた。


(まただ…! この男、建造物すらも分解するかのような目で分析している…! やはり、この男にとっては、人間も建物も、全てが等しく『素材』としか認識できぬ魔人!)


彼女の心中の俺の評価は、今日もブレることがない。


「そうだ、ベアトリス団長!」


俺は名案を思いつき、彼女に向き直った。


「せっかく王都に来たんです。鍛冶師ギルドとやらに、挨拶に行ってもよろしいでしょうか? プロデューサーとして、業界の最新トレンドの把握と、有力者とのパイプ作りは基本中の基本ですからね!」


俺の提案に、ベアトリスの氷の瞳が、ギラリと狡猾な光を放った。


「…ほう、鍛冶師ギルド、か。ちょうどいい。私も、貴様をそこへ連れて行こうと思っていたところだ」


(来たか…! 自ら化けの皮を剥がされに来るとはな! 鍛冶師ギルドには、古より伝わる『真贋の金床』がある。そこに置けば、邪な力が込められた武具は、その呪いを暴かれるという。待っていろ、今日こそ貴様の罪を白日の下に晒してくれる!)


彼女の目論見など知る由もない俺は、公式の舞台を用意してくれるという彼女の「親切」に、素直に感謝した。


「おお! 俺のプロデュース能力を、公式に披露する舞台をセッティングしてくれると! それはありがたい! 最高のパフォーマンスをお見せしますよ!」


全く噛み合っていない会話の末、俺たちの目的は奇跡的に一致した。こうして俺たちは、王都の職人たちが集う一大拠点、鍛冶師ギルドへと向かうことになったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ