第798話 ありがとう『六曜』
『妖精物語』が撤退した後の会議で、『六曜』の全員が23の世界へ帰ることが決定した。
フサインは、帰るのを寂しそうにしていたものの、ガープの励ましがあり23の世界へ帰ることを決定した。
「それじゃ、6人分の戻り石だ」
「いいんですか?こんな大盤振る舞い」
「あぁ。別に最初から人数分より多く用意していたしな。まだまだ数はあるから問題ない」
「そうですか」
「それじゃ、俺達は帰るか!ママがお家で待っているだろうし!」
「そうだな...」
「───と、そうだ。リューガちゃん達」
「ローディー将軍。どうしたんですか?」
「ん、今はもう将軍じゃなくて『六曜』だけど、そんなことはどうでもいいわ。呼びたいように呼んで頂戴。それと、元気にするのよ。風邪、ひかないようにね」
「はい、ありがとうございます。ユリウス───様にも、元気にやってるとお伝え下さい」
「えぇ、わかったわ。私に任せて頂戴♡」
ローディー将軍は、そう口にすると俺にウインクをした。ローディー将軍には、23の世界でも大分お世話になったし、今回もかなり活躍していた。
「ローディー!準備はいいか?」
「えぇ、ごめんなさ〜い!今行くわ!」
そう口にして、ローディー将軍は他の『六曜』の方へ走っていった。
「それじゃ、ご武運を!」
「元気でねー!」
「バイバイ...」
「全員に、神の導きあれ...」
「『チーム一鶴』の皆、ガープを任せたぞ!」
そして、フサインは親指を立てる。俺は、ヒヨコの姿をしていて立てる親指も無いので、その翼を空に掲げた。空───と言っても、ここは室内なので屋根があるのだが。
そして、6人は戻り石を使用して23の世界へ帰っていった。
「───って、クレイドル。戻り石をちゃんと使いなさい」
「・・・」
介護のような感じで、クレイドルの戻り石の使い方をレクチャーするのはダブロスであった。
今度こそ、しっかりと『六曜』の6人は戻り石を使って帰っていった。
「変わった人達だったけれど強かったな」
「アレをまとめてるユリウスって...」
俺は、あのキャラの濃い集団をまとめているユリウスのカリスマ性を再確認した。
「───と、『六曜』は帰っていったから私達は今後について話し合うぞ」
「はい。───って、その前に。ガープさんはここにいて大丈夫なんですか?」
「ここにいて大丈夫───とは?」
「いや、だって23の世界の議会───世会に呼ばれてたんでしょう?」
「あぁ、気にしなくていい。それに関しては、フサインが私が生きていることを証明してくれるだろうし。他にも、有能な宰相である人物は多数いる。それこそ、ユリウスにはその腹心のオーロラがいれば問題ないだろう」
「別に、ユリウスさんは独裁政治をしたいわけでは無いから世会を作ったと思うのですが...」
「それだとしても、ノースタンから他の人物が派遣されているだろうよ」
「まぁ、別にいいのならいいんですが」
「それじゃ、『六曜』を呼び寄せたのも大丈夫なのか」
「それは...そうだな...うん...」
なんだか、急にガープの声が小さくなる。
「あれ、もしかして許可とか取ってない?」
「許可なんか取れる状況じゃなかっただろう」
「でも、事前に話しておくとか───」
「能力のことを隠していた。事前に話すもクソもない!」
「えぇ...じゃあ、怒られる可能性とかもあるんですか?」
「あぁ、そうかもな。だが、死者を出していないから許してくれるだろう」
「そんな適当でいいんですか?」
「最悪、24の世界と25の世界を支配下に置いてユリウス様に献上するから問題ない!」
ガープは、そんなことを口にしてこのことを正当化しようとしている。本当にそれでいいのだろうか。
「あーもう、気にする必要はない!どちらにせよ、お前達は怒られないだろう!」
「それはまぁ、そうですけれど...」
「私の行動の責任はすべて私にある。どれだけ怒られようとも、自分で責任は取れるから問題ない!」
ガープは、そんな事を言って俺達の質問攻めを回避したのだった。若干怒っているし、これ以上話すのは良くないだろう。
「ともかく、今日は皆お疲れだった。今後の話に戻すぞ。いいな?」
「「「はい」」」
「基本的な方針は、フサインがいなくなろうと変わらない。『妖精物語』が全面的に敵対するのは間違いないだろうが、サンバードの使える強者は『妖精物語』くらいだろう」
「───そうなんですか?」
「あぁ、そうだ。この前戦ってわかっただろう?25の世界を担当している月光徒は、お前らにとっては雑魚同然なんだ」
その割には、『付加価値』が関わってきている───って、それは俺達がここにいるせいか。
「25の世界に常駐しちえる月光徒は弱い。であるから、『妖精物語』を倒せばいいんだ」
「じゃあ...」
「そう。直近の目標は、『妖精物語』を一人残さず倒すこととする───ということだ」
「そうしないと、最終目標であるサンバードには届かなさそうだしな」
「あぁ、そういうことだ。まだまだ頑張ってもらうが───よろしいな?」
「「「はい!」」」
───まだまだ、俺達の25の世界での戦いは続いていくようだった。




