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gift  作者: 荒馬宗海
106/107

12-2

間もなく全てが終わります。


(時間。敵の狙いは俺の自滅。俺を防戦一方にして持久戦に持ち込むこと)

 持久戦とはいってもそれは“光の主”にとっての時間である。それは“光の主”にとっては、刹那にも遥かに満たない。

(俺が敵の攻撃に屈して外部から破壊させられるというよりも、俺自身がより強い“光”であり続けることによって、内部から自壊するのを待っているのか。確かに、発揮している“光”がより強大で、より消耗を強いられているのは俺の方だ。ベースになっている肉体も奴らに比べれば貧弱もいいところだ。このまま“光”を行使し続ければ、確実に俺は奴よりも先に内部から崩壊するだろう。だけどな……)

「その前に消してやる! 

まとめて全部ぶち殺してやる! 

それまで死ぬか! 

死んでたまるか!」

 久志はその身に纏う白い光を更に眩しく輝かせ、そのスピードとパワーを格段にレベルアップさせていった。

やがて堕天使の力は天使長の技を凌駕した。

久志の左の拳がナデイズの両腕のガードを吹き飛ばし、ノーガードになったところに右の拳が振りぬかれた。十分過ぎる手応えとともに、天使長は粉々に砕け散り、跡形もなく消滅した。

ここに一つの決闘が終わった。

しかしそれは同時に真の決戦の狼煙でもあった。

天使長の死とともに後方に待機していた宇宙船は様々な色彩の閃光を放ち、跡形もなく消し飛んだ。

十の光。

十人の天使の降臨。

十の強大な力は急速に膨張しながら一つの意志の下に収束していった。そしてそれは、更なる強大なものへと変貌していった。やがて極限に達したそれは、虹の如き輝きを放ち、堕天使に向かってきた。眼の前の一つの死は、間違いなく、大いなる力の呼び水となった。

久志はそれをピリピリと肌で感じていた。押し潰されそうな圧迫感に打ちのめされそうになりながら、それでも絶叫し、久志は未曽有の力に立ち向かう。

「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

強烈な光を放ち、その輝きは眩しさを増してゆく。

ただ猛烈に加速し、突っ込んでゆく。

その身の全てを振り絞り、その命を燃やし尽くさんばかりに。

天翔けるオーロラと疾走する(はしる)白。

二つの“光”は真っ向から激突した。

そして、


消滅。



ファイルバトル終結。


次回が最終回となります。

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