表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
gift  作者: 荒馬宗海
18/107

3-4

2025年2月4日現在のSKのモデルとなっている国に於ける最大野党、此の物語に於けるSKの与党のモデルとなっている政党が、此の物語に於けるUSの大統領のモデルである処の現USのモデルになっている国の大統領をノーベル平和賞の応募に推薦したそうです。

…嘗てのニッポンの首相よろしく……。


 二限目終了のチャイムが鳴った。

「それにしても、何で一昨日のことは昨日のニュースにはならなかったんだろう?」

「緘口令が敷かれていたらしいぜ。US(国)のご指示で。こっちのあのお偉いさん、ご丁寧にも、あっちのあのお偉いさんにわざわざお伺いを立てたらしい。いっつもみたく」

 連蔵の言い回しの節々からは、「自分に都合の悪い報道は全て『フェイクニュースだ』といいはるあの大統領と、自分に都合の悪い事実が持ち出される度に『印象操作だ』と目くじらを立てるあの内閣総理大臣。どっちもどっちだな。似たもの同士のゴルフ友達ときたもんだ。さぞかし馬が合うんだろうよ」という言葉までが聞こえてきそうだった。余談だが、先日、USの大統領とNK(国)の書記長による歴史的会談が行われたのだが、この両人にとってもっとも重要だったのは国内向けに自分の存在をアピールすることであり中身など二の次である。ただの政治ショーでしかなかったわけだが、この歴史的会談を受け、ニッポン国の現内閣総理大臣は件のお友達をノーベル平和賞の候補に推薦したのだという。昨今のUS国内は元より世界中に蔓延している分断と差別、そして対立を激化させた自国第一主義の第一人者とでもいうべき人物こそが、かの現US大統領【とある某元側近には「小学五、六年生並みの知能しかない」と評され、とある別の某元側近中の側近の暴露本では「知識不足ではなく驚くべき無知」とさえ評されている。元ホワイトハウス秘書室長によると、ヒトラーに対する賛辞を惜しまず、R(国)の独裁者(現大統領)を一貫して称賛し、NK(国)の独裁者(現国務委員長)を「まあまあの人間(OK guy)」と評し、C(国)の独裁者(現国家首席)を「立派だ(brilliant)」と評していたという。Cの独裁者に関しては、後のタウンホールでの行事において、「スマートで立派で全てが完璧だ」と絶賛している。また、同秘書室長は『彼はこれらの狂人をタフガイという面で自身と同じ人間だと思っている』とも批判している。元大統領補佐官は『彼は自分のことを大物だと考えており、自分のような大物を誰も刑務所に入れることは出来ないし、誰の赦しを乞う必要もなくと考えている』と語っている。多くの訴訟沙汰を抱え、人間性を疑われても仕方がないエピソードやスキャンダルには枚挙に遑がない人間――それが彼の人物である】その人に他ならないにも拘わらず。

「それで昨日の朝はマスコミもあんなに普通だったんだ」

「だけど、昨日あんな大事件が起こっちまった。あのくらい広範囲にわたる大事件ともなると報道規制ってわけにはいかなかったのかもな。いくらあの国の影響力が絶大でも。昨日の場合はそうしようとしたのかどうかは知らんけど。何はともあれ、あれが世界中に知れわたった日には、一昨日の事件なんて屁みたいなもんだ。実際、あれのおかげで緘口令はたった一日で解除されたわけだし、一昨日の事件は昨日の事件の添え物みたいにひっそりと紙面の片隅を飾るに留まったわけだし。月曜にニッポンの片隅で起こった事件と、火曜に全世界規模で起こった大事件とでは、レベルが違い過ぎるからな。こっちは全く無傷なのに、あっちは相当な被害が出ているみたいだし」

久志は言葉を失った。

ちょっと考えればそうなのだ。

変身前にちらっと眼にした映像だけでも既に甚大な被害が出ていたのは明らかだった。それと同じようなことが同時に世界中で起こったのだ。その数倍、いやその数十倍、もしかしたらその数百倍の死傷者が出ていたとしても、不思議なことではないではないか。

(もっと何とか出来たんじゃないのか? もっと何とか出来なきゃいけなかったんじゃないのか?)

 連蔵の言葉を聞きながら、久志は自問自答していた。

(そうなんだ。あれだけのことが出来るんだから、きっともっと出来なきゃ……)

「そう深刻そうな顔するなよ。お前が行かなかったら、もっと被害は広がっていたさ」

「…そうかな」

 少しだが心が楽になるのを覚えた。

(そうだよな。そう思っていいんだよな。だって、俺は殺しちゃいない。誰一人殺しちゃいないんだから。むしろ守ったはずなんだから)


ただ、あの党はニッポンの某首相と違って、是迄露骨に親NK、いや媚NKの姿勢を取っていました。その前党首であるところの此の物語に出てくるSKの大統領のモデルとなった人といい、犯罪絡みの話題には事欠かない現党首といい。

全く、どういう感覚をしているのか……。

SKのモデルになっている国の内でさえ批判の声は多いそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ