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gift  作者: 荒馬宗海
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SK 7

 彼の国民の中には海外旅行先で法に抵触し現地の警察に捕まった際ニッポン人の振りをする例が散見されるのだが、大抵はその身を確保された後の取り調べでニッポン語など話せもせず書けもしないことから速やかにその正体が判明する他はない。斯様な行動は自国の民度を疑わせ国際的な評判を悪くするだけだという事が解らないのだろうか? これもまた教育の成果であろうか?

 彼の国は平和の祭典であるオリンピックにおいても品性やモラルが疑われるような行動を取っている。発祥の地である古代ギリシアに於いては、それがたとえ戦争中であっても、この催しの為に停戦するのが習わしであり、近代オリンピックにもその理念(知らぬ者などまずおるまい。常識であろう)は引き継がれているのだが、彼の国は何の躊躇もなく、其処に平然と政治を持ち込んだ。寧ろ「平和の祭典」を敢えてニッポンをバッシングする舞台に選んだのである。選手宿舎のベランダからあからさまにニッポンを攻撃する横断幕を掲げた。この信じ難い行為は世界中の注目の集めることとなり、「この国には常識というものは通用しないのか?」「何という愚かな!」「何という馬鹿げたことを!」「一体自分たちが何をしているのか解っているのか?」と世界中から非難を受けることとなった。彼の国の行動はそれだけに留まらない。次の日には別の横断幕を掲げ再びニッポンを攻撃したというのだから世界中から非難を通り越し呆れ果てられても仕方があるまい。

 彼の国家の現職の大統領の就任した時の演説のタイトルは「一度も経験したことのない国を作る」であった。確かに彼は有言実行の人である。但し彼の国の人々が大統領選挙時に彼の人物に期待した「一度も経験したことのない国」が現状なのかどうか。嘗てない程に政府債務は急激に且つ劇的に増加させたことであろうが】と共に、東アジアにおける楔として機能することであり、それ以上でも以下でもない。ただ、昨今の世界情勢の下、この地域の軍事力増強の必要性は火を見るより明らかであり、ニッポンの軍備が拡充されること自体は望ましいことではある。

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