腹黒王子の詰問
それはフロルド達と出会ってから三日たったある日の午後だった。
職人との打ち合わせを終わらせ、午後は優雅なティータイム。それは、腹黒王子の来襲で幕を閉じた。
「ヒジリ様? 最近派手にやりすぎではないですかねぇ?」
グナーデ王子の笑顔はひきつっていた。
どうやらまたなにか私はやったらしい。正直心当たりがありすぎて、何かわからない。
「はて? なにかしましたでしょうか?」
とりあえず惚けてみる。
「一から全部説明しましょうか?」
どうやら失敗したようだ。
「まず、森の爆発が頻発していることです。 流石に父王や貴族もあなたの存在に気付き始めました。聖女として祭り上げられるか、魔女として火あぶりにされるか選んでください」
「はぁ? それは極端すぎない?」
「それだけ派手に動いた自分の行動を恨んでください。 あと、フロルドの事ですが、あまり年増がはしゃぐのはやめてください」
「え? なんでフロルド様のことを王子が知ってるんです? てか年増って」
「フロルドは私の弟です。 サラより金髪の少女に助けられたと聞いて、見当が付きましたよ。 あと最近私から渡した対策資金をつぎ込んで美容品を買い漁っているようですが、年増なのは変わらないですからね」
うわ……いろいろバレてる。パトロンはお怒りのようだ。
「そんな年増年増いわなくてもいいじゃない! 若い子を愛でて何が悪いというのか!」
「開き直るのはやめてください。とりあえず、貴族共の根回しが終わるまでは大人しくしていただきたい。あとフロルドの眼については、あなたに預けますが《《くれぐれ》》も、傷物にするのはやめてください」
「なんか私の事危ない痴女だと思ってません? そういえば眼のこともご存じなんですね?」
「眼に執心していたとサラから報告がありましたから、状況的に地脈を見る力があの子にあると解りましたからね。 あと痴女とは思ってませんよ。感情が昂ると衝動的に行動するとは思ってますが」
「なお悪くないですそれ?」
「あぁそういえば、やっと聖女の都合が付きました。明日からこの屋敷に来るのでフロルドと一緒に面倒を見てください」
「それはいいけど話を無視するのやめてもらいます?」
「ははははは」
乾いた笑いでグナーデ王子は返してくる。
むかつく。その後早々に王子は立ち去った。本当に忙しいらしい。
明日からどうやら忙しくなる。明日は早速二人を連れて工房行こうと私は考えた。