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会食、そのあとで

「グナーデ王子! 私は、この世界で地鎮事業を立ち上げたいと思います! あの穢れ沼は、おそらく龍脈の不活性化が原因です。 私の世界でもああいったことはよくありました。 その対処を行っていたのが私なのです! であれば対処方法をこの世界に伝播することで聖女様のお手を煩わせることも少なくなります! なので私は一般人として、王子の下でその作業を指揮する監督としての地位を与えていただきたいのです!」


私は一気にまくしたてる。言葉の最後に、(だから聖女などと祭り上げてくれるなよ?)という副音声をつけてだ。


くく、とグナーデ王子から笑いが漏れる。


「はは、囲い込もうと必死なあまり、気取られてしまったか! 私もまだまだ甘い。  わかりました聖女様。 いや、監督殿。 貴方に技術者としての地位と組織を用意しましょう。 もう少し詳しくお伺いしたいのですが。あの沼は、どうやって消したのです? グレイたちの話では要領を得ないのです」


「やはり、なにかに私を利用するつもりでしたね? まぁいいです。 為政者の悩みなんて私は関わりたくはないので! 沼は単純に魔力砲で吹き飛ばしました。土ごと掘り返したので、魔力のつまりが解消されて穢れも霧散していきましたよ」


「それはすさまじいな……。 おそらく宮廷魔術師が100人がかりでもそんなことはできまい……」


「? これだけ大気の魔力が濃ければ、それこそ自由に魔法が使えそうなものですが……?」


「魔術は技術としては使えるのですが、人が扱える魔力には個人差があります。 どんな才能がある者でも、あの深い闇を振り払うほどの魔力はありません。 ですから聖女がいままで永い時を掛けて浄化していたのです」


どうやら、この世界の魔術は私からしてみれば夢のような魔法なのだが、根本的に魔法少女はこの世界の理屈に即してはいなさそうだ。

私が元の世界に帰るには、そのあたりを解明しないと先に進まない気がする。

急いで戻らないと、仕事クビになっちゃうし……。


いや……、戻っても面倒な……。

あー仕事戻りたくないなー!


思考が横道にそれてしまった。


「そもそも、浄化というのがよくわかりません。 あれは単純な地脈、龍脈の乱れですよね? あんな森にあれほどの負の感情がたまるとも思いませんし」


「負の感情? ヒジリ様は本当にあれについてお詳しいご様子。 なにかご存じなのですか?」


「あぁ、こちらでは発生原因すらよくご存じないということでね? あれは、龍脈の凝りです。 そこに人の負の感情が紛れ込んで悪さをしています。 私の世界では。 だから、結構人が多いとこにああいいうのが生れやすいんですが……。 なぜこの世界は森にできるのでしょう?」


少しの沈黙のあと、何かを思いついたように、王子は話始める。

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