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gift  作者: 荒馬宗海
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プリンス 1

 件の某政界のプリンスと某フリーアナウンサーがモデルのご夫妻登場。


(本来芸能界って、たとえ才能に恵まれていたとしても、売れるか売れないか、博打要素たっぷりなわけじゃん。それなのにTVの露出とか、社会的な身分とか、水準以上の固定給だとか、最初から各種完備。いろいろと最初から保証されているのが前提のアイドルって……)

 ただし、やはり女子アナと世襲政治家とでは根本的なところで久志の抱くイメージは異なる。それも大きく。前者には、コンテストの類で揉まれ鍛えられ、超高倍率を勝ち抜いてきた俗にいうあざとさに逞しさすら感じるし、女性アナウンサーという職業に就くために人目につくところに出て、ミスコンに出場し、メイクの技術を高め、美への追求を日々怠らず、テレビ各局のアナウンススクールにも通うという、久志には到底真似出来ない研鑽を積んでいる人がいることも知っている。だが、後者には、代々の由緒ある血統の名家であり、富豪あることに起因しているのか、当然とばかりの上級国民意識にふんぞり返っている有様を隠しきれていない――それとも、隠そうともしていないのか――驕り、ひいては醜さすら覚えるし、地盤とか看板とか鞄とかいったものを引き継ぐことでいよいよ明らかになるのは、無知蒙昧な無能者であることくらいである。それ故に、前者にはどちらにせよ心の底では感心させられる他はないが、後者には尊敬させられるところなど一つもない。

(それでも「優しくて清らかな心」と「清楚系ビッチやパリピのコミュ力」だったら、ミスコンや女子アナに必要とされるのは、断然後者なんだよな。出来れば前者であって欲しいんだけど。そんなふうに感じるのは、俺が非リア充だからか? まあ、女子アナもさすがに全部が全部そうだとはいわないけど。何をとち狂ったんだか、もの好きにも浮気性の売れない芸人と結婚するのもいたりするし)

 いいたいことをいうだけいってスッキリしたのだろう。

「それじゃ、お兄さん。さようなら。またどこかで会いましょうね」

 そういって、紫頭のおばさんは手を振って久志の横から去っていった。

(もう二度と会うことはないだろうな)

「そういえば、“プリンス”会見やってたな。同伴で。しかも官邸で」

 如何にも即席の囲み取材という感じなのに、“プリンス”の嫁だけがメイクもファッションもばっちりだったのが極めて異質だったし印象的だった。彼女は始終旦那に熱い視線を注ぎ続け、ずっと腕を絡めてべったりだった。まだお腹は大きくなっていなかったが、ありがちというかなんというか、やはり流行のできちゃった婚であった。

 プリンスの嫁は“女子アナ界最後の大物”とも呼ばれる元民放某局のハーフのエース女子アナであった。彼女は、バブル期には視聴率四冠当たり前の無双状態にあったこの民放某局――同時代にいち早く女子アナのアイドル化を図ったのもこのテレビ局であった――の、当時の女子アナ志望者皆の第一志望だった頃に、その狭き門を突破し頂点に立った女性であり、独立しフリーとなった後、現在は古巣の夜遅めのニュース番組にてメインキャスターを務めている。短いタイトなスカートを穿き、時々足を組み替えるさまを見ていて、「もしかして視聴者にサービスをしてくれているんだろうか?」などと思った時には、密かに――軽くだが――自己嫌悪に陥ったものである。番組自体が深い時間帯の番組であり、御本人がーーそこは流石(元)エース女子アナというべきかーー妙に艶っぽいせいで、ニュース番組のアンカーというよりは、セットが薄暗い事もあって、ギンザのホステスという感じにしか見えないせいだろうか。独身時代、ミナト区女子の先駆けであり代名詞であった頃には、まさか、未来の旦那がレジ袋を有料化(後にそんなものは環境保護の役に立たず、寧ろ、無料で配布していた、した方が環境保護の為になるという研究結果が発表されたにも関わらず、有料のまま無料に戻る気配はない。増税はあれだけ迅速に可決されるというのに)してーー前任者が決めた事で決定したのは自分ではないと言っているのだがーー“ポリエステル”等というダサい二つ名(此れには自慢の旦那様が環境大臣退任後、其の時の伝が活きたのであろうが、如何にもエコだが、実際は環境破壊と景観破壊を促進し、自分達夫婦の懐が露骨に迄に暖まる太陽光発電に関わる団体の代表に収まったという事も関係している。ちなみに、党ではなく、国と国民の生活をぶち壊したプリンスの父親は、政界引退後、太陽光発電事業を手掛けている某企業の広告塔に収まっており、プリンスの兄である某芸能人は其のCMに起用されている)を冠する事になろうとは夢にも思わなかったであろう。

 プリンスの言葉によると、「その日、幹事長に結婚の報告をしたら、そのまま首相官邸に行って、すぐに記者会見を開くことになった」とのことである。

 元環境大臣の夫と現太陽発電事業財団をやっているフリーアナウンサーの妻。何か繋がりがあるのでしょうかね?


 太陽発電といえば、なんだかエコっぽいですが、実は…。Cにおける人権侵害、ウ○グルに対する強制労働に関わってもいる。


 余程儲かるのでしょう。某国際政治学者夫妻(今は離婚しましたが)羽振りがよかったみたいですし。妻はその立場を利用し事あるごとに太陽光発電を推奨し、夫の会社はガッポリと。まあ、十億円程の詐欺容疑で告訴されたけれども。ウ◯グルの事を知らなかったとしたら、国際政治学者として無知無能だし、知っていたとしたら人間としてクズですね。ただでさえ、高慢で下品極まる俗物なのに。


 本当、自分達の懐が暖まれば、景観破壊も環境破壊も其れに伴う増税と電気料金値上げとかお構い無し何なのでしょうね。自分達が儲かれば国民の生活などどうでもいいと。


 何ともはやステキなセレブ夫妻だことで。

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