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第82話 川の中

更新遅くなるかもしれません。

 

 俺はショウガの頭くらいの高さくらいまで浮く。ワッケラカエンを地上に連れて行く。だが、ショウガとマユミに被害は出せない。なら、行くところは一つ。川の上だ。


「リューガさん...体力は有り余っていますか?」

 ワッケラカエンは煽るように、俺の近くに降りてくる。

「はぁ...はぁ...さぁな?」

 俺はワッケラカエンに近づく。そして、『破壊』を使う。

「うっ...」

『破壊』は使えた。よかった。『破壊』は使えた。使えないのは『生物変化』だけだろう。

 ワッケラカエンの手の骨を破壊する。

「あぁぁぁぁぁぁ!痛い痛い痛い痛い!」

 ワッケラカエンは自分の手をもう片方の手で抑えている。強いのは攻撃だけだ。防御は弱そうだ。

「このまま...いけぇぇ!」


 俺はワッケラカエンの上からワッケラカエンを下に落とす。


 ”ボチャァァン”


 ワッケラカエンは水の中に落ちていった。俺もワッケラカエンと共に水の中に落ちる。


「んぁ...」


 速い。川の流れが速い。川の真ん中はこんなにも流れが速いのか。俺は流される。逃げねば。逃げなければ。


「リューガを...助けなければ...」

 ショウガはいつもの黒ビキニの格好で水の中に飛び込む。そして、下流の方へ泳いでいく。

 マユミは河川敷をブーストを使って走る。


 一方、ワッケラカエンは───



 リューガよりも下流に流されていた。


「川の流れには...逆らうのはいいとは言えません...自然には、誰も勝てないんですよ...」


 ワッケラカエンの元に、リューガは流れてくる。リューガは首根っこを掴まれる。


 ***


 まずい。どこかで、抜け出さねば。空気を吸わないといけない。どこで。どこでだ。


 ”ガシッ”


 俺の首は誰かに掴まれる。そして、水中から抜け出した。俺は、ワッケラカエンの手の中にいた。


「───」


 首が掴まれているので、声が出ない。叫びたくても、声が出ない。


「リューガさん...挨拶をしていませんでしたね...こんにちは!」

 ワッケラカエンの顔には恐ろしい狂気の感じられる笑顔が浮かび上がっていた。

「それでは...さよなら!」


「ファイヤー!」

 マユミの声がする。だが、炎の魔法は出てこない。魔法も使えないのか。何故だ。


 ”ミチミチ”


 俺の体から骨が軋む音がする。ワッケラカエンに潰されていて、骨が悲鳴をあげている。

 このままでは、死ぬ。


「リューガァァァ!」


 声がした瞬間、ワッケラカエンはよろける。


 ”バッシャーン”


 俺は開放される。そして、また誰かに捕まる。この柔らかさは───



 ショウガだ。





「ショウガ!」


 俺はそう叫んだ瞬間、水中に引きずられる。俺を掴んでいたのは───





 ワッケラカエンであった。




「んがっ!」

「リューガァァ!」

 見えなかった。全く見えなかった。俺を掴んでいたのはワッケラカエンであった。このままでは、俺は溺死してしまう。生物変化さえ、使えれば。


べぶぶぶべぶぶ(生物変化)!」


 水の中から、不自然な木が生える。生物変化は、成功した。

「オヒルギが...生えたぜ!」

 そう言った瞬間、生物変化で生えたオヒルギは消える。俺はワッケラカエンの手の中から抜け出せない。

 このままでは、また水の中に沈む。


「抜け出せない...か!」

 俺は羽ばたく。すると、ワッケラカエンの手が少し開いたので、そこから抜け出す。

「逃してしまったか...」


 ”ボッチャァン”


 ワッケラカエンはまた水の中に入る。俺は川の上で浮いて、下流の方を眺める。ワッケラカエンは陸に上がってこない。

「リカを...助けないと...」


 ”ドォォン”


「なっ...」

 俺はワッケラカエンに下流の方へ、蹴り飛ばされる。ワッケラカエンは俺が浮いている場所よりも上流に泳いで移動していた。水が戦いの結果濁っていて見えなかった。このままでは...また流されてしまう。


「リューガ!流されるなぁぁ!」

 俺は川の中に落ちる。そして、流される。流される。流される。水面に上がれずに息ができない。苦しい。苦しい。苦しい。




 ───本当に、このままでは、鶏ライフを謳歌できなくなってしまう。



 そんなのは嫌だ。まだ、ショウガと、リカと、ユウヤと、マユミと、トモキと、カゲユキと、一緒にいたい。まだまだ一緒に冒険して、地球にみんなで帰りたい。こんなところで負けるのは嫌だ。嫌だ。嫌だ。



 ”ガシッ”


 俺は誰かに掴まれる。ワッケラカエンかもしれない。


 ”バシャァァ”


「リューガ!大丈夫か?リューガ!」

 俺はショウガの手の中にいた。ショウガは、泳いで俺のことを捕まえてくれた。ありがとう。ショウガ。


「ショウガ!早く陸に!」

「あぁ!わかってる!」


 ”ガシッ”


「え...」


 ”バッシャーン”


 俺はショウガが水の中に引きずり込まれる音と共に、空中に投げ出される。ショウガが、水の中に沈んだ。


 このままでは、ショウガが溺死してしまう。俺は、『憑依』で助かる可能性がある。そんなのは嫌だ。ショウガは死んでほしくない。一緒に、冒険を続けたい。一緒に地球に行く約束をした最初の仲間だ。ショウガを助ける。


 ───俺は、川の中に潜っていった。



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